私の心にそっと触れて 公演情報 私の心にそっと触れて」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2021/12/21 (火) 08:30

    ベテラン俳優の演技に圧倒
    それに尽きる。

    空間、間合い、テンポ、同じものを若手がやろうとしても技術的にも人生経験的にも太刀打ちできないだろうというものを見せつけられた。

    2時間40分はなかなか長かったので、初めて演劇を観る方には心構えが必要かもしれない。

  • 映像鑑賞

    満足度★★★★★

    こういう芝居に遭遇するたび、「芝居に敵うもんはなか」とドヤ顔したくなる。体内物質の分泌が促進され、血行も良くなり尻の痛さを忘れる。良い事づくめである。
    劇場観劇を諦め、配信を選んだが、正直音声はよくない(録音マイクが舞台から遠いのだろう、ノイズレベルかなり高い)。見始めて一瞬しまったと焦ったが、意外やすぐ芝居から目が離せなくなり、休憩を挟んで終いまで演劇的快楽を味わった。
    ・・という事で、公演は終了し後は配信しかないが、自分的には配信でもお勧めである(ただし「巻き戻し」せずに鑑賞するには音量の上げ下げが必要かも。)

    主催がメメントCと山の羊舎とあり、メメント→山下悟氏へ演出依頼したのだろうと勝手に想像していたが、実は山の羊舎の企画であるようだ。舎の主たる活動は別役実作品の上演で(それも年一回あるか無いか)、2015年別役フェスでの「後ろの正面だあれ」は私に別役実世界の魔力を見出させた一つだったが、このささやかなユニットが昨年上演した「メリーさんの羊」(山の羊舎の前身が「メリーさんの羊を上演する会」という一風変わった集団)に、女1役で出演した民藝・白石珠江が今作での妻役。その夫である認知症を発症した元医師(奇しくも認知症にも通じた脳外科医)と共に実にハマり役であった。
    舞台は基本、老夫婦宅のリビングらしい場所で、介護事業所のスタッフや夫婦付き合いの長い旧友、新たな夫(二番目)連れの娘といった訪問者が夫婦の「現在」に絡むが、やがてかつての同僚で職場を追われた元医師(現看護師)や、難病を患い僅かな希望にすがるように治験に同意したピアニストの登場によって「過去」が顔を覗かせ、老医師の現在を形作っているだろう人格の構成要素が見えて来る。そしてそれらは同時に、医師自身の手(脳)からこぼれ落ちて行くものとしても描写される。
    この芝居が醸し出す面白さの源をうまく説明できないが、久々に嶽本女史の書いた言葉のユーモアと力強さに触れた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2021/12/20 (月) 14:00

    座席1階

    認知症は専門である脳神経内科の元教授が認知症を患う。うすうすわかってはいるのだが「自分がそんなはずはない」と介護を拒否。必死になって寄り添う妻も疲れ果て、夫に手を上げるような状況に追い込まれていく。だが、この舞台は認知症介護の厳しさだけを伝えているのではない。認知症が進行し、既に自分だけの世界を生きるようになった人が「自分の心に何か、温かいもの」が触れてきらめく一瞬を舞台で見せるために、2時間余りの物語が展開する。

    主人公は医師、娘は弁護士。鎌倉の庭付きの家に住む裕福な家庭である。だが、病気の進行はいやがおうにもその家庭をむしばむ。さらに患者の胸の内や、こだわり、葛藤など本来は外に出ないものを周囲にさらけ出し、ぶつけていく。この点、特に、主人公が誇りをもって勤め上げてきた医師という職場へのこだわりがすごい。かつて診療した患者だったピアニストの女性を登場させ、妻が浮気を疑うという筋立てなどはかなりリアリティがある。この役を妖艶に演じた駒塚由衣という女優はとても迫力があった。

    脚本を輝かせたのは言うまでもない俳優たちだ。主人公を演じた元文学座の外山誠二、妻を演じた民藝の白石珠江。この二人の演技は出色である。特に外山は、経験したこともない認知症患者という難しい役を、強烈な迫力とリアリティーをもって演じぬいた。客席が息をのむ迫真の場面が何度も訪れ、終幕時には感涙を誘った。また、壊れていく夫を理解しようと懸命に努力するがどうしても現実を受け入れられない介護者の妻を演じた白石は、せりふだけでなく微妙な表情の暗転までクリアに演じ、胸の内が舞台からあふれてくるような芝居だった。

    認知症ケアについては、舞台で描かれたような激しい周辺症状(BPSD)をどうしたら少なくできるかという点など、大きく進んでいる。薬では治らない病気であるが、周囲が理解できなくなってもその人の魂や本質はそこにこれまでと同じようにあり続ける。今回の舞台は、本当にいろんなことを教えてくれた。

    秀作だ!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    私にとっては、今年一番とも言える芝居で、本当に観に行って良かったです。
    嶽本氏の脚本、山下氏の演出とも見事であっという間の135分でした。
    役者陣も素晴らしい。
    人望があり、患者に寄り添う医師が、やっぱりプライドの高い人間臭い人であることが認知症の発覚とともにむき出しになっていく。その元医師役の外山氏の演技は一瞬たりとも見逃せないほど秀逸でした。
    超高齢の親をもつ身には非常に衝撃を受けました。

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