柔らかく搖れる 公演情報 柔らかく搖れる」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-5件 / 5件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    うーーーーん。描こうとしている題材も、それぞれの抱える問題も、ゆっくり首がしまっていくような息苦しさもわかるし、描ききれていないとは思わないのだけど、うーん、なんとなく噛み合わない。必要十分かあまりはっきりしない。ちょっと説明的。掘り下げられている人物とそうでない人物の差が気になる。いや〜な動きをしている人について背景を知れないのが意図的であったとしてもキャラクター化してしまっているように感じてしまって苦しい。やや登場人物が多すぎる気も?もう少しそれぞれが絡み合いたい。

    ことことパートナーが抱き合いながらゆらゆら揺れるシーン、「ことこがおるけんね」で何故か涙がポロポロ流れた。いろんな不満を持ちつつも、感謝して、頼って、生きていくんだなあと思ったら急にいろんなものが愛おしくなった。大切にして生きていかなきゃいけないなあ。

    リョウタの家族への興味の失い方がすごくよかった。夫婦のシーンではとても優しく見えたから、ああ本当はいい人なんだろうなあと思ったらせつなかった。

    暗転が多いのかなあ。こういう感じならもう少しさらさら流れたい。セットももう少し効果的なものが作れそうな?(車内のシーンとか)

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #柔らかく揺れる
    #ぱぷりか
    2回目。休演日を挟んで変更された演出の一つは配置。テーブルにつく場所が変わったことでガラリと印象が変わった。#用松亮 さん演じるリョウタの存在がグッとクローズアップされた気がする。もしかして父親を…?という疑念が渦巻き、川底の闇がより暗く深くなった印象を受けた。川がみんな海へと注ぎ込むように、家をみんなの集まる場所にと願った母。そこは、楽な道を選んだ人の吹きだまりとなり、人の心の底に淀む諦めや絶望や悪意を含んだ闇も流れ込んだ。
    冒頭の葬儀と、ラストの一周忌は別人のモノ。その間の時間は行ったり来たりしていて、同じ時間の別の場所だったりもする。シャッフルされた時間に映るのは、彼らが抱える生き辛さの氷山の一角でしかなく、ここで語られないことが水面下に存在している。この中に殺人犯がいるのか? 一人か? 二人か?
    仕事のストレスから解放された者と打ちのめされた者。愛する人が可愛がる動物にまで嫉妬する者。そうした小さな怒りの種をため込んだ先に、一体何が起きたのか。是非とも劇場で目撃者となって、事故か事件か……思いをめぐらせてみてください。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #柔らかく揺れる
    #ぱぷりか #初日
    主宰 #福名理穂 さんの描く人物像は、物静かでソフトでありながら何処かが歪んでいて、常に疑心暗鬼で臆病に見える。それが市井の人たちの真実に思える。恐怖はいつだって隣にあって、でもそれを直視するのは恐いから、視線の隅に感じながらも存在していないと自分に言い聞かせる。無視する、或いは見て見ぬふりをする。それが身を守る術であり、生きる力なのかもしれない。戦うことを避け、楽な道を選んだ人の吹きだまり。共依存の世界がそこにある。
    今作も家族の話である。大切に思っているのに……大切に思っているから、感情が波を打つ。家族だからこそ、無条件の愛があるからこそ、すれ違い掛け違えてしまうと厄介で、関係の修復が難しい。生きている限り、誰もが問題を抱えている。
    父の死は、それだけで大事なわけだけれど、そこに纏わり付いている疑念を晴らそうとする者はいない。燻り続けるソレは、指に刺さった小さな棘よりは強い刺激で、喉に刺さった小骨未満の痛みで持続する厄介さだ。闇の中で砂利を踏む足音と、川へ垂れ流した小便に潜む悪意がジワジワとナメクジのように背筋をヒンヤリと刺激しながら上がってくる。
    転換の暗転中に、長く水中へと引きずり込まれる。あの雨の夜以外は。その長さで、溺死する息苦しさの恐怖を疑似体験する。
    それにしても、キャストが素晴らしい。前半を制したのは #岩永彩 さん。孤独と決別の決意が、その美しさから匂い立った。美しさを封印してダメ母を見せてくれた #廣川真菜美 さん。患者に興味を抱かない産婦人科医が可笑しかった #深澤しほ さん。憂いを帯びた横顔は、まるで劇画から飛びだしたようにカッコイイ #堀夏子 さん。そして、今作が初見の #桂川明日哥 さんから発せられる自然体の空気感に魅了された。
    上演時間約90分。豪華キャストを贅沢に使った今作は見事な引き算で計算され、観たい知りたいシーンは観客の想像力で補完するよう構成されている。「物語」という大きな家にあるたくさんの部屋の入り口の戸を少し開けて、いろんな部屋の中を覗いて奥を想像するという感じが、なんとも演劇的で奥行きや広がりを感じさせてくれる。大事件がそこにあるのだけれど、誰もそれを詳らかにせず、その家族を柔らかく揺さぶっている。演劇を愛する全ての人に届いて欲しい作品がソコにある。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    鑑賞日2021/11/05 (金) 19:00

    初見のユニット。不思議な感触の静かな演劇だった。90分。
     父が亡くなっての葬儀の日。母・兄・姉(家を出て一人暮らし)・妹の家に、兄妹の従姉とその娘が一緒に住むことになる。その一年後の一周忌に向けての、この人たちと取り巻く何人かの、さまざまな出来事を淡々と描く。それぞれが問題を抱える人々だが、何となく普通に生きてる。何を言いたいのかが、何を描いているのか、よく分からないけど、感触は残る。久々に見た elePHANTMoon の菊池奈緒が健在なのが嬉しい。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ■約90分■
    方言からして山陽地方の一家? それぞれに悩みを抱える家族の面々のエピソードが同じウェイトで描かれるばかりで、重心となる物語がなく、また、それは意図的なものなのかもしれないが、話同士が互いに深くは交わらず、それがために劇がうねってゆかず、物足りなかった。タイトルがタイトルだし、観る者の感情をそっと、かすかに揺さぶるような、派手さはなくともほんのり胸に残るような静かでささやかな劇をハナっから志向していたのかもしれないが。
    観た人は言うかもしれない。家長たる父の死がこの劇の重心であろう、と。しかし、残された家族の会話からは父の人となりがいまひとつ伝わってこず、また、父の死は劇全体にそこまで大きな影を落としてはいない。その死が謎めいていることと、残された家族それぞれのエピソードとの間にもそこまで強い連関は感じられず、劇としては不体裁だと感じた。
    一言で言えば、父の死というものが劇全体をくるみきれていない。

    ネタバレBOX

    だからこそ、父の死が蒸し返されて劇が終幕となることにはどことなく違和感を覚えた。
    父の死でなく、個人的には、不妊に悩む長男夫婦の話に最も感情移入。この話を軸に据え、他の家族のエピソードがそこへ有機的に絡んでいけば、少なくとも私はもっと前のめりで鑑賞できたはず。長女とその同性のパートナーが猫を飼うくだりなんざ、眠りこそしなかったものの、あまりにも刺激が乏しく、途中から茫然としてしまった。

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