ウィット 公演情報 文学座「ウィット」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2021/06/08 (火) 18:30

    座席I2列14番

    だから、、、という訳で選んだのではないですが、私にはかなりに身につまされる内容でした。ステージ4の癌患者。
    これでwitがなければ悲惨話ですが、死にゆく主人公の気持ちは、判る気がします。
    作者の深い職業経験を踏まえた語り口で共感度の高い舞台でした。
    チラシには「尊厳死」「高度医療」など、何か問題提起的な惹句が踊っていますが、
    家族のいない初老の(今では「若い」と評される)女性の、死への精神的な道程を、病院内での些細な出来事を追いながら
    (とはいえ、死にゆく主人公にとっては些細でも重要でもない)描きます。過去にも未来にも普遍的な課題です。
    そこで、彼女が仕事柄、引用的に持ち出すのが、17世紀のイギリスの詩人ジョン・ダンです。
    このくだりは、正直衒学的で、あまり感心しないのですが、「死」へのさ
    さやかな抵抗として、彼女の武器がそうであったということは理解しました。
    なるほど。私の武器は何だろうか。

    ネタバレBOX

    死にゆくものは、何も持ってはいけない。確かにそうなのだろうえれど、名誉や財産、学識、成功体験等々、自身が生み出したもの、頼ってきたものをもって、胸張って死んで行ければ、それはそれでよいな。
    案外、市と向き合うと、人生とは?何て謙虚な気分にはなれないもので、ケセラセラ以外のどのような気分でもない(私は)。夕飯に悩み、娯楽に興じる姿に、余命云々もないな。

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    2021/06/09 17:24

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