火の殉難 公演情報 火の殉難」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★★

    高橋是清の政治人生から暗殺までをそれぞれのエピソードを繋いでとても興味深く面白かった。江戸から昭和まで生きて、藩閥や軍閥と闘ったのに最後は陸軍に殺されるのはやるせないな。軍事費を縮小しようとした総理や大臣がどんどん暗殺されるキナ臭い世の中。戦争の影が近づいてくる気配が見えた。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/11/12 (木)

    12日19時開演回を拝見。
    髙橋是清の晩年を描いた160分(途中休憩15分含む)の舞台は、暗転また暗転の駆け足の進行。これを「テンポ良く」と取るか、「落ち着かない」と取るかは人それぞれだろうが、私は前者で受け止めた。
    作劇は劇団チョコレートケーキの古川健。そのためか、井上準之助以下、政治家3人衆に、時折「治天ノ君」が顔を覗かせているような気がするのは、私個人の先入観のせいかなぁw

    演技陣は、頑固だがお茶目なところもある、高橋是清役の河野正明さんを初め、政治家・家族・将校に扮する、ベテラン・中堅・若手に至るまで、皆さん、芯の座った演技はさすが。舞台にグイグイ引き寄せるチカラを感じた。

    ただ、その演技陣の熱演をもってしても、途中休憩15分をはさむとはいえ、上演時間160分は如何にも長い。
    それから、途中休憩時や帰路、何人かの観客の口から出ていた、「金解禁ってナニ?」には同感。
    用語しか知らない方が大半だったようなので、当日配布の印刷物に、簡単な解説は欲しいところ。

    ネタバレBOX

    【配役】
    高橋是清…河野正明(こうの・まさあき)さん
    高橋品子…坪井木の実さん(坪井さんを初め、着物姿の皆さんの所作が見事!違和感なし!)
    高橋是賢(長男)…川井康弘さん
    高橋愛子(長男の妻)…山本順子さん(声でわかった!)
    高橋豊二(長男の息子)…山田定世(やまだ・ただとし)さん
    高橋美代子(四女)…井口稀乃(いぐち・きの)さん
    高橋喜代子(養祖母。故人)…岩崎加根子さん(ほのぼのシーンなれど、場がピリッと締まるなぁ)
    阿部千代(住み込み女中)…平田朝音(ひらた・ともね)さん
    井上準之助(日銀総裁、蔵相)…谷部央年(やべ・ひさと)さん(←えっ、こんなに若い役者さんなの!)
    原敬(首相)…島英臣(しま・ひでおみ)さん
    犬養毅(首相)…加藤佳男(かとう・よしお)さん
    神田記者(実は…)…渡辺聡さん
    中村中尉…藤田一真(ふじた・かずま)さん
    中田少尉…馬場太史(ばば・たいし)さん
    井上馨(声)…川口啓史(かわぐち・けいし)さん
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/11/11 (水) 14:00

    座席1階

    劇団チョコレートケーキの古川健作。俳優座への書き下ろしで、世代を超えた舞台に仕上がるのではないかと思って出かけた。だが、今回の客席のほとんどが、高齢者であった。マチネということもあったかもしれない。
    高橋是清の人生を新聞記者の取材という切り取り方で描いた。それはそれでよいのだけれど、時代が前後するのと場面が切れ切れになっていて分かりにくさがある。時系列に並べても問題はなかったのではないか。あと、やはり休憩を挟んでの3時間は長い。この中身ならもっとコンパクトに、リズム感のある作品に仕上がったのではないか。
    しかし、さすがに役者たちの演技力はすごい。高橋是清役の河野正明が特に素晴らしかった。「話せばわかる」人だけに、難題を吹っ掛けられても物腰柔らかに対応する。相手の意見もじっくり聞く。高橋是清という人はそういう人だったのだろう。それを十分に想像させる演技力だった。
    今の問答無用、都合の悪いことは逃げる、説明も拒む政治に辟易していると、このような理を尽くし、反対意見も認めて進める政治がとてもうらやましく感じられる。この舞台に登場する犬養毅もそうだが、そうした気骨のある筋の通った政治を問答無用の銃弾で粉砕し、自分たちのやりたいことをやる。ここでは軍部がやりたいこととは戦争の遂行であったが、現在の政治も論議を避けて逃げ回り最後はやりたいことを強行している。今のところ戦争ではないからいいかもしれないが、やはり、こういう政治を見逃していてはヤバい。戦争に突き進んだ過去を嫌でも思い出してしまう。
    「殉難」という言葉は古風な感じもするけど、今の時代に殉難が起きないことを切に願う。

  • 満足度★★★

    鑑賞日2020/11/10 (火) 14:00

     やはり舞台表現の限界は、映画やドラマのような映像や紙片一つに落とし込む文学と違い、場面転換の限界と挿画・挿話ができないことにある。新聞記者が、高橋是清宅に来て話を聞く、あるいは過去の盟友達との邂逅や対立などを描いてばかりでは、その外で何が起こっているのかが判らない。これがドラマなら、日露戦争、原敬暗殺、血盟団事件や五一五事件、満州事変の関連映像などを挟むことで、高橋是清が戦った時代の空気感、つまり切迫感や緊張感がもっとわかりやすく伝わり、最後の悲劇へ観客の気持ちを強く繋げることができただろう。

     是清を描くとなると、当然、殉難となる二二六事件が最後の山場になるのだけれども、是清が戦ったのは、事件を起こした青年将校ではなく、その上にいる軍閥やそれを後押しする財閥であって、彼等ではない。むしろ彼らの敵と是清の敵は、同じ存在であって、青年将校は、その純朴さ故に敵を見誤ってしまった、ある意味悲劇的加害者なのである。
     だから、話の進行に付随して描かれる、上官を待ちわびる2人の将校の場面は、物語の説明にはなるけれども、ある意味、全く是清があずかり知らぬところで行われていた別次元の話なのであり、是清を描くことに何の寄与もしていない。
      むしろ描くべきは、政敵である当時の陸海軍大臣や、その取り巻き立ちと是清の対決であろう。正直言って、金輸出の禁止や解禁、金融恐慌を舞台で描こう(説明しよう)としても、それには無理があるので、はっきり人物として軍事費増大・大陸での戦線拡大を企む人物を登場させる方がよかったのではないか。

     ただ、さすが俳優座、是清を演じる河野正明以下、原敬、犬養毅、井上準之助らの重鎮を演じる加藤佳男、島英臣、谷部央年等の配役は見事で、さすがと言わざるをえない。こういう配役も想定しながら作劇できる古川健は、劇団チョコレートとは別の作品を書ける喜びをかみしめていることだろう。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/11/09 (月)

    テレビドラマでもその人物像を知ることの機会が多い高橋是清。とてもチャーミングに演じる河野正明。歴史がっちりの物語とおもいきやとても楽しむことができた。何度かクスッと笑ってしまった。ベテランから若手まで揃う俳優座でしかないとできない作品とも感じました。
    新型コロナウィルス対策もきちんとされていました。

    ネタバレBOX

    冒頭のおばばさまと是清のシーン大好きっ。とてもあったかい。そして後半のおばばさまの「もうすぐ、もうすぐだから」に胸が詰まる。2.26事件実行犯たちの葛藤もよく伝わってきた。
  • 満足度★★★★

    近代政治史に関心のある人には興味深いストーリーだが、政党政治家との関わりや予算編成、金融財政政策の論争から226事件に向かっていく時代の流れを軸とする展開はかなり硬派で、時間も休憩を挟んで2時間半、耐えきれずゴソゴソする観客もいたのはしょうがない。高橋是清役は実在の人物の人柄を彷彿とさせるすばらしい演技。

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