「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』 公演情報 「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★★

    身体表現のごとき饒舌さ。
    その饒舌さはしなやかな身体表現のよう
    表現されるべきものが
    単なる言葉の積み重ねから溢れ出し
    面になり空間に昇華していく感じ・・・。

    言葉の意味として重ねていたものが
    意味を超越して世界になり
    さらにはそれらがつながって・・・。

    後半は目が見開きっぱなしになりました。


    ネタバレBOX

    パンフレットによると「一人芝居ではなくひとつの表現としてみていただきたい」とのこと・・・。で、私なりにですが、おっしゃっていることが理解できたような気がします。
    作り手側の注文どおり、演技の積み重ねから浮かぶ物語ではなく、溢れ出すような言葉から湧き上がるイメージの重なり合いに見事に凌駕されてしまいました。

    個々のパーツの完成度がとにかく高い。
    牛乳パックを材料にはがきを作る男から滲み出る色も秀逸ならば、その内心として裸電球の下で話し合う4人の男たちの法則で抑制された表現もじわじわと染み入って来る。

    同窓会の恩師がもつシュールな無関心さや愛を語る姿が新興宗教への高揚に変わっていくグルーブ感、さらにはしなやかに穿き違えられた芸術の排他性には鳥肌が立ちました。

    また、表現のデフォルメなどから生まれる笑いには豊かなバリエーションと切れがありました。ピストルのごとく至近距離から来る言葉遊びのようなものもあれば核弾頭ミサイルのようにイメージのフレーム全体で揺すぶってくれるものまであって、それらが使い捨てのようにして織り込まれ、時には観るものを突き抜け、時には内側をくすぐりつづける。

    しかも繰り返され有機的に連携するシーンが、
    緻密な構成のなかで
    回って回ってのバターのようにならず、
    多彩な色の広がりとして
    演者が表現する人物の包括したイメージを支えて・・・。

    こういうのって、観ていて、理屈抜きに引き込まれてしまいます。
    そして、常習性をもったわくわく感として観るものに残るのです。

  • 満足度★★★★

    川島さんの凄さが伝わる
    正直、コマツ企画さんの中では、あの多彩な強いキャラクターの中に
    混在していて、それほど川島さんに目がいく事がなかったのですが、
    こんなに「出来る」方だったのかと、かなり感動してしまいました。
    「寒い独り芝居だったらどうしよう」なんて、まったく無用な心配。

    後半の演出も素晴らしい。
    まさに360度で川島さんの才能を見せつけられた気がしました。

    ネタバレBOX

    照明がまぶしかったです。
    真っ暗な中で一点から強い照明が目にはいると
    くしゃみがでそうになるお‥
  • 満足度★★★★★

    傑作だったかと思います。
    二度にわたって書くのもなんか気が引けますが、恐ろしくよかったので。構成、わかっていてもぞくぞくする。自分にしかできない作品を自分で書いて、すべて自分でっていうのはかなりの冒険でしょうが、これは成功。究極の自己表現。

    ネタバレBOX

    絡み合って絡み付いて気持ち悪いまでに追い込まれていく後半のテンポが最高で、怖くて怖くて。

    くだらないキャラばかりでさんざん笑わせられたのに、そのキャラがすーっと一つになっていく謎解きみたいな気持ちよさ。その人物たちが一つになっていく流れにはしっかりとしたメッセージを感じます。

    終わってしまったのが残念でなりません。いずれ、その時の気持ちに沿った形で再演してほしい。
  • 満足度★★★★

    80分でした。
    川島さんの一人芝居は徐々にスピードが上がっていくので、聞き逃さないようにけっこう真剣に聞きます。そして今回も集中。

    ネタバレBOX

    ショートを順番にやるのかと思いきや、そこは川島さんです、全部のキャラのフル活用が段々意味を持って見えてくる。

    登場人物はこれだけいます↓

    アートな男、司会進行の男、四人組の男達、生徒を前にして話す男、市長を前にして話す男、愛を語る男、音楽を語る男、政治を語る男、お笑いに生きる男。

    好きなキャラはアートな男のウシクダさん(?)それ以外も実に細かい。川島さんらしい役が多かったので、次回は普段あまりやらないキャラが観てみたい。
    終わったら、あれ、やっぱり60分だったのかな?と時計を見ると予告通り80分経っていたのであった。

    開演前に流れていた「やすやすめぐみーやすめぐみー♪」って売ってる曲なんですか(笑)
    今日はコマツの本井さんがいたなあ。
  • 満足度★★★★

    セルフプロデュース力の高さにびっくり。
    俳優・川島潤哉のおもしろさはコマツ企画を観ても、どの客演先を観ても明らか。だから一人芝居になっても当然キャラ押し、演技重視で来ると思ったら。。。見事な形で裏切ってくれました。構成・脚本・演出、ちゃんと自分の見せ方を知ってるからできる表現。当日パンフにもありましたが、一人芝居というよりは一つの表現の形として成立したおもしろい作品でした。

    ネタバレBOX

    もちろんキャラ使いもものすごく上手。4人でのトークしてみたり、はがきアーティストとして一人しゃべりしたり。女の子を口説いてたり、選挙活動してたり。個々のシーンでのしゃべり倒し、これだけ書けるのか、っていうのもびっくり。

    キャラメインのショートストーリーの組み合わせかと思いきや、緩やかにつながり交錯する男たち。無理もあるかもしれないけど、照明をうまくつかった転換で妙な感じでつながっていく。後半での行ったりきたりのテンポのよさも。その飽きさせない構成力も見事なんです。

    ただ、俳優さんとしての得意部分攻めばかりのようにも思えたので、どこか違う面が観たかったって意味で☆一つマイナスしてみます。

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