赤き方舟 公演情報 「赤き方舟」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 4.0
1-9件 / 9件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2022/03/20 (日) 14:00

    座席D列11番

    連合赤軍の実在したメンバー5人に創作人物1名を加えて描く事実を基にしたフィクション。
    「半世紀ほど前の事実を下敷きに現代を描いた」と言われたら信じてしまいそう。もちろんあの当時だから、な部分もありつつそのまま今に通ずる台詞もあり愕然。
    が、考えてみるとドキュメンタリーや評伝芝居ではないのだから創作要素も多分にあるワケで、書き下ろし新作であるからには作家は現代の人であって、劇中人物が交わす会話がイマの情勢を反映したものになるのはむしろ当然ではないか?……なんてことも考えた。
    また、「今の世の中を少しでも良くしたい」という理想の下に結集しながらも結果的に人殺し集団になってしいまうことに新撰組との共通項を見出したりも。とはいえ、あの若さで社会のことを真剣に考えていたと思うと隔世の感ひとしお。
    あと、「(自分が思うところの)より良い社会にする」という理想を掲げて活動するも、思うように進まない苛立ちやストレスがひしひしと伝わってきて、その気持ちに共感したりも。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    観応え十分。上演時間こそ、この劇団にしては短い方だが、内容的には力作。
    芝居屋風雷紡らしく歴史的事件を通して現代にも通じる問題、その理不尽を骨太に描いた作品。物語は連合赤軍の事件ー山岳ベースを外観に装いつつ、底流には不平等、特に女性蔑視を中心に鋭く指摘・糾弾する。弾丸は重く深刻、だからこそ観ている者のハートを射抜くのである。

    さて、公演の外観を成す連合赤軍のことは、生半可な知識では書けないが、描きたかった芯の部分は十分伝わる。同調しなければ生き残れなかった同志・仲間、しかし 本当は他人がどうであろうと自分で考え行動する信念がなければ、いつの時代も生きられない、と思わせる。
    因みに映画「実録 連合赤軍あさま山荘への道程」(若松孝二監督)は、3時間を超えるが概要は分かるかも…。
    (上演時間1時間15分)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、ほぼ素舞台。後方に暗幕があるだけで、演説時に箱馬が置かれる。また劇場の中央にある柱に布幕・縄が巻かれ山岳イメージと国外ーパレスチナという地理的違いを演出する。全体的に薄暗く、重苦しい雰囲気が漂い、観客に緊張感を強いる。

    タイトル「赤き方舟」から「ノアの方舟」を連想するのは容易であろう。方舟には全ての番(つがい)を乗せること。その「全て」に平等性があるのだと言う。
    物語は連合赤軍の足跡(そくせき)を描いているが、芯は(女性)差別を強調しており、冒頭から問題提示する。重信房子(前澤里紅サン)が生まれたときに父は女の子でガッカリした。後々分かるが、重信、遠山美枝子(吉水雪乃サン)、永田洋子(増田さくらサン)はヒジャブ(中東諸国の宗教的意味合いは別)を覆い登場する。また雑誌「an・an」を持ち、ファッションに関心があること、化粧をすること、長い髪などが、殊更 女性を表すと批判される。男性だけではなく、遠山美枝子は同志で同性である永田洋子からも嫉妬・虐め・暴力を受けることになる。それが山岳事件-総括シーンとして描かれる。その前段で永田洋子は奇麗ではないーお姫様ごっこの遊びに入れてもらえなかった悔しさ。連合赤軍の活動においても お茶汲み、雑用といった差別を描き、今の時代にも蔓延る不平等をしっかり語らせる。

    山岳ベースでの残虐さ・・同調圧力によって理不尽な行為を誰も止めることが出来なくなる。歪んだ理屈が人を支配する怖さ。それは半世紀前の連合赤軍事件当時よりも現代の方が怖いかも知れない。インターネットを通し同志・仲間でもない見ず知らずの人々からバッシングされる風評・中傷の方が遥かに恐怖。例えばコロナ禍にあったこと等。

    不平等・理不尽なこと、今の世の中で当たり前と思っていることが、将来の人々からどう思われるのか。1970年代ー70年安保闘争、ベトナム反戦、さらに全共闘の「東大安田講堂事件」など学生運動が盛んでテロ・ゲリラへ転戦した。現代から見た当時と同様、将来(例えば50年後)の人から見た2022年はどう見えるのだろう。「世界を変えたいと思っていた」ことは、真に正しい行動であったのか。その命題を現代人の喉元に突き付けた、と思う。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    見事な舞台でした。3人の女優さんたちが素晴らしい。ただ連合赤軍についての多少の知識があれば展開は分かっているのだけど、気が滅入りましたね。狭い会場にほぼ満席のキチキチの状態で、かなりの緊張感を強いられました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2022/03/21 (月) 13:00

    3年前に浅間山荘事件を扱った同劇団が、その前日譚とでも言うべき作品。2年、2回の延期を経て上演される。73分。
     連合赤軍成立前後の展開を描くフィクションだが、重信房子、永田洋子、遠山美枝子(劇中では、金山美智子)ら3人の、女性の視点から描く「革命」という視点が吉水らしい。革命のあり方だけでなく、男女差別やルッキズムをも題材にし、現代の女性とも通ずる戯曲になっているのは、ある意味でスゴイとも思う。意図的に、カッコイイ重信、容姿で差別された永田、美しい金山、という対比を見せる所も巧い。リアルタイムで見て知ってる事件でも、こういった扱いで見せられると、改めて考えさせられることが多い。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    やはり ある程度の下地は知らないと楽しめない(?)作品かなぁ と
    丁寧に背景などを語るか
    今作は切り取った状況の舞台化にしたからか
    わかり難さがあったかなぁ と思いました

    手記とかは読んでないけどー
    山本直樹の漫画レッドは読んでたりするんですよ

    ネタバレBOX

    革命左派と赤軍派が追い詰められていき
    2つの組織は統合し総括ということで犠牲者を出すんだよねぇ
    なんかーポアするって言葉が頭を過りましたよ
    3月20日が前日でしたし・・・ねぇ

    狭い世界で気に入らない人間を殺害していって
    いったい何が残るんだろう??
    何がしたかったんだろうねぇ???
    世界は広いぞーネットの海よりもー
    イエロストーン国立公園とかドローンで上から見たりすると
    地球上とは思えん光景だと思うんだが=そんなとこ
    いっぱいあるんだがな・・・
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    前作に引き続き連合赤軍事件、今回は山岳ベース事件を扱い、赤軍の活動と人間模様が女性構成員を中心に描かれる
    2回の延期を経ての上演
    前作もだったが、自分はリアルタイムで知っているものの、若い人達にはどう映るのだろうか
    それが一番気がかりだった
    「楽園」の窮屈な空間を利用して極度の緊張感が続いた
    あと1時間続いたらどうにかなっちゃったかな

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    交番の手配写真でよくみていた重信房子のの物語を興味深くみれました。山岳ベース事件には思想的にも関与してなさそうなのは良かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    重信房子、遠山美枝子、永田洋子、森恒夫、坂東國男、坂口弘。今作は彼等を知っている人も全く知らない人にも意図が判り辛い作品。知らない人を切り捨てるか、知らない人に向けて丁寧に作るかどっちかに振り切るしかなかった。今年5月重信房子が出所するとの事でそれに合わせて作ったのだろうと勝手に思い込んでいた。連合赤軍は出尽くしているが、日本赤軍や東アジア反日武装戦線”狼“”大地の牙“”さそり“は物語にし辛い。重信房子の人生を通して日本の思想史を描くのではないかと。

    女性3人は黒いヒジャブで顔を隠しており、登場の時まで誰だか分からない。まずは重信房子(前澤里紅〈りく〉さん)、次に遠山美枝子(吉水雪乃さん)。こうなるとラストは永田洋子(増田さくらさん)しかいない。また、この話か・・・。
    重信房子と遠山美枝子が出逢い親友になる。海外拠点を作る為重信はパレスチナに、遠山は山岳ベースでの合同軍事訓練に参加。これが今生の別れとなった。

    吉水雪乃さんが偉く可愛かった。森恒夫役の山村鉄平氏の演説がド迫力。永田洋子(ひろこ)の役をやると何故か女優は生き生きする。女性のある種のピカレスク・ヒロインの元型なのかも。

    ネタバレBOX

    とにかく描き方が中途半端。若い子からすると、何が何やらだろう。こんな端折るなら、もっと焦点を絞った方がいい。

    事件の全容を知りたかったら、若松孝二の映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程〈みち〉』か山本直樹の漫画『レッド』がお薦め。冬の雪山で2ヶ月で12人の同志をリンチで殺した共産主義の理想に燃えるインテリ達のお話。この事件の衝撃で日本の新左翼運動への大衆のイメージが決定的に変わった。
    海外に拠点を移した重信房子達『日本赤軍』は、 イスラエルのテルアビブ空港乱射事件、ハイジャックや大使館占拠事件を繰り返した。

    遠山美枝子役は高橋かおりや坂井真紀など美人女優が演るのが通例となっているが、実際は仲間内から『おばさん』と呼ばれるような感じの人だったそうだ。
    山岳ベースで起こったことについては大塚英志の『「彼女たち」の連合赤軍 サブカルチャーと戦後民主主義』が評論としてずば抜けて面白い。永田洋子は獄死するのだが、『瀬戸内寂聴・永田洋子往復書簡―愛と命の淵に』なんて本もある。全くイメージと違ってちょっと天然の無邪気な人っぽい。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    L型2面の客席に囲まれたほぼ素舞台で赤軍の活動と人間模様が女性構成員を中心に描かれる休憩無し約1時間15分、赤軍の歴史をある程度知っていた方が話に入りやすい気がしました。パンフに付された年表だけでも事前に目を通しておくといいと思います。

    ネタバレBOX

    最後に流れる革命歌はショスタコ11番で耳に馴染んでいるせいか、胸を衝きました。

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