揺れる 公演情報 揺れる」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    近所の布・洋裁材料店から思い切り調達したのかなと思わせる個性的な衣装が素敵でしたが、内容はよく分かりませんでした。終演後話した役者さんが「やってる方もよくわかんないです」と言ってくれましたが。
    手作りのマスクを販売していたので家族の分も買いました。

  • 満足度★★★★

    揺れる」
    アフタートークにて、安田純平さん曰く「知りたいと思うと、知りたいことはどんどん増えていく」公家義徳さん曰く「知れば知るほど、自分は何も知らないのだと思えてくる」つまり、自身の関心の度が高まれば、累乗的に知ろうという意欲が高まるということを、別の表現で語っている。中東やシリアのこと知りたいと思って、インターネットを調べてそれで理解した気になるんじゃねーよ、ということだ。
     もちろん、時間は限られているし、ソースは限られている、自分に体験できることなどちっぽけなものだ。そうなると、関心を持ったとしても、とても知り尽くすことなどできないわけで、彼らが言いたいことは、けして知に対して傲慢であるなかれということだと思う。

     さて、「揺れる」だ。このテキストには(訳本も見ていないので、パンフの読み書きだけれども)役名が振られておらず、ト書きもなく、詩文のようにセリフが書き綴られているという。だから、舞台の登場人物の人数もそれを割り付けた演出の理解・感性によるもので、セリフを別の人物が話していても、それが別々に発せられた言葉である保証はない。
     全セリフを、1人がリーディングで済ませる舞台も可能だ。

     原題はbeben,風に揺らぐような優雅なものではなく、地響きがして周辺の事物が震えるという意味らしい。むしろ「揺らぐ」の方が適切かもしれない。
     
    走ってくる子供を射殺したスナイパー、その子供の死体、子供の母親。手をつなぐことは簡単なこと。しかし、手はつなげない。それはとてもとても難しいことだから。バルコニーから屋外を見やる若者たち、屋外に下り散らかったケーブルを片付ける中年女性、彼女は動かなくなる。路上のバスは狙撃を防ぐための盾となり、電波障害は若者たちをイライラさせる。今起こっていることは、現実なのかと自問自答する。ユリズンはこの世界をどう改変するのだろう、それともこれは改変された世界なの?理性とは、誰が持ち誰が実現するものなの。この世界はすでに理性的なのか。

    観客はイライラする。阿鼻驚嘆と諦念、何かが何かが地中で蠢いていることだけは判るのだけれど。それを鎮めることは、とても簡単なことに思えるのだけれど。手をつなごう。果たして舞台の登場人物は手をつなげるのか、観客席の私たちは手をつなげるのか。

    東京演劇アンサンブルの実験的な演劇。面白いかというと、うーん。でも、退屈はしなかった。そして、知りたくなった。今目の前の舞台で起きた何かを。

  • 満足度★★★★

    「芝居小屋」外公演の第2弾 at d倉庫。ここ10年程、公家氏演出によるドイツ語戯曲の新作が折々に打たれていたが、初めて拝見した。
    噂に違わず?抽象度の高い舞台。スタッフワークそれぞれのレベルは高いが関連が読み取れなかった。判らなさは半端ない。が、この判らなさの割りには、不快感は小さく、混沌の中で蠢く我々自身をその中に見たような気がしなくもない。極部分的だが真情吐露に引き込まれる部分もあった。

    ネタバレBOX

    音楽(国広和毅)が妙だな(スペクタクルに大仰だがシンセ音)、と思えばどうやらバーチャル・ゲームの世界がダブってるらしい、と気づくのは開演後随分経ってからだった。
    衣裳(稲村朋子)も派手なパステル調の人物らと、地味なカジュアルで逆目立ちの青年(主役)の他カジュアルが数名が居るが、その中間にっぽいのも居て、衣裳によるカテゴリーの区分と役割分担が難解(多分パステルが群衆でそれ以外が超越的存在、主役を除き)。
    美術(池田ともゆき)は簡素、ポイントは平場に数個置かれた枠組みだけの箱。パステル調の一部(全員でない)が一人ずつ収まっており、引き籠りイメージと思いきや、そこを居場所に喧喧とうるさく喋る。
    d倉庫の黒を利用して全体に暗く、基本人物に当てる照明。
    彼らを襲う轟音。
    スペクタクルな音と映像・・。
    バーチャルでない「現実」世界と思しいのは、ナイーブな主役青年と、彼を導くように迫る女性のやり取り。彼が誤射で殺した子供の母らしいと後に判る。子供は耳が聞こえないため周囲の状況が判らず、懐に手を差し込んだ姿に危険を感じた男は相手を撃ち殺してしまった・・。
    およそ輪郭のはっきり見える「話」はその部分くらいで、他のパーツがそことどう関係するのかがやはり判らなかった。

    この戯曲には「役」の指定が明確にあるわけでないらしい。これだけの出演人数に役を当てただけで大変な作業、という事になる。不親切で難解な戯曲に挑発された演出家の苦労の結晶と受け止めておこう。
  • 満足度★★★★

    個性的なファッションに身を包んだ10数人の若者が警句を吐き叫ぶ休憩無し1時間45分、パンフの用語解説に助けられつつも隠喩の半分も分からないままでしたが、危機感というか緊迫感は伝わりました。中心となる男女の意味不明のやり取りが後半少し腑に落ちる構成が印象的。

  • 面白い舞台でした。
    アフタートークも良かったです。

  • 満足度★★★★★

     作家の多和田葉子さんと話をする機会が何度もあり、彼女が現在住んでいるベルリンの演劇状況なども聞き及んでいるので今作「揺れる」を拝見して、なるほど、と得心のゆくことがあった。

    ネタバレBOX

    というのも今作の表現方法に極めて実験的且つチャレンジングな姿勢を見るからである。原作者の視座・立場からの射程は、ヨーロッパ全土は無論のこと対アメリカ、プーチン独裁を完成させようと動いている対ロシア、世界の新大国として浮上してきた中国等との現実的政治のリアルな闘場として現実が展開する真っ只中で、争闘するドイツのリアルな生活感覚そのものを描くこと。然し、余りにも多くの、時に拮抗し、また優劣を生じ、EUの牽引役として、世界の各大国の凄まじい、情報戦、スパイ戦等の他、政治的、軍事的、経済的、民族的争闘の央にあって、その収奪の対象となってきた或は犠牲となってきた第三世界からの難民問題を抱えながら日々できるだけ人間的に公平に世界情勢に対応しようとすることが、ドイツ民族或はドイツ国家にとって如何様な責任と可能性を負わせるかについての各階層からの叫びが、実際にドイツの新聞などメディアの一面を賑わした情報そのものの羅列によって描かれることで、通常レベルの常識で判断できる脈絡を見付けることは極めて困難であり、演劇が演劇として成立するドラマツルギーそのものが最初から原理的に存在し得ない。自分が初めに書いた“得心”の内容こそ、演劇そのものをこのような形で否定することにより人々の目を現実世界へ開こうという演劇的企画を原作者が持っており、その点を極めて正確に読み取った演出の公家氏が作品と当に格闘しながら東京演劇アンサンブルというこれまた優れた演劇団体と協同して作り上げた作品だという点だ。通常の演劇ではない。実にチャレンジングな、状況への入り口のしての演劇・問題提起作品である。

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