ウィット 公演情報 文学座「ウィット」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    #文学座
    #ウィット
    人はみな裸で生まれてくる。そして、死にゆく時に何も持っては行けない。名誉も学識も財産も、最後に役立つものでは無い。最後に欲しいのは慈しみや優しさ。
    これは、何となく分かること。それくらいのことは考えられること。特に新鮮な発見や驚きはない。ただ、40歳を過ぎた頃から漠然と抱いていた人生の終幕について、健康寿命について考えさせられることになった。人間の尊厳について。人は失敗する。真剣に取り組んでいるものや大切にしていることには、それが起こりがちだ。そしてそれは重大な問題として迫ってきたりする。そのいたたまれなさを噛み締めた。
    研修科公演で輝いていた #張平 さんを久しぶりに観ることができたのが楽しかった。

    ★ネタバレに追記
    そろそろ書いてもいいかなと思って。

    ネタバレBOX

    ❶ラストシーン
    正直に言って違和感アリ。むしろ不快感と言ってもいい。その少し前から、嫌な予感がしていた。そして『嗚呼、来る来る。やめてやめて…』という、ジェットコースターがゆっくりと上昇して行くような気持ちになった。もちろん本に書いてあるのだろう。海外戯曲で制約もあるのだろう。ならば、コレを選ばなければよかったのにとさえ思ってしまった。病で死にゆく人間のモノローグは身につまされるけれど、予想できる範疇を超えてこないし、演劇として魅力を感じなかった。

    ❷張平さんの看護師役
    看護師役には演出の工夫をして欲しかった。そもそも日本人が海外戯曲を上演しているわけで、そこに台詞が異国情緒を醸す彼女をキャスティングするなら、役自体も外国人の設定にする方がいいし、そうでないならキャスティングの意図が伝わらない。大好きな俳優さんだからこそ、もっと良さを引き出せる工夫をして欲しかった。

    ❸プロンプター
    こんなにもプロンプターの存在が際立った公演に出会ったことがなかった。初日だったからだけだろうか。あれだけの長台詞の独白なのだから仕方ないとも思うけれど、プロンプターの力を必要とした俳優が一人だった訳ではない。確かに役柄と俳優の実年齢が近ければリアル感は増すかもしれない。でも、そもそも芝居なのだから違う年齢の俳優が演じても良いはず。もっと若い俳優が担っても良いのではないだろうか。
    あれでは間をとった演技なのか、台詞を思い出しているのか心配になること多数。それでは作品に集中できるはずもなく。
    公演も終盤に入りました。滑らかになっていると祈る。

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    2021/06/06 18:25

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