満足度★★★★
IR(カジノ)誘致で揺れる202X年の関東の小都市。反対派と賛成派のぶつかり合いを、ある賭博をめぐる辛い経験をもった家族内のいさかいとダブらせて描く。最初は茶の間での話が生硬だったり、戦争中の場面が大仰に過ぎたりしたが、80年代の開発推進派の策略が長年の友情をもふみにじっていく話から、言葉と人物の感情が重なってきて見応え充分だった。
森田匠が無自覚なワルをよく演じていた。長兄役の龍坐の内面の苦渋を感じさせる抑制もよかった。長兄を他人のように問い詰める長谷川景の熱演も見ごたえありました。藤堂海の薄幸感にも拍手。
最後のカジノ誘致めぐる住民集会の議論の応酬は大変な迫力と臨場感で圧倒された。
2時間40分