ザ・空気 ver. 3 公演情報 ニ兎社「ザ・空気 ver. 3」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    冒頭、政治評論家(佐藤B作)がコロナ禍の体温測定で「37度4部」だったという設定から笑えた。現在只今のコロナを舞台に乗せて笑いのネタにしてしまうとは、何たる大胆不敵。さらに学術会議の任命拒否の裏情報をめぐる、メディア内の興奮と忖度と萎縮を見事に芝居にしていた。

    評論家の翻心のきっかけに少しオカルトを使っていた。超自然現象を取り入れるとはご都合主義ではないかと思ったが、考えてみれば、評論家の抑圧された本心が無意識に現れたものとも取れる。ギリギリの線を攻めてきた際どい作劇である。

    編集権を経営者から報道の現場が取り戻せ、そのための記者たちの話し合いをと語る。永井愛にしては珍しくストレートな訴えで、よほどの危機感なのであろう。笑いをまぶした社会批判劇といい、井上ひさし劇をほうふつさせる秀作である。

    ネタバレBOX

    政権批判する女性プロデューサー(神野三鈴)もじつは、所詮上から潰されるという安全地帯で騒いでいただけではないか。すでに「落とし穴」に落ちていたという指摘が胸に残る。そこまで言うと、現状でどんなに騒いでも騒いだふりをしているだけとなってしまうけれど。

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    2021/01/16 12:57

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