満足度★★★★★
全てに驚嘆しました
井上ひさしさんが、「二人芝居の傑作です」とコメントを寄せられていたし、チャリT企画の楢原さんの演出にも興味が湧き、大した期待は感じずに、初めて王子小劇場にまいりました。
正直、期待していた「カシオペア」の方は、どこかで以前観たような感じのする芝居で、それ程の驚嘆はなかったのですが、その後の休憩中の、「鉄屑の空」への、舞台セットの転換振りに、まずびっくり!!
そして、「カシオペア」とは全く趣の違う、人情喜劇風な芝居が始まり、またびっくり!!え、これ同じ作家の作品!!と驚き、そして最後に、この二つの異質な芝居が見事に繋がり、またまたびっくり!
一夜にして、長田さんのファンになりました。
その後、実際にお目に掛かることになった長田さんは、これまた、私の想像を絶する、大変楚々とされた、素敵な女性で、…
本当に、長田さんには、良い意味で驚かされづくめです。
満足度★★★★★
すばらし過ぎです!!
休憩10分を挟んで、『カシオペア』というお芝居と、『鉄屑の空』というお芝居の二本立て。
作者の長田育恵さんの調査力と、それを作品に具体化させる能力に感心しました。天文学のこと、大学の実情、下請の現状、中小企業の活力等について、本当に良く調査されています。
大道具、小道具もしっかりしていて、こういうの大好きです。
満足度★★★★
通常のオムニバス+α
静的な二人芝居「カシオペア」と動的な通常の芝居「鉄屑の空」の2編連作(各70分、転換・休憩10分)で、その対照的な組み合わせによって通常のオムニバスより+αがあると言うかおトク感があると言うかそんな感じ?(もちろん2編はリンクしている)
離婚することになった夫婦が共有物の分配にあたりクジで決めることにし、当たった方はその代わりに秘密を1つ打ち明けるという「カシオペア」は、その「秘密」の中からその夫婦の過去やそれぞれの心の内が浮かび上がってくるのが巧み。
それにしてもあのクジを引く場面、しかるべき側が当たりを引くのにはいかなるシカケが? まさかどちらが当たっても対応できるマルチな脚本というワケではあるまいな。
その夫婦(というか夫)の反射望遠鏡を修理のために預かっていた(←エピローグでそれが明かされる)町工場が取引先の勝手な事情によりあわや経営危機に…な「鉄屑の空」はどこか懐かしく(昭和のニオイがするような?(笑))、工員たちのキャラクターや会話がリアル。
また、2編とも明確なハッピーエンドではないのだが、ふんわりと包み込むような優しさでしめくくるのは心地好く、「奇蹟の星」とすることが多い地球を「ありふれた惑星」とするエピローグは斬新かも。
あと、チラシなどの事前情報から同じ部屋で時を隔てた2編かと思っていたらさに非ず別の場所での物語で、10分の休憩中に壁が展開したり一部が裏返ったり階段が出てきたりで転換するのも見モノ。
満足度★★★★
観る価値大いにあり。
2話の内、期待した『カシオペア』は丁寧な「いい話」だけれども、実は個人的な違和感がちょっとある。もう一つの『鉄屑の空』はフィクションっぽいけれど、かなり面白い。で、それらを繋げたアイデアはステキだった。
広がりには欠けるけれど
それぞれの物語、すごく実直に作られていて・・・。
でも、その分深さや広がりには少々かけるような気もしました。
「カシオペア」の物語運びが実にしたたかでちょっとやられた・・・。