満足度★★★★
パンドラの匣?
事前情報から自分の「毒」を浄化するために女性を「くいもの」にする悪いオトコの話かと思っていたら(読解力不足?)さに非ず。
前半の崩壊しかけた家族のドラマは木造の旧家を想起させる装置の醸し出す雰囲気と相俟ってPARCO劇場などで上演される翻訳劇のようで、馬渕英俚可でも出て来るのではないかと…(笑)
後から改めて考えると志保子なんかピッタリだし、するってぇと知果は南沢奈央か?などとも…(『赤い城 黒い砂』気味(笑))
が、最終的に「女性によって浄化される」ことになるワケで「あ、なるほど…確かにぃ」みたいな。いや、浄化されると言うよりはむしろ「膿を出し切って快方に向かう」の方が的確か?
あれもこれも喪ってしまった主人公のもとに5年間浴室に閉じこもっていた(!)妻が「女神降臨」とばかりに降りて来て、徐々に照明が明るくなるラストの表現を「希望」と解釈すれば、あの家はすべてが去ったあとに希望だけが残ったパンドラの匣のようにも思える。(それとも主人公の幻想もしくは願望?)
照明と言えば開演前(と終演後)、舞台上方にあるバスタブ後方の壁に、水面の反射光(らしきもの)がゆらめいており「ありゃ、バスタブには水が張ってあるのか?」と思ったら本編から察するにそのようなことはなく、照明効果だった模様。う~ん、トリッキー。
また、終盤でバスタブ横から消失する自転車もトリッキー。
その直後のシーンで「上に引き上げたのか?でもそんなスペースはなさそうだし…」などと気になってしまった…(笑)
満足度★★★
バスタブってひとつの世界だ。
空間の使い方が印象的。
女優の好演が目立ちました。演出の方の世界観がくまなく出ているという点ですばらしい作品だと思います。
岩井俊二のような
自分が感じたのは岩井俊二の『UNDO』のような静寂のある世界観(例えが古くてすみません)で、劇団名からは全然想像が付きませんでした。自転車を漕ぐシーンやクライマックスなど印象的でした。個人的にはインタビューの対談シーンがもっと観たかった。ああいう意地悪な組み合わせ好きなんです(笑)。
(相対評価を避けるためどの公演にも星はつけておりません)
満足度★★★★
見応えありました
大胆な舞台装置やストーリーの切り込みかたが秀逸で、見応えありました。
照明も見逃せませんでしたが、さらに思い切って「闇」を強く表現することも
『あり』かなと思いました。
また、特定のシーンで流れる「時計の秒針が刻む音」が印象的で、深みを
与えていたように思います。
惜しむらくは、「ふしだらな男」があまりふしだらに見えなかったことです。
静寂が美しい舞台
一番高い所にあるバスタブが
灯台のようにうっすらと、ぼんやりと浮かんでいる。
人間の隠しておきたいけど 持っているドロドロした物を
隠さずにストレートに見せてくれる
多分嫌悪を抱くのは、自分にも当てはまる所があるからだと思う。
暗闇の中での女性達の鼻歌が可愛くて好きでした。
満足度★★★★
ぬめっとした透明度
機材トラブルかなぁ。下手のスピーカーの音がたまに飛んでました。
チラシの文面からすると、代わる代わる女を食いちらかしていくような印象を受け、青髭みたいな肉欲にまみれた感じを想像していたのだけど、意外にピュア。
男ってダメな生き物だなぁと愛おしく思えます。
満足度★★
湿気
私は初見です。「3回観てる」という知人が
「今回が一番好き」と言っていました。
ふーむ。
他劇団での活躍ぶりを見たことあるぞって方々がちらほら。
そしてお客様にも見たことあるぞって方がわんさか。
注目ぶりがうかがえました。
満足度★★★
「夫婦愛」
個人的には好きな世界観。
まず王子小劇場の作りを活かした舞台セットが目を引いた。
手放しで面白かったとは言えないけど、主人公と妻との「夫婦愛」が印象的。美しい光景だった。
考えさせられた作品。
奥行きを感じた戯曲
初日ということもあってか、鮮烈なフライヤーほどのエスカルゴ感というか、粘度の高さみたいなものが不足していた感じだった、かも。ただ、ネタバレBOXに書いたように、本としての骨格は非常に魅力的で好みなので、二日目以降はもっと良くなっていくんだろうなあ、もう1回観られなくて残念。