Hello ~ハロルド・ピンター作品6選~ 公演情報 Hello ~ハロルド・ピンター作品6選~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-5件 / 5件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ハロルド・ピンターの難解な戯曲を俳優の“力業”で見せつけたような舞台だった。

  • 実演鑑賞

    読んだことはあっても観たことがない作品をまとめて観劇できる貴重な機会になりました。6戯曲を読んでから伺って良かったです。ハヤカワ演劇文庫に感謝!
    https://shinobutakano.com/2021/12/07/19259/

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ピンターが、「景気づけに一杯」のような、政治的な芝居を書いていたとは知らなかった。看守役の石橋徹郎の陰湿な陽気さにすごみがあって、怖い芝居だった。タクシーの本社の指令(上川路啓志)と運転手(藤川三郎)の頓珍漢なやり取りの「ヴィクトリア駅」は、ディスコミュニケーションの滑稽という典型的な不条理劇だった。二人の演技も緩急と余白があって、大いに笑えるピンターだった。
    これが、一層大規模に話が食い違いすれ違う「家族の声」「灰から灰へ」になると、寝てしまった。
    晩年になって戯曲がはっきりと政治化するのは井上ひさしとも似ている。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ピンターの作品は掴みにくい。ノーベル賞作家だし、何しろ演劇王国イギリスの代表的作家である。日本でも何度か翻訳上演された「バースディ・パーテイ」や「ダム・ウエイター」のような、評判も悪くなかった舞台も、正直に言えば、滅多に作品に出会わない観客にとっては、どこか腑に落ちないところがあり、その原因を探しても、スルリと逃げてしまう作家なのだ。
    不条理劇のようでもあり、リアリズム演劇のようでもある。芸術至上かと思えば政治的、時には超日常的。今までの演劇のジャンルの枠では推し量れない二十世紀の過渡期の二重性を身にまとった劇作家なのだ。今回の文学座アトリエ公演はそのピンターの短編を6作上演する。いずれも翻訳は出版されているが、読んでもどうせよくわからない、手っ取り早く見てしまえと今冬最も寒いと言う日にアトリエへ出かけた。初見である。昼公演で老若男女取り混ぜ9分の入り。
    舞台は柱だけで建てられていて、上下に椅子四客が向かい合っておけるほどの部屋風のスペース、中央に吹き抜けの空間がある。男女8名の俳優は袖から部屋に登場し、そこから椅子をもって中央に出て位置を占める。モノローグと言ってもいいような台詞で舞台は進む。短編六作は,このような一つのタイトルのもとでの上演を想定して書かれたものではなさそうで、二作、三作、一作が10分の休憩を入れて演じられる、計2時間45分。
    タクシーの指令室とそれを受ける運転手の二人芝居の「ヴィクトリア駅」や、同じく二人の「丁度それだけ」は、時間もその場だけで解りやすいが、全員が登場する冒頭の「家族の声」や最後の「灰から灰へ」は、物語の背景も、筋立て見えにくく、もどかしい。
    ではつまらないかというと、これが結構、筋や演技はよく呑み込めないのに、面白いのだ。
    短編ならではの短い瞬間を切り取った作品もあるが、長い物語が背景にある作品でも、演じられる舞台の上は緊迫感があったり、笑えたりする。テーマは、家族関係だったり言語差別だったりするが、一面的でなくそれぞれの戯曲の多面性がよく表現出来ている。文学座でも初めて見る演出家だが、さまざまな物語形式の本を、演出と俳優があーでもない、こーでもない、とやりあった挙句一つの様式的な舞台にまとめたという感じで、やっている人たちはさぞ面白かったと思う。それが一つの物語のテーマに収斂していかないところや、解釈を俳優の自由に任せているらしいところも、人間がすれ違う多様性のある現代のリアリズムにつながっているのかとも思う。
    俳優は、文学座らしく手堅いが中でも新人の上小路啓志が新鮮でよかった。音楽の選曲もうまい。
    さすがノーベル賞作家の戯曲ではあるが、やはり、もう少し、見方のガイドは欲しかった。この公演は、戯曲に対する一つの回答で、戯曲も読んでみようかという気にはなる舞台ではあった。


  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ハロルド・ピンターの短編6作品を一度に観ることができたのはうれしい。
    どこまで行っても辻褄の合わない迷宮に入っていくような気分にさせられ、集中していないと何もわからなくなってしまうが、演出や実力ある俳優たちの演技のおかげでいろんなイメージを与えられ鑑賞を助けてもらえる。

この公演に関するtwitter

初日1週間前から「団体名」と「公演タイトル」を含むツイートを自動表示します。
(ツイート取得対象にするテキストは公演情報編集ページで設定できます。)

  1. Hello 文学座 ハロルド・ピンター短編6作品。もちろん難解。示唆されるイメージが分かる処と分からない処と。セリフをこなせる役者が演るおかげで場がもつ部分も。私の場合深い感情の波は起こらず: 本で読めても上演の形で見る機会がな… https://t.co/oB8ZcetUJf

    2年以上前

  2. 【ゆる告知】12/15に千秋楽を迎える文学座『Hello ~ハロルド・ピンター作品6選~』について、先日、谷岡健彦さんら計4人で観劇感想をシェアしました。すごく楽しかったので、明日12/14(火)の夜9時頃から「スペース」で話そう… https://t.co/tZIA1uaDXe

    2年以上前

  3. 文学座『Hello〜ハロルド・ピンター作品6選〜』 最前列で観た。文学座の芝居は確か三度目だが、ハロルド・ピンターの作品は初。観劇前、途中休憩が二回入ると聞いて「なんだ休憩なんていいのに」と内心思った自分の認識の甘さを思い知らされ… https://t.co/ypsFTdjuwt

    2年以上前

  4. 文学座『Hello〜ハロルド・ピンター作品6選〜』ピンターだから手強いなと思った1幕目、どんどん突き落とされていく2幕目、とても想像力をかき立てられた3幕目、見ているときは頭が追いつかない時もあったが、終わってみるとずっしりと残るものがあった。朗読劇のような演出も面白かった。

    2年以上前

  5. 文学座アトリエ『Hello~ハロルド・ピンター作品6選~』観た… ハローなんて親しげに言われてもさ…と戸惑うしかない笑 https://t.co/h8qQ7tRuW3

    2年以上前

  6. 文学座 Hello〜ハロルド・ピンター作品6選〜でしたー どういう状況に追い込まれたらこんな戯曲が書けるんだろうと思いながら観劇。もしかしたらピンターってものすごく下戸だったのかも。なんて。 戯曲読んでるだけじゃやっぱわかりにくい。

    2年以上前

  7. 文学座『Hello〜ハロルド・ピンター作品6選』。シンプルであればあるほどひたすら観客と舞台が直接対峙せざるを得ない。その押し潰されそうな緊迫感が空間全体にのしかかる。ことばが裂け、俳優の咆哮を聴いた気がする。 解釈するか現象を受… https://t.co/lHWBTI59RX

    2年以上前

  8. 「Hello」ハロルドピンター作品6選を観劇。 初文学座! ピンター作品が好きなのと石橋徹郎様が出られるので。 難解な部分もありましたが、 兎も角キャストの皆様の演技に魅了されて引き込まれていきました。 政治… https://t.co/JEEY4B7Yuj #文学座アトリエの会

    2年以上前

  9. 文学座ピンターを予約した。漲る!

    2年以上前

  10. 文学座「Hello~ハロルド・ピンター作品6選マチネ@アトリエ。味わいの違う6編(2つは似ている)を一挙上演する企画。吐き気を催すしかない状況やらくすくす笑いの不条理やら永遠の宙ぶらりんやら。でもそこに表層現実のリアルも深層心理の… https://t.co/iiFxHJl1Ex

    2年以上前

  11. 文学座アトリエ『Hello』 ハロルド・ピンター作品6選 8人の役者による緻密な会話劇。 改めてセリフの話し方、発音の正しさが芝居には大事だと感じる舞台でした。 6作品は戸惑うものもあったけどアトリエで挑戦するだけの作品と感じ… https://t.co/fzrSe0p42i

    2年以上前

  12. 文学座「Hello ハロルド・ピンター作品6選」口を開けば劇的になる寺田路恵を始めとする精鋭が、不条理劇こそ硬派の台詞劇であることを証明。但し集中力が必要な作品が6本続くのは疲れる。独裁体制を描く『景気づけに一杯』『山の言葉』が強… https://t.co/pSBgR9YFTE

    2年以上前

  13. 文学座『Hello』観にいきたいなー。ハロルド・ピンターって何?って聞くと、不条理演劇だよーって言われるけど、観ないと実感わかないもんね

    2年以上前

  14. 私も文学座ピンター観る予定だよー

    2年以上前

  15. @koipiyori こんばんは。本日付読売新聞夕刊の「Evening Entertainment」面の「文学座 ピンター短編6作上演」と題する記事に「昨年、準座員になった小石川桃子が文学座デビューする」と。おめでとうございます。お体第一の上で益々のご活躍を。

    2年以上前

このページのQRコードです。

拡大