満足度★★★★★
佐藤B作さんはじめ、俳優さん達の演技を光らせる骨太な脚本の良いお芝居でした。
欲を言えば少し照明が足りなかったかな。終演後、受付に立たれてた永田さんに感想言ってた某女性脚本家を見かけ、改めて今の演劇界は女性がひっぱってると思いました。再緊急事態宣言の中での上演、本当に感謝の演劇でした。
それにしても、マスク演劇マスク鑑賞、ついたては良いとしても両隣に人が座るに違和感持つような演劇鑑賞が定着しちゃうんだろうか。
満足度★★★★
冒頭、政治評論家(佐藤B作)がコロナ禍の体温測定で「37度4部」だったという設定から笑えた。現在只今のコロナを舞台に乗せて笑いのネタにしてしまうとは、何たる大胆不敵。さらに学術会議の任命拒否の裏情報をめぐる、メディア内の興奮と忖度と萎縮を見事に芝居にしていた。
評論家の翻心のきっかけに少しオカルトを使っていた。超自然現象を取り入れるとはご都合主義ではないかと思ったが、考えてみれば、評論家の抑圧された本心が無意識に現れたものとも取れる。ギリギリの線を攻めてきた際どい作劇である。
編集権を経営者から報道の現場が取り戻せ、そのための記者たちの話し合いをと語る。永井愛にしては珍しくストレートな訴えで、よほどの危機感なのであろう。笑いをまぶした社会批判劇といい、井上ひさし劇をほうふつさせる秀作である。
満足度★★★★
当たりシリーズだけあって、見ている間は、展開も面白く楽しめるが、現代世間批判としては新劇版ニュースペーパーみたいで、作者が永井愛なら、もっと演劇的に深く突っ込めるのにと、「時の物置」や「パパのデモクラシー」を懐かしく思い出してしまう。
テレビのニュース番組の裏話で、このレベルのメディア批判劇は既に幾つもある。若い作家も書いている。永井愛ならもっと、ユニークな視角でドラマを作ってほしい。というのはこちらの勝手な願いで、この方が分かりやすい。劇場の観客はテレビしか見ない善男善女だからこれでいい、現に拍手喝采してくれるではないか、といわれると二言はないのだが。
現実社会の実働人間はニュースが必要なら、新聞も週刊誌もSNSも利用する。この舞台で見られるようなテレビ番組だけを頼りにしてはいない。トランプは半分も支持者があるから侮れないという識者もいるが、あれだけテレビで宣伝し、SNSで発信しまくっても半分に届かないのである。別の評者(かず氏)も言っているように、これで自らの主張とするならかなり寂しい。
しかし、この優れたおとなしい劇作家をこのレベルまで駆り立てたのは、新国立劇場での官僚との対立や現政権のでたらめ政策が蓮日繰り広げられ腹に据えかねたからであろう。無学・無神経な政治家・官僚の権力を嵩にきた文化いじりは本人たちが気付いていない一国の文化水準を貶める罪深い所業だ。
満足度★★★★★
演劇の価値がココにある。演劇は社会風刺の大切な手段であり、使命でもある。かつて政が恐れた演劇が確かに存在していた。シリーズ第一弾に直結した今作は、covid-19と悪政とマスコミのあり方に対し真正面から切り込んだ秀作。観ながら血がたぎる。安全なところで好き勝手言っていてはダメなんだ。もう、選択を迫られているんだ。その責任を自分に向けられたとき…何を選ぶか考えねば。勇気を持とう。たくさんの人に届いて欲しい。
満足度★★★
鑑賞日2021/01/08 (金) 19:00
座席M列
価格6,000円
二兎社の「ザ・空気」シリーズは評判である。Ver.3上演と知って、コロナ禍ではあるが初日のチケットを予約した。おりしも緊急事態宣言発令直後。劇場はどうかと思ったが、一番後ろまでキチキチの満員だった。私のようなファンがそれだけ期待しているということだ。
今回は、テレビ局の討論番組制作をめぐる物語。政府べったりの発言をする評論家(佐藤B作)を迎えての番組が異動前の最後の仕事となったチーフプロデューサー(神野三鈴)。彼女はリベラルで政府に批判的な番組を作ってきたため更迭されたとのうわさもあった。しかし、舞台は意外な方向に転がっていく。この評論家は新聞記者上がりなのだが、社会部時代は政府すり寄りどころか国民に知らせるべきニュースを発掘して報じてきたという過去が明らかにされていく。そんな中で、彼が持ち込んだ大変な特ダネ。そのまま報じれば、時の内閣が吹き飛ぶほどの大変なニュースだった。
このテレビ局は局幹部が政権上層部と会食をするなど、まあ、政府に忖度をするような姿勢であった。テレビ局は放送法で縛られ、総務省からの免許事業であるため、多かれ少なかれそういうところはある。だが、内閣を直撃するようなネタを得たとすると、それに局の幹部がストップをかけることができるのだろうか。
舞台では「編集権」という言葉を持ち出して、経営者が編集権を持っているから、現場がいくら報じようとしても編集権を盾にストップする、ということが紹介される。確かに、社の幹部が編集局長とか編集担当取締役とかの職について現場を抑えるという会社もある。しかし、これはマスコミが批判されている一つの側面ではあるものの、日本のメディアのすべてではない。新聞記者も放送記者も、気骨のある奴は少なくない。書かねばならぬことは左遷されようが職を賭しても書くのだ。忖度するやつもいるが、そんな奴ばかりじゃない。日本のメディアはそこまで落ちぶれてはいない。
永井愛さんのシナリオは社会性にあふれていつも面白いが、この舞台に限っては見方はかなりステレオタイプであり、一面的と言わざるを得ない。舞台の観客が日本のメディアはこの程度だと思ってしまうことの方が、害悪が大きいのではないか。ちょっと大げさかもしれないが、アメリカのトランプ大統領が大手メディアをフェイクニュースと決めつけているようなところを感じた。
だが、ストーリーや仕掛けは面白い。今回はコロナ禍ということをひっかけ、登場する評論家は体温を測るのだが、こうしたギャグや、スガ総理の迷言を借用しているのも爆笑だ。
この公演に関するtwitter
初日1週間前から「団体名」と「公演タイトル」を含むツイートを自動表示します。
(ツイート取得対象にするテキストは公演情報編集ページで設定できます。)
二兎社「ザ・空気ver.3」大好きなシリーズ!めちゃくちゃ面白かったよ〜〜!!!2020年10月の政治的トピックを2021年1月に上演してるってすごい。この1年、不要不急とみなされた舞台はずっと不安定な立場にある中で これだけタイ… https://t.co/GLe59lGAVH
約1時間前
ザ・空気3観たいけど盛岡かぁ😓
約2時間前
【二兎社公演44 『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った・・・』】本日1/26公演のホール座席表をチェック 東京芸術劇場(シアターイースト/324人)https://t.co/TbgE6Kf3qM https://t.co/eM65qG0IhN
約8時間前
↓永井愛さんの『萩家の三姉妹』はちょうど文学座の研修所の公演でやってたのか!二兎社の『ザ・空気ver.3』に声だけ登場するフェミニストのハギタカコ先生はこの『萩家の三姉妹』の長女の萩鷹子先生とのことなので、『萩家の三姉妹』をまた見… https://t.co/N4FunTVUW7
約12時間前
空気3だいじょうぶ?開催されますように
約16時間前
【譲渡】 舞台『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った・・・』 譲:01/31(日) 13:00 千秋楽 I 列1枚 求:定価+手数料(+送料) お気軽にお声がけください。
約19時間前
漠然と、世紀末に何か終わっちゃうかもしれない空気、9.11に何か終わっちゃうかもしれない空気、3.11に何か終わっちゃうかもしれない空気を感じてきて、コロナ禍。でもいつも思ってきたのは、普通なんて幻想だし、何が起きるかわからないから、自分の人生を生きようという事。
約20時間前
#二兎社『ザ・空気 ver.3』を昨日リピート観劇。 やっぱりものすごい作品。 作品と合わせてパンフレットを読むと見たいと思える報道番組がなくなった理由がわかった気がする。 もっと深く考えなきゃ。 今後、いろんな世代の劇作家が空… https://t.co/OAfK81lXOq #二兎社
1日前
観てまいりました 二兎社さん『ザ・空気 ver.3』 今観に行ってよかった 実社会を思わせる諸々を軽快に見せながら あの続きは一人ひとり現実で 向き合っていかなきゃなんだなと…疲労感が… 佐藤B作さん、舞台拝見するの初ですが、凄… https://t.co/sJIF2imYBR
1日前
週末の観劇は、ザ・空気ver.3。 過去2作は怖さが先に立ったけど、今作はとにかく痛かった。忖度するメディアと、それを作った大衆、どちらにとっても痛い…。いま観るべき舞台。絶対。… https://t.co/kqn6RPuqrl #ザ空気ver3 #ザ空気3
1日前
二兎社『ザ・空気ver.3』圧力に翻弄されるテレビ局の人々。ほんとにこんな感じなんだろうなぁ。佐藤B作と神野三鈴のバトルが印象的だが他の人も作り込みが丁寧。正面奥の紗幕の向こうにテレビスタジオや過去のVTRシーンが出てくるなど、舞台の使い方が面白かった。
1日前
東京芸術劇場。「ザ・空気 ver. 3 そして彼は去った…」鑑賞。作・演出・永井愛。 ニュース番組のチーフ(神野三鈴)は政権批判の姿勢が嫌われ、異動が決まっていた。番組に出演する政権の代弁者的コメンテーター(佐藤B作)は微熱があり… https://t.co/JqDyNs8BFm
1日前
@yuk_sugar ザ・空気ver.3、コロナ禍ネタも適宜盛り込み、前半は笑い多めだけど、進むにつれじわじわと。今これを書く永井さんの気概と勇気に本当に敬服する。そして、役者さんが皆素晴らしい。特にB作さん凄い!いろんな意味で(… https://t.co/vpErLLFTZ6
1日前
週末の観劇は、ザ・空気ver.3。 過去2作は怖さが先に立ったけど、今作はとにかく痛かった。忖度するメディアと、それを作った大衆、どちらにとっても痛い…。いま観るべき舞台。絶対。 https://t.co/6Qxq2ZMMy2 #ザ空気ver3 #ザ空気3
1日前
キャスティングは良かったと思います。 脚本演出はつまらんと現時点では感じました。年月が経てば、脚本演出家さんや受け取り手の私も考え方が変わり、面白いと感じるときがくるかもしれません。面白くないと感じた作品にこそ沢山の学びがあると思… https://t.co/QgaajOhnea
1日前
そして、次にお届けするのは同じく中劇場にて上演の そして彼は去った…」です!メディアと政治の関係に鋭く迫り、観客に衝撃を与えた人気シリーズの完結編!恐怖と笑いの中に描かれるリアルな“今の空気”を是非体… https://t.co/8CdFMOjXIU #二兎社
1日前
@bmnrut あのシーン好きです!刃物さえあれば刺してそうなあの空気(*゚∀゚)=3 交差点でも…夢の中でも… ワンモーターーーイム。゚(゚´Д`゚)゚。
1日前
《ザ・空気 ver.3》新聞記者が「新聞屋」の略で「ブン屋』と言われるように、そもそもは明日をも知れぬ人たちが「一発やってやるか!」とやるのが報道だったのではと思う。https://t.co/W3UJ985i9Z
1日前
二兎社《ザ・空気 ver.3》佐藤B作がジャーナリズムに目覚めたところから、気持ちがシリアスモードに切り替わったので、みんなが笑ってるところでも全く笑えず真剣に観ていた。https://t.co/W3UJ985i9Z
1日前
20210124/池袋芸劇シアターイースト二兎社ザ・空気ver.3 変節の横松にも土壇場で翻心の星野にも私は強烈なシンパシーを覚えてしまった。計画を封印するあの場面(残酷)であんなに涙がボロボロ出る。私も落とし穴に嵌まっているのか… https://t.co/l3JmULyW39
1日前
二兎社『ザ・空気 ver.3』 観ました! 今回もよかった ついつい笑っちゃうんですが、 だんだん笑えなくなってくる 現実の方が本当にもっとひどいんじゃないかって 見る側の今を突きつけられるから見たくない、 知りたくない人いるだ… https://t.co/tgQKUGzzcu
1日前
私は佐藤B作さんの講演会シーンが映像であったという趣旨のツイートをいたしましたが、「誤解です」とのご連絡を二兎社様から頂きました。映像ではなく紗幕だそうです。 お騒がせいたしましたこと、訂正してお詫び申し上げます。 二兎社ザ・空気 ver.3 #ザ空気3
1日前
二兎社『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…』 1も2の内容も知らず見に行った。こんなド・ストレートに政権やマスコミの批判をするのかと。永井愛さんの台本の妙や、B作さんをはじめ芸達者な愛すべき演技によって笑いもたくさん盛り込み… https://t.co/XB22ia4zTG
2日前
阪清和のブログ「SEVEN HEARTS」更新!【活動報告】 舞台「ザ・空気ver.3」作・演出の永井愛さんへのインタビュー記事が「週刊金曜日」に掲載されました(2021) 【活動報告】 舞台「ザ・空気ver.3」作・演出の永井… https://t.co/ZiQvR6tIUr
2日前
【二兎社公演44 『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った・・・』】本日1/24公演のホール座席表をチェック 東京芸術劇場(シアターイースト/324人)https://t.co/TbgE6Kf3qM https://t.co/rcwrzkJnVs
2日前
【お知らせ】1月21日付公明新聞に掲載された『ザ・空気 ver.3』の劇評にある「この作品は2017年の初演、18年の再演、今回と、バージョン・アップしながらの上演だ」という記述は誤りです。新作『ザ・空気 ver.3』は、前2作とは登場人物も設定も異なる、独立した作品です。
2日前
映像でないが、薄い紗幕(隔て)があることにより、立体感が失われてしまった点が残念 お客様との隔てはいらないと思います。 映像設定だから立体感があるのはおかしいという意見もあるのは承知ですが、必ずしも現実に即す必要はないというのが私… https://t.co/YT41MzR2m7
2日前
薄い紗幕(お客様との隔て)があることにより、立体感が失われてしまった点が個人的には残念です。 お客様との隔てはいらないと思います。 映像設定だから立体感があるのはおかしいという意見もあるのは承知ですが、必ずしも現実に即す必要はない… https://t.co/wcQpiPeJbA
2日前
薄い紗幕(お客様との隔て)があることにより、立体感が失われてしまった点が個人的には残念です。 お客様との隔てはいらないと思います。 映像設定だから立体感があるのはおかしいという意見もあるのは承知ですが、必ずしも現実に即す必要はない… https://t.co/9o6aaaQPrD
2日前
薄い紗幕(お客様との隔て)があることにより、立体感が失われてしまった点が個人的には残念です。 お客様との隔てはいらないと思います。 映像設定だから立体感があるのはおかしいという意見もあるのは承知ですが、必ずしも現実に即す必要はない… https://t.co/UPadieopNX
2日前
佐藤さんの講演会シーン 舞台上で佐藤さんがリアルタイムで演技しているものをカメラで撮影してプロジェクターにうつしてるわけではないんでしょうか? 二兎社ザ・空気 ver. 3 https://t.co/tJu7WK0kHY
2日前
二兎社『ザ・空気ver.3 そして彼は去った…』@シアターイースト メディアと政治をめぐるシリーズの完結編にして最高傑作❗ 組織のしがらみ。テレビの現実。知識人の末路。忖度、自粛、自己規制という名の保身。 報道番組の経験があるの… https://t.co/YASbaaSuaZ
2日前
二兎社ザ・空気 ver. 3 申し訳ございません。 事前収録ではなく生撮りだそうです。個人的には、佐藤さん講演会シーンなどできれば設定は映像だが映像でない状態でリアルに観られる演出にして頂きたかったです。 https://t.co/WVzPrXZIIx
2日前
何度でも言います。『ザ・空気 ver.3』では映像は一切使用していません。全て実際に生で演じています。映像っぽく見せているので、そのように思われる方がいるのはわかりますが、誤解に基づいて批判されたら、必死で演じている俳優が報われません。 #ザ空気3
2日前
『ザ・空気 ver.3』本日1月24日は13時開演です。足元に気を付けておいでください。当日券の販売はございません。
2日前
二兎社「ザ・空気ver.3」みた。シリーズを初めて観たのだけど、思ったより政治的というか、ストレートに現政権に対する意見があるものだった。メディアにおける自主規制、利権、男性社会の構造は単純化されて示されてたけど、その単純さも現在の空気なんだろうか
2日前
二兎社ザ・空気 ver. 3 畑からとれた野菜を味付けせずに、そのまま生でだしてきた感じ 脚本家や演出家の味付けがなくつまらない イマイチ料理できてない
2日前
二兎社ザ・空気 ver. 3 テレビシーンあるが、事前収録した映像を長時間観るのは苦痛‼️ テレビシーンも枠だけセットにして、実際に生で演技して欲しい‼️ せっかくの生の舞台なんだから、なぜ生で演技しない❓️ もったいない‼️
2日前
二兎社ザ・空気 ver. 3 金子さんの検温は笑えたが、全体的にユーモアがたりん‼️ 言語やビジュアルに比喩表現をとりいれて個性のある作品にして欲しい 多くの政治評論家の単なる受け売りで、台詞に個性がない‼️
2日前
二兎社ザ・空気 ver. 3 表現がストレートすぎてつまらん 言語やビジュアルに比喩表現をとりいれて欲しい イマイチ松尾スズキさんみたいに突き抜けたものを感じない脚本 多くの政治評論家が普段言ってるようなありきたりな考えで、これ観て新たな考えの発見はない
2日前
東京芸術劇場で二兎社『 ザ・空気 ver. 3』観劇。補聴器ユーザですが地下のこの劇場にもヒアリングループがあるとこの度初めて知り、稼働させてもらった。俳優さんの声がはっきりよく聞こえました。多謝。観劇初めでしたが、やっぱり生のほ… https://t.co/os8cIHUXPW
2日前
今日ザ・空気ver.3を見てきました。女性が手がけているからか細部にまで、独占的なボーイズクラブの世界を生々しく感じ、そのボーイズクラブで孤独なメディア内部を生きる人物のゆらぎを現代の日本全体に感じます。こんなに舞台から刺激を受け… https://t.co/TtXU4nukVz
2日前