静寂に火を灯す 公演情報 静寂に火を灯す」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-8件 / 8件中
  • 実演鑑賞

    セット、脚本、登場人物、とても丁寧に作られた作品でした。
    人の死に対して、少しライトでは?と感じるところもありましたが、登場人物がひとりひとりきちんと作られていて、あー、こういう人いる!と思わせてくれていたので、「この人はこういう感じ方をする人なんだな」で納得してしまえました。
    真面目にストーリーを追いかけるところと、気構えずに見ていられるところのバランスがすごくよくて、安心して最後まで観劇することができました。
    また色んなテーマや舞台での作品を拝見したいと思います。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★


     マグカルシアターかながわネクストVOL.1として上演された今作は、螺旋階段の第31回公演である。因みにマグカルとは? 華4つ☆
     創作の秘密を1つだけ書いておくことにした。頑張っている劇団へのプレゼントである。

    ネタバレBOX

     リーフレット・「マグカルシアター2022」に拠れば演劇・ダンス・パフォーマンスの為の創造スペースであるスタジオHIKARI及びかながわアートホールで、芸術・文化の魅力を用いて人々を魅了し賑わいを作り出すことを目標にした神奈川県の取り組みだ。マグカルという単語はマグネットとカルチャーを結び付け短縮化した造語である。そのVOL.1に選ばれていることからも螺旋階段という劇団の実力を素直に認めて良かろう。
     さて本題に入ろう。
     板上真上から俯瞰すると台形のパネルの内側に総ての大道具が設えられており、現実の製菓会社の事務所及び応接室そのものといった精緻な作り。下手側壁にはカーテンを開け陽光が入るように設えた窓。その手前客席側に鉢植えの貸鉢。正面奥下手に書類棚、暖簾が下がった出捌けを挟んだ上手壁には額装された「夢」の文字、その上の壁には看板商品名である「海猫さぶれ」の文字。その文字の下辺りに本棚及び予定表ホワイトボード、更に上手に整理棚。なおこの整理棚の上には神棚が祭ってある。上手側壁には出入り口が設けられこちらがもう1カ所の出捌け。硝子部分には「みちのく製菓」の文字が読み取れる。
     また下手客席側には机、椅子が各4つ配置され、上手客席側には応接セットが設えられている。テーブル上には梱包されたさぶれや試食用に小籠に入ったさぶれも載せてある。芸の細かさは下手机の手前客席側に置かれた大き目の塵箱と下手入口手前客席側に置かれた小さなゴミ箱が不均等なそれでいてシンメトリカルな状態に置かれていることである。
     無論、このような小さな齟齬は敢えて作られている。何となれば、今作の中心テーマは、居ないようで居り、居るようで居ない存在に振り回される家族及び近しい人々の話であるからだ。
     かつて来日したロラン・バルトが指摘したように≪我が日本の本質は中心性の喪失にある≫とするなら、そしてこの劇団の真の狙いが其処を指し示すことにあるのだとしたら、恐るべき慧眼と謂わねばなるまい。
     By the way,拝見した限りでは、其処迄哲学的だとは思えなかった。深読みする者と押しなべて自己の感性・経験値から来る判断によって観る者の評価が別れよう。今回自分は、☆印によってその中間を自分の評価とした。
     無論、役者陣の演技はキャラが立ち各々の味を出しているし、照明・音響も気に入った。舞台美術の見事さは感心するばかりであった。だが、真に観客総てを虜にする為には息子の自殺とその原因の因果関係をもっとハッキリ見せる脚本にして欲しかった。
     またもし真のテーマが上に挙げたような中心性そのものを喪失した人々の悲喜劇そのものならば、それが我が国に齎している極めて大きな弊害を炙り出して欲しかった。即ち総てを曖昧化し責任の所在を無化するシステムをだ。折角みちのくを舞台にした作品なのだから。
     以下、長男の自殺について自分なら、こういったことを書く:とどの詰まり長男は、人として守るべき倫理を護った。然し結果的に犯人に怪我を負わせ、それが罪とされ、社会の中で自分の居場所を失くしてしまった。居場所を失くした以上、そして居場所を取り戻せなかった以上、死しかないではないか? 居場所を失くすことの意味とそれが理解されなかった不幸という形でなら、家族の問題として深めることができたであろうし、中心性の喪失という風に持ってゆくなら日本人の精神に深く、殆ど自覚されないマデニ深く染み込んだ天皇制に切り込めたハズだ。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とても面白かったです。本当に心に刺さる内容でした。それなのに、自然な微笑ましい笑い、会話も交え、日常を感じさせつつ登場人物のそれぞれの気持ちが、会話の中から感じられて、本当によかったです。役者の皆さんの力量だと思います。
    一度拝見したいと思っていた螺旋階段さんでしたが、次回作品も見たくなりました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    前半は面白い掛け合い中心のドタバタ劇でしたが、一人の男性が命を絶ってからの後半は一転、静かな時間がゆっくりながれていく落ち着いた舞台でした。キャストも一人一人個性があって印象深く、舞台美術もリアルで全体的にとても丁寧なつくりでした。
    初めての劇団さんでしたが、GWの最後にとても良いお芝居に出会えました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2022/05/06 (金) 14:00

    110分。休憩なし。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    あらすじから想像した感じだと、最初から考えさせられる、ジメジメしたお芝居かと思ったが、全然違った。
    男性4人が明るくておもしろかった。子供みたいではあったが、ひとりひとり好感の持てるキャラだった。
    ラストは、それなりにシリアスであったが、明日に向かって、未来に向かって生きていくという光が見えるラストで、よかった。
    丁寧に作られていて、感極まって泣き出してしまう人もいて、とても良いお芝居でした。

    ネタバレBOX

    カンフェティ購入の人、優先入場...
    私は全く構わないが、お客さんを差別しているということで、気分を害する人もいるかもしれませんね。
    他の特典プレゼントのほうが喜ばれるかも...
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    良かったです。演者もストーリーも舞台美術も!自然と涙がこぼれてました。急勾配の紅葉坂を登って行った甲斐がありました。良い時間をありがとうございました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「(有)みちのく製菓店」のありふれた日常、ただ長男が自宅に引き籠っていること以外は、何の変哲もない。粗筋にある、長男が自殺して、残された家族や身近な人々が思いを積み上げることで、”一人の男の人生がわかってくる”とあるが…。

    自分が観た回には、相当 感受性が豊かな方(自席の真後ろ)がおられ、途中までは笑っていたのに、あるシーン以降は感極まって嗚咽から号泣、そして途中退席された。子に先立たれた親は辛い。その方の事情は分からないが、機微に触れる事があったのだろう。

    物語は、確かに泣き笑いという感情を揺さぶるが、肝心の男の人生がシッカリ浮かび上がらないのが もどかしい。
    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、見事な「(有)みちのく製菓店」事務所内。上手が事務所出入り口、絨毯に応接セット、下手は事務机が並ぶ。窓から陽が射し・月明り。正面壁には月間予定表や「海猫サブレ」の張り紙。神棚、キャビネ、コピー機など、本当にここで商売をしているかのようだ。ちなみに、「みちのく製菓店」や登場家族の名字が「東北」であるが、予定表に小田原市役所との打ち合わせとあることから、店は神奈川県内にあるらしい。衣装(事務服)には「みちのく製菓」と裁縫を施し、小道具にはガラケーを利用する拘り。また照明は、動静や陰(影)陽を表す階調は見事!全体的に観せようとする工夫が良い。
    舞台は 2000年代初頭で、店頭販売から通信販売とネット販売に業務形態を切り替えたとある。約20年後、現在のコロナ禍を重ねる設定のよう。

    物語は、深夜 自殺した東北智明(脚本・演出:緑慎一郎サン)と妹(次女)・千夏(西田好美サン)の謎めいた会話から始まる。智明はほとんど登場しない。逆に家族や従業員、出入り業者の証言らしきもので智明の人物像を立ち上げる、といった展開である。物語は、自殺そして四十九日の法要を境に、コミカルからシリアスへ劇風も一変する。

    引き籠りになった原因は、妹(長女)・彩夏(木村衣織サン)を暴漢から助ける際、相手にケガを負わせ刑事事件になったため。小・中学校時代の友人が彩夏の夫・篠崎純也(根本健サン)になったり、従業員・稲田和人(中根道治サン)として働いており、彼らによれば学生時代は”普通”の少年だったらしい。エピソードらしいことは、純也が車を買って3人でドライブした時、事故を起こした際の穏やかな対応くらい。自殺するまで追い詰められた心情が浮かび上がらない。智明本人にしか分からない事かも知れないが、芝居としては、家族や身近な人々との関わり・・・回想シーンを挿入するなどして「35歳の人生」をもう少し描き込んで印象付けてほしかった。

    製菓店での日常、両親のうち母・道子(田代真佐美サン)が社長、父・将人(露木幹也サン)は家事といった裏方、従業員・犬飼香織(岡本みゆきサン)の滋味ある見方、出入り業者・東風 晋(水野琢磨サン)の とぼけた雰囲気-コメディ・リリーフの役回りが店の活気ある雰囲気を出している。”海猫”という名の人物が事件を起こし、その煽りで「海猫サブレ」の売り上げに影響が出たという波風を立てるが、ある工夫をして乗り切る。家庭内や事務所内の見える「日常の生活」と見えない問題「引き籠り」の融合した舞台化を試みているようだが、うまく噛み合っていないのが残念。

    家族にしても、智明に夫々が抱いている思いは違う。そして智明を知らない若い従業員・彩音祐治(高杉駿サン)はどうか。母や父の思い、胸の内がなかなか見えない。彩夏と千夏の智明に対する思いが、見どころであろうか。千夏は、彩夏の事件が引き籠りの原因であり、結婚し家から離れた処から傍観者的に見ていることに腹を立てている。また千夏は細々とした暮らし向きの面倒をみており、自分が一番心配しているという自負がある。逆に、彩夏はそれが態とらしいと思っている。心の内にある「思い」の強さは比較できないが、それを敢えて表現しようとしている。それが、ラスト 姉の妊娠に対する祝福と憤りという相反する感情が顕になり、無言で叩いた机の音が…。
    次回公演を楽しみにしております。

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