民衆の敵 公演情報 民衆の敵」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.9
1-10件 / 10件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    原作も映画も見てはいないのだけれと、粗筋は知っていました。

    昔、広瀬隆の講演会に行って、最後に髭面の男の写真を見せて「有名な俳優ですが、誰だかわかりますか?」とクイズを出しました。
    私はたまたま知っていたので、手を挙げて「スティーブ・マックイーン」と答えたのです。それから広瀬氏が粗筋を話した、なんてことが有ったので。

    ネタバレBOX

    主人公をドン・キホーテ的に描いたのがミソ、なのかな?

    一度も選挙に行ったことがなく、ノンポリを批判されていた船長が一番冷静でまともだったことが印象的。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    このところ立て続けに「正義とは何か?」的な舞台を観ているけど、やっぱりイプセンはすごい
    ことはそう簡単ではない
    畳み込まれるようにして考えさせられ唸ってしまった
    大衆民主主義(衆愚政治)に対する痛烈な批判ともとれる
    主演の橋本一郎熱演
    高田賢一と松本光生がいい味出していた

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    イプセンのこの作品が傑作であることをよくわからせてくれる舞台

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    役者さんたちの迫力とB1の作りを生かした演出で、とても面白かったです。
    話の展開により2転3転する登場人物の心情がなんとも・・・
    できたら追記しますが、とりあえず迷っている方は見に行ったほうがいいです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    この作品は過去に二度、小山ゆうな演出、森新太郎演出(いずれも2015年)を観た。前者は小さな劇場で主人公=父役の寺十氏がびっくりする程噛みまくっていたが好感触、後者は囲み座席で「名作やってます!」な気合いの演出が膜になって内容が入って来なかった。演出が勝った芝居は趣向の中にメッセージを読み取る「高尚な娯楽」ではあるが、この演目に適合していたか・・。
    以上を序としてハツビロコウの本作。「野鴨」にも言えたが、テキレジが恐らく優れていて、現代に刺さる(台詞には「同調圧力」等の現代語も散りばめられ、今日本のどこかで聞けそうなやり取りに一瞬眩暈を覚える)。
    原作が持つ「古さ」は本筋である所の温泉水の「汚染」の科学的根拠のあたりだが、貧しい町に賑わいをもたらした温泉が「人の健康(生命)と経済」を両天秤に掛ける物議の対象となり、「正義」「正しさ」とは何かをシビアに突きつけるストーリーのリアリティの方にぐいっと関心を持って行かれる。資本主義が本格的に町を動かし始め、民主主義の下地を用意するマスメディア(情報こそ「選択」の材料となる)=新聞が市民権を持ち始めた時期だからこそ吐かれただろう生硬な台詞も、日本の現状を言い当てた言葉に聞こえてくる。主人公の「民衆を敵に回した」言葉を心の奥で噛みしめた。年度末の見納め。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    観応え十分。お薦め。
    現代に通じる社会派劇であり人間ドラマ。とても古典で他国の話とは思えない。
    或る健康侵害・環境汚染問題を糾弾するだけではなく、不条理な人間模様が重層的に立ち上がってくる。単に行政(権力)批判だけではなく、その行為に対する色々な反動を通して人間性を描く。裕福な生活環境を手に入れ、その恩恵を優先する現代社会...そのために将来のリスクに目を瞑り、自己矛盾していることを薄々感じながらも、今の生活水準・富を手放したくない。市民、いや愚衆は今日より明日が少し幸せであれば満足するのだと…。

    内容の捉え方は、(現在)社会情勢と人間の内なる思い、そして周りの環境・状況によって一律ではないだろう。イプセンが およそ140年も前にこのようなテーマを身近な設定で描き出したことに驚嘆する。同時に、今 この演目を上演するハツビロコウの着眼にも感服。
    (上演時間1時間55分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、2つの木製テーブルを合わせたものと、隅にミニテーブルがあるだけ。全体的に薄暗く物語の重い雰囲気を漂わす。場景によってテーブルを離したり配置を変形する。

    梗概…表層的には、町の財源である鉱泉汚染を巡って、真実を公にしようとする町の専属医で科学者・ストックマン(橋本一郎サン)と、それをもみ消そうとする兄であり町長(井上智之サン)=行政(権力者)との対立。設備の改修費用や休業期間は住民生活を圧迫し、将来的には温泉地としての評判も落ちる。真実を公表すればどうなるのかと迫る町長。経済の悪化や不安定な国(行)政によって社会不安が広がると、大衆は分かり易い世界観を説く勢力に傾斜するかもしれない。しかし、一人ひとりが違った見方で世界を見る大切さ、それによって まともな形で世界が存在していることが解る。だから〈人民の敵〉呼ばわりされても、あくまで戦うストックマンは「正しいのは常に選ばれた少数派だと叫ぶ」。町の新聞社は、「真実」と「正義」という建前で権力批判をするが、実は権力にも盾つけず、双方の間で揺れ動く日和見姿勢。新聞社の存在意義を果たせないことへの痛烈な批判を込める。

    コロナ禍において、種々の制限、不寛容な社会になった側面も否定できない現代日本。大勢(マスコミも含め)を背景にし、その正否は十分に検証したのか、といった今に通じる内容だ。

    「自分なりの正義」を信じて行動し、家族を始め周囲の人々を巻き込んで集会の場へ...その場での発言は一瞬正しいように思われる。集会後...家族の行く末不安時に遺産の話。やはり足元の生活優先という小心で狡猾な面もチラリと垣間見える。この学究肌、正義感だけではない人間臭い側面も描く。やはり社会批判と人間の内面を抉る、二面性を持つ芝居は考えさせる。
    さて、一貫してストックマン家族を擁護する船長・ホルステル(石井俊史サン)の存在が気になる。ほとんど洋上で生活しており、この町(地)との関りが薄いのか。冷徹に物事を見つめる、第三者的な立場の人物を登場させること、それは同時に観客の視点でもある。

    上演台本・演出(松本光生サン)は素晴らしい。また演技は、役者が夫々の役柄をしっかり体現する熱演。キャラクターを立たせる演技...役を突き抜け 本当に迫力、臨場感があり観応えがあった。ラスト...向背の決は観客自身で考えてほしい、とのメッセージを投げかける家族の姿。見事な余韻を残した。
    次回公演を楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    さすがです。引き込まれる熱い芝居!良い時間をありがとうございます♪

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ハツビロコウさん、やっぱり素晴らしいです。
    迫力がスゴい!!!
    前回もいいなあと思い、また、絶対観たいと思って観たが、やっぱり期待以上でした。
    [民衆の敵] は私が18 才の時、観たい! と思いなかなか機会がなかったので、観れて超満足でした。
    本当に、役者さんひとりひとりが、熱演していて、いい味出でました。
    正義って難しい。どこまで貫くか?
    うーんと唸りながら、役者さんのことばに真剣に聞き入った。
    もらったチラシに次回作が出てました。
    次回も楽しみ!!!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2022/03/29 (火) 19:00

    初日観させてもらいました。
    イプセンの戯曲は見応え有りますね。
    今の世界の情勢とだぶって、考えさせられました。小さな劇場なので、口論の迫力凄かったです。私の気持ちもあっちこっちになってしまいました。

    有難うございました。役者さんに感謝します。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     今、この作品を上演するハツビロコウの見識の高さは流石で、この点については無論期待通り。スタンディングオベーション! 無論華5つ☆、必見作品、追記2022.3.31 04:43。

    ネタバレBOX

     舞台美術は至ってシンプル。劇場入口の対面をAとし時計回りにB,C,DとするとA横、B横にドア、Cは袖になっているのでこの3カ所が出捌け。オープニングでは板中央に対向させた机1組、各辺に粗末な木製椅子が各1脚ずつ。A側壁に机と椅子。こちらの机上には瓶等が載っている。基本的には弟・ストックマンの家の客間、場転によって船長の家になったりもする。その際は机や椅子の移動で対応。開演前には低く水の流れるような音がしている。この音はこの物語の中心にある温泉を先ずは示唆していようし、深読みすれば世界に広がる広大無辺で深い海をも船長・ホルステルを通じて表していよう。
     物語自体は余りにも有名なイプセンの作だから今更説明する必要もあるまいが、毎回優れた作品を本当にキチンと読み込んで舞台化してくれるハツビロコウらしい極めて本質的、現代的、普遍的、思惟的作品である。上演台本・演出は代表の松本光生さんが担当しているが、見事にイプセンを我々が今生きている日本のヴィヴィッドな現実の活写として甦らせている。
     ところで、温泉の水質に疑問を持ったストックマンが自分の手元に在る検査機器では詳細な検査が出来ないと大学の研究室に温泉水をサンプリングして送っていた所、検査結果が出た。温泉は汚染されているとの結果だった。然し温泉は評判を呼び、貧しかったこの地域最大の収入源となっており失業者も減った。更に直ぐに湯治客が多数訪れるシーズンを迎える。そんな時に温泉が汚染されているという情報が流れれば漸く軌道に乗ったこの町の財政は一気に悪化するのみならず二度と客は戻らない。そう踏んだ医師の兄・町長は何とか事実を伏せようとする。直前迄正義を標榜し、政治の不正を暴くと息巻いていた新聞にも裏切られ、足繁くストックマン家に通っていた人々は1人去り、2人去り・・・。最後迄ストックマン一家を助け、而もストックマン自身を成長させてくれたのは、新聞編集長に選挙の意義を諭された船長のみであった。ところでこの船長とは、一体何か? 筆者の解釈ではイプセンその人ではないかと考える。というのも良く人は人生を荒海に例え、その荒海を乗り切る為の指針をあれこれ考えて己の人生哲学を確立して行くが、これと同じように広大無辺で深い海を渡る為に必要なのは羅針盤や海図、六分儀等の観測機器、時計、対数計算、舵等、船舶そのものとそれを生存可能な方向に向けて操縦する技術と有為転変を乗り切る知恵と胆力だ。まあ、そのようなハウトゥーは二の次だ。しょっぱな船長は選挙の事もその意義もよく分からない政治的素人として描かれ、これが伏線を為す。然し人々の利害、生活、各々の社会的な立ち位置、信念の差等から生じる「正義」のあやふやは、その根拠のあやふやそのものの結果であるに過ぎない。根拠律があやふやでなくなる可能性は、事実だけを実証し根拠として日々検証し続け構築する思考、即ち科学と論理・数学的に証明されたもの・ことだけだ。この単純な事実を事実として見、そのことのみを根拠とする姿勢こそ最も率直で偏りの無い立場なのであり、それを実践的に行動に移し、世間からつまはじきにされた医師・科学者こそが最も論理的に真に近い。無論、ストックマン自身が完成された人間ではないから、彼の民衆評価は、彼の絶望の深さに比例して下がる。当然だろう。散々世話をし、家族同然にもてなして来た者達に裏切られたのだから。然し乍ら事はそれほど左様に単純ではない。象徴する広大無辺な海を渡る船の船長という人間のキャラクターに原作者が己を重ねても或は今作の上演台本を書い松本さんが筆者の解釈したように船長を解釈したのであってもよいが、船長はストックマンが今抱えていることをとうの昔に卒業しているとすれば如何か? 最も優れた船乗りが水先案内人を務めるように船長即ちイプセンは、その天才の巨きく暖かい翼を広げ、真っ直ぐに世界を見て評価しストックマン、その妻、そして2人の娘・ペトラの側に与したのではないか?

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