ウィット 公演情報 ウィット」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-3件 / 3件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    女性教授の高慢、衒学、空虚なプライドを誇張して表現。彼女のがんで入院した病院も、へつらい、野心、足の引っ張り合い、「人間より研究」「患者やモルモット」といういびつな医師たちを誇張してよく伝わってきた。シリアスな劇だが、ユーモア(これがウィットなのかもしれない)が感じられた。

    末期がんの教授役の富沢亜古さんは、髪の毛も丸坊主にして、嫌味な人物をスマートに演じていた。大量のセリフを覚えて舞台を引っぱり、素晴らしかった。張平さんも、日本人俳優の中に混じって、中国訛りの日本語が、日本の舞台に新しい刺激を与えていた。今後、日本の舞台の多様性を広げる活躍に期待したい。

    ネタバレBOX

    英文学で最も難解と言われる詩人・ジョン・ダンの複雑さの影に「恐れ、逃げ」があったという指摘が、主人公の大学教授の不安と重なるという作劇は見事だし、最後に、昔の厳しかった恩師(新橋耐子)の前で子どもに帰って、絵本を読む(この「家出うさぎ」の話もいい)シーンが切なく、良かった。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2021/06/08 (火) 18:30

    座席I2列14番

    だから、、、という訳で選んだのではないですが、私にはかなりに身につまされる内容でした。ステージ4の癌患者。
    これでwitがなければ悲惨話ですが、死にゆく主人公の気持ちは、判る気がします。
    作者の深い職業経験を踏まえた語り口で共感度の高い舞台でした。
    チラシには「尊厳死」「高度医療」など、何か問題提起的な惹句が踊っていますが、
    家族のいない初老の(今では「若い」と評される)女性の、死への精神的な道程を、病院内での些細な出来事を追いながら
    (とはいえ、死にゆく主人公にとっては些細でも重要でもない)描きます。過去にも未来にも普遍的な課題です。
    そこで、彼女が仕事柄、引用的に持ち出すのが、17世紀のイギリスの詩人ジョン・ダンです。
    このくだりは、正直衒学的で、あまり感心しないのですが、「死」へのさ
    さやかな抵抗として、彼女の武器がそうであったということは理解しました。
    なるほど。私の武器は何だろうか。

    ネタバレBOX

    死にゆくものは、何も持ってはいけない。確かにそうなのだろうえれど、名誉や財産、学識、成功体験等々、自身が生み出したもの、頼ってきたものをもって、胸張って死んで行ければ、それはそれでよいな。
    案外、市と向き合うと、人生とは?何て謙虚な気分にはなれないもので、ケセラセラ以外のどのような気分でもない(私は)。夕飯に悩み、娯楽に興じる姿に、余命云々もないな。
  • 実演鑑賞

    #文学座
    #ウィット
    人はみな裸で生まれてくる。そして、死にゆく時に何も持っては行けない。名誉も学識も財産も、最後に役立つものでは無い。最後に欲しいのは慈しみや優しさ。
    これは、何となく分かること。それくらいのことは考えられること。特に新鮮な発見や驚きはない。ただ、40歳を過ぎた頃から漠然と抱いていた人生の終幕について、健康寿命について考えさせられることになった。人間の尊厳について。人は失敗する。真剣に取り組んでいるものや大切にしていることには、それが起こりがちだ。そしてそれは重大な問題として迫ってきたりする。そのいたたまれなさを噛み締めた。
    研修科公演で輝いていた #張平 さんを久しぶりに観ることができたのが楽しかった。

    ★ネタバレに追記
    そろそろ書いてもいいかなと思って。

    ネタバレBOX

    ❶ラストシーン
    正直に言って違和感アリ。むしろ不快感と言ってもいい。その少し前から、嫌な予感がしていた。そして『嗚呼、来る来る。やめてやめて…』という、ジェットコースターがゆっくりと上昇して行くような気持ちになった。もちろん本に書いてあるのだろう。海外戯曲で制約もあるのだろう。ならば、コレを選ばなければよかったのにとさえ思ってしまった。病で死にゆく人間のモノローグは身につまされるけれど、予想できる範疇を超えてこないし、演劇として魅力を感じなかった。

    ❷張平さんの看護師役
    看護師役には演出の工夫をして欲しかった。そもそも日本人が海外戯曲を上演しているわけで、そこに台詞が異国情緒を醸す彼女をキャスティングするなら、役自体も外国人の設定にする方がいいし、そうでないならキャスティングの意図が伝わらない。大好きな俳優さんだからこそ、もっと良さを引き出せる工夫をして欲しかった。

    ❸プロンプター
    こんなにもプロンプターの存在が際立った公演に出会ったことがなかった。初日だったからだけだろうか。あれだけの長台詞の独白なのだから仕方ないとも思うけれど、プロンプターの力を必要とした俳優が一人だった訳ではない。確かに役柄と俳優の実年齢が近ければリアル感は増すかもしれない。でも、そもそも芝居なのだから違う年齢の俳優が演じても良いはず。もっと若い俳優が担っても良いのではないだろうか。
    あれでは間をとった演技なのか、台詞を思い出しているのか心配になること多数。それでは作品に集中できるはずもなく。
    公演も終盤に入りました。滑らかになっていると祈る。

このページのQRコードです。

拡大