柔らかく搖れる 公演情報 ぱぷりか「柔らかく搖れる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ■約90分■
    方言からして山陽地方の一家? それぞれに悩みを抱える家族の面々のエピソードが同じウェイトで描かれるばかりで、重心となる物語がなく、また、それは意図的なものなのかもしれないが、話同士が互いに深くは交わらず、それがために劇がうねってゆかず、物足りなかった。タイトルがタイトルだし、観る者の感情をそっと、かすかに揺さぶるような、派手さはなくともほんのり胸に残るような静かでささやかな劇をハナっから志向していたのかもしれないが。
    観た人は言うかもしれない。家長たる父の死がこの劇の重心であろう、と。しかし、残された家族の会話からは父の人となりがいまひとつ伝わってこず、また、父の死は劇全体にそこまで大きな影を落としてはいない。その死が謎めいていることと、残された家族それぞれのエピソードとの間にもそこまで強い連関は感じられず、劇としては不体裁だと感じた。
    一言で言えば、父の死というものが劇全体をくるみきれていない。

    ネタバレBOX

    だからこそ、父の死が蒸し返されて劇が終幕となることにはどことなく違和感を覚えた。
    父の死でなく、個人的には、不妊に悩む長男夫婦の話に最も感情移入。この話を軸に据え、他の家族のエピソードがそこへ有機的に絡んでいけば、少なくとも私はもっと前のめりで鑑賞できたはず。長女とその同性のパートナーが猫を飼うくだりなんざ、眠りこそしなかったものの、あまりにも刺激が乏しく、途中から茫然としてしまった。

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    2021/11/04 22:26

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    2021/11/08 14:09

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