公演情報
「対岸の絢爛」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
ある家族の三代にわたる物語と、現在に起きているカジノ誘致の話が絡んで進行。面白かったです。
しかし、駅前劇場は座席が難。今回は幸い前の席が空席になっていたので良かったのですが、斜め前の席の人みたいな大男に座られたら私などアウトです。
満足度★★★★★
素晴らしい作品だった。この時勢だけれど、やはり観に行ってよかった。
2時間40分の上演時間を感じさせないほど、作品の世界に没入させる力がある。特に最後の勉強会のシーンは、自分も勉強会に参加しているよう。長谷川景さんの芝居に共鳴して、一緒に声をあげたくなった。
本当に観に行ってよかった。
満足度★★★★★
鑑賞日2020/03/11 (水) 19:00
トラッシュの新作があまりにも凄かったので、2度目の観劇。やはり凄かった。3つの時代,3つの場所を、家族の物語として繋ぐ構成力ある戯曲が魅力的だが、加えて、それを体現する役者陣も熱演だと思う。同じ役者が異なる時代に異なる役割を演ずることで、ある種の連続性を感じさせる芝居が作り上げられていると、改めて感じた。3つの時代で全く異なるキャラクターの役を演じた長谷川景と、物語を動かす役割の藤堂海という、2人の若手の活躍が目に止まる。
休憩なし2時間40分というのは、初心者に勧められるものではないが、あえて勧めておきたい。是非観て欲しい。
満足度★★★★★
IR法によるカジノ誘致にゆれる関東Y市・現代。漁民が軍により船の供出を強いられようとする九州の漁村・1940年代。大規模公共事業だか誘致だかへの反対運動が熾烈化する中国地方F市・1980年代。ロザリオを受け継ぐ家族史を縦糸に流しつつ「公」と個人・市民の対立局面を切り取りその本質に迫った力作。
人物造形が秀逸。付和雷同で思想の無い人間が自分の正しさを疑わず異質を目の敵にする姿、異なる価値観の折り合い地点を見出そうとする善意の人間が結果的に陥る欺瞞。。登場する凡そ末端に等しい人間を通して、こうした「事業」が持つ本質と、事業推進の根源となる何者かが「空白」として浮かび上がり、それについて考え始める。
2時間20分によくまとめたと思える濃さ。
満足度★★★★
小劇場の手打ちの公演がウイルス騒ぎで立ち往生している真っただ中で、果敢に開けたトラッシュマスターズ公演。駅前劇場で、座席も80くらいに絞って席の間を少し開け、マスクを配り、観客にアルコール消毒を求める、という苦渋の決断だ。こういう風に見せないと、ネットで叩かれたりするらしい。そういう上からのお達しに配慮はしたくない劇団だろうに涙ぐましい。生活が懸かっている。
表向きはいま問題が顕在化しているIRが素材だが、テーマは、こういう「已む無し、ことなかれ処理」でうやむやに解決していくことこそが、日本の宿痾であるという芝居だ。最近の「埋没」も「オルタニティ」も、表面的な事件の奥に、日本の社会構造の見えにくいところに触れていた。しかし、その課題には解決の先も見えていない。昔の新劇社会劇の裁きではどうにもならないから、民芸に書いた作品などは、訳のわからない風俗劇になってしまう。
「対岸の絢爛」では、戦時中の空襲による市民被害者の処理、80年代の開発ブームの中の地方都市の開発、近未来のIRの受け入れに揺れる大都市の住民説明会、と三つの時代の場面が交錯する。政府が住民に求めることは住民の生活の安寧とは食い違っているが、住民の方にも、付け込まれる要因がある。住民の中にも賭博嗜好が消えがたくある。いままで、パチンコとか、宝くじで長年、法で禁止しておきながら、抜け道を作って賭博には慣れ親しむようにされてきている。舞台で演じられるように、市民の家庭の中にも深く入り込んでいて、今さら単純な論理で排除できない。そこでどう生きるか。IRのように先端的な問題提起のおくに、根本的な問題を提起しているところがいいが、そこを解くにはまだ、作者にも見る方の社会にも時間がかかりそうだ。
七人の俳優が、三つの時代の登場人物を演じる。時代を超えて、相互に関係があるような、ないような作りで、それが日本に遍在する国民性を現していて、これはなかなかうまい趣向だ。トラッシュマスターズも二十年という。俳優も力をつけてきて、それぞれリアリティのある演技だ。今、小劇場で、社会問題を素材に、かつての新劇のような政治に沿った型通りのプロバカンダ劇でない芝居を志す劇団は少なくない。トップランナーとして、頑張ってほしい。
運悪く、今回は勘定は合わないだろうが、作った席だけは売れている。
満足度★★★★
とても楽しめる大作!ホントにどうなるのでしょうか、IR問題。
(仕事上、生活安全課の警官と先日話せたのですが、パチンコってなくするわけにもいかないし...)
ご存知の方はわかると思いますが、ラスベガスのカジノってとんでもない大金が動いている印象があると思います。
ところが、総額・規模になると日本のパチンコのほうが2ケタは優に上だということなのですね。要するに、金持ちが気ままに使う×十億より、国際的にはまずまず経済水準の高い国民が蚕棚みたいな仕切りの中へ、生活のありったけを徹底的に投入するパチンコのほうが企業規模は圧倒的に大きい!ということになるでしょうか?
(しかも、そのダークな金が×朝鮮に送金され、ミサイルとなって帰ってくるという。アメリカはミサイル防衛システムなどを日本に売りつけたいので見て見ぬふりをしている...アメリカのスポークスマンは、こと×朝鮮問題になると『国益にならない』などと言います。要するに、×朝鮮はほおっておいたほうが国益になる、ということですね)
となると、パチンコに代わる何かが必要、ということにならざるを得ない。
という感じなのですが、たっぷり見れるのは良いとして、やはり2時間40分休憩なしは現代的ではないように思います。
どうしてもスピード感が落ちるというか、観客もそれなりに上の年代が多い気が...
何かの変化を求めたいが...次作に期待です。
満足度★★★★★
鑑賞日2020/03/08 (日) 14:00
2時間40分、とにかく与えられる情報量が多い。日頃のニュースを消化しきれてない脳みそには、良い刺激を通り越して大きなゲンコツをもらった感じ。最後のカジノ誘致をめぐる勉強会シーンの臨場感は見事なもの。
満足度★★★★
IR(カジノ)誘致で揺れる202X年の関東の小都市。反対派と賛成派のぶつかり合いを、ある賭博をめぐる辛い経験をもった家族内のいさかいとダブらせて描く。最初は茶の間での話が生硬だったり、戦争中の場面が大仰に過ぎたりしたが、80年代の開発推進派の策略が長年の友情をもふみにじっていく話から、言葉と人物の感情が重なってきて見応え充分だった。
森田匠が無自覚なワルをよく演じていた。長兄役の龍坐の内面の苦渋を感じさせる抑制もよかった。長兄を他人のように問い詰める長谷川景の熱演も見ごたえありました。藤堂海の薄幸感にも拍手。
最後のカジノ誘致めぐる住民集会の議論の応酬は大変な迫力と臨場感で圧倒された。
2時間40分
満足度★★★★★
鑑賞日2020/03/06 (金) 19:00
トラッシュマスターズ20年目の新作は見事な構成の作品になっていた。観るべし!IRを扱った物語、ということはチラシで知っていたが、現代の横浜,194X年の大分県・保戸島,198X年の広島県・鞆の浦という、三つの時代と場所を、家族の物語として繋ぐ脚本がまず凄い。まず現代の横浜にIRを作ろうとする動きに反対する家族が、父親がギャンブル依存症だったことを窺わせ、戦時中の保戸島でその父親の子ども時代を周囲の動きで見せ、8X年代の靹の浦でその父を登場させる、という構成が巧い。その家族が3つの時代と3つの場所でどう動いたのかで物語は進むが、全部で21人ほどの登場人物を、トラッシュ得意の1人2役どころか1人3役を使って7人で演じる、役者陣も凄い。社会派と言われるトラッシュだが、最終的には個人の感情のレベルに落とし込んでいるところが私のテイストに合う。2時間40分が長く感じない。
時節柄か客席が空いているが、是非観てほしい芝居の一つだと思う。