公演情報
「薄ら氷」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
鑑賞日2020/03/28 (土)
その空間を作り出すのに全くの妥協なし。本物の能舞台をベースに、衣装から琴の生演奏から… その場を形作るモノを、まず外堀からしっかり埋めて…目にも耳にも心地良い。
その上で… 古の日本で育まれ…苦悩に苛まれる禁断の恋心を「和歌」に託して紡いでいく雅な世界が尊い。
この厳しい世相の局面で、まさしく薄氷を踏みつつ上演に漕ぎ着けてくれたこと、それを観にこれて生で味わえた幸運に感謝したい。
たった4人のキャストに… 煎じ詰めると結構シンプルなシナリオにも関わらず、一人一人の掘り下げと移ろいの表現が充実していて、人物の所作と心情の奥を窺う観客の空気が凄く張り詰めていたのを生々しく感じた。勢いで誤魔化すことの出来ない難しい心情の表現を…じっくり丁寧に…詳かに顕現されたのを目の当たりにした。結末の割りに登場人物全てに好感が残ったのも一興…不思議な後味。
満足度★★★★★
千穐楽お邪魔してきました。
会場から物語の世界観を作っています。
高さ・奥行きともにある能舞台、立ちこめる香の香り、お琴の生演奏。とても贅沢な空間でしたし、カーペットの床と布張りの椅子も快適です。
今回は余白のある美しさを感じる舞台でした。ワンシーンごとに絵巻のように美しかったですし、セリフの随所の「間」からも、それぞれの苦悩や切ない想いを感じ取れます。
キャストは4人と決して多くありませんが、冒頭の舞のシーン、会場の明かりがつくととっても華やかで驚きました。一気に平安の華やかな宮中行事へ。
そしてQueensさんの舞台は、舞台上すべての人の表情・目線に注目です。セリフはなくともその人物の心情を読み取ることができ、そこも楽しみの一つ。
冒頭の舞を見る茨と帝それぞれの表情からも、関係性が見えてきます。
今回は特に指先の所作が繊細で美しく、そこから苦悩や切ない心情が伝わってきました。
そして照明も美しい世界観を作っていた一つ。人物の影を表すような今回の照明のセンス、好きです。
また、それぞれの衣装もキャラクターにぴったりのカラーで役者さんにもとても似合っていて素敵。
劇中にいくつか和歌が出てきますが、次のセリフでさりげなく意味を教えてくれるのでありがたかったです(笑)
脚本・演出のLisaさん作の暁怜と茨の和歌は、それぞれの心情が苦しいほど伝わってくる素敵な歌です。
物語が進むごとに、不思議と香の香りもいっそう強く、濃く立ち込めていくように感じました。
フライヤーの寄り添う2人を見ると涙が出ます。全員の幸せをひたすら願うけれど、ままならない辛さ。暁怜の願いが果たされることを強く願う。
また次があるのなら駆けつけたい、そんな劇団さんです。