公演情報
「酔鯨云々」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
16日14時開演回(千穐楽、2時間)を拝見。
よさこい鳴子踊りに、土佐弁に、登場人物の一人一人に脈打つ高知の気風…圧倒的な熱気で観客を席巻していった2時間。粗削りとはいえ、本作が「商業演劇」だったならば、上々の出来栄えかと。
だが、本作は、勿論、娯楽中心の「商業演劇」ではない。
舞台床面の「旭日旗」デザイン
大量殺人犯が身にまとう紅いジャージ上下が象徴するのは「日の丸」
劇中、特に「後藤梗子」との口論の端々から滲み出る「大浜六郎」の思想…
敵討ちなり・「お国のために」なりといった、古来から我が国に根付く、自己犠牲さえも厭わない「精神的伝統」を天皇陛下に具現化させた上での刺殺=「全否定」こそが、作者が本作に託したメッセージだと、私なりに理解させてもらった。
ただし、(特に最後の陛下降臨のシーンなどは)過大なテーマに脚本が位負けしていたように感じられた。
満足度★★★
凄まじい熱量の濃密な時間と言葉の暴力の嵐。
己の目的のために人を傷付けるのも厭わない言葉を発する人の中にも確かな正義がある。
だから相容れない言葉も傾聴すべきと思うものの、真意なのか甘言なのか悩まされ騙されてなるものかと勘ぐってしまう。
信頼関係がない人の言葉は届くことなく、悪意のみが溢れて主張は平行線を漂ってしまう。
自分の主張を理解してもらう為には、まず人の主張を受け止めなきゃと思いながら観てたら、人智を超えた結末に言葉を失いました。
満足度★★★★
文化庁主催の戯曲新人賞の入選作である。
演劇界と官庁(政府行政機関)との間には長い確執の歴史がある。そのぎくしゃくぶりは、いまもパンフの裏にある主催者挨拶にも表れているが、演劇側も新劇団が軸となっている公益社団の劇団協議会が共同主催して、時代に合った関係を築こうとしている。
文化庁の旗印は時代の文化を創造する新進芸術家を育成する、となっているが、戯曲は上演されてこそで、戯曲が演劇にがなるまでフォローしなくては意味がない。
そこで、中野の小劇場を抑えて、劇団側も中堅の俳優を出し、演出もそこそこの若手でとにかく結果をと、やってみる。形だけは公共の文化振興の体裁だけは整える。
演劇の中の戯曲の在り方を知らないイベント化である。江戸川乱歩賞とはわけが違うのに気がっつかないふりをしている。
国立劇場でも、創作歌舞伎をもう何十年も新人募集しているが、その後使える本ができたという話も、いい作家が生まれたという話も聞かない。
本気で応募した人たちが気の毒である。演劇側からすれば、正直、十万円の賞金で、いいホンができるはずないよな、と思っているし、官庁もこれでは演劇界を懐柔できない、と思っている。それなのにだらだらと意味のないイベントを続ける。コンクールなら、民間の利賀村の演出コンクールのほうがはるかに打率が高い。
戯曲以外では実績が上がった仕事もある。国立劇場の歌舞伎の研修生制度は大きな成果を上げて今や、国立の研修生がいなければ幕があかない(ということもないだろうが)といわれている。新国立の俳優養成でもすでに確かな脇役は生まれてきている。それぞれのアーカイブも充実してきた。どれも幕内の専門家が深くかかわっていて、文化庁の小役人が「ご挨拶」したり、組織に口出し(天下り)していないからである。
戯曲に関して、文化を創造する新進芸術家のために「目に見える」事業をというなら、
帰りに、出口で、脚本を無料で配っていたように、小劇場で、観客に脚本を配る助成金を出す、というのはどうだろう。小劇場でもいくつかの劇団は千円で、脚本を売っている。売ってほしくない劇団もあるだろうが、舞台で上演した作品の戯曲に印刷代を助成する、というだけで、戯曲が広く市中で親しまれるようになるだろう。今回の作者の手元にも、書き始める前の段階で畑澤聖吾の「どんとゆけ」の台本は届いていただろう.そうすれば、今回のように、畑澤作品と同じようなシチュエーションの弱さがそのまま出てしまうようなことはなかったに違いない。
こういうところにも文化庁の「演劇という芸術」も、「興行や教育手段としての演劇」も全く分かっていないダメサ加減が現れている。
満足度★★★★★
鑑賞日2020/02/13 (木) 19:00
2018年「日本の劇」戯曲賞最優秀賞受賞作品。
重いテーマを個人の感情に引き寄せるのは
勢いのある高知弁と畳みかけるような台詞。
ところどころにクスリとさせるユーモアを差し込みつつ
自分はどちら側につくだろうと考えさせる。
キャラと言葉は生き物であり、どちらも土地に根差している。
それを強烈に印象付けて素晴らしい。
中屋敷さんの演出がまた秀逸。
実演鑑賞
満足度★★★★★
今年早くも三回目の観劇となった死刑制度もの。
ポカンとするラストだったが、四国で活動されてる若手脚本家の大賞受賞作に悪い評価は出来ん。
上演期間中ずっとかは分からないけど、終演後、上演台本無料で配布してました。
花を摘むか育てるかは観客云々として、一つだけ意見を。
前半の9割近く、主要な男女の会話を観客に背を向けたまま進行させる演出は正解だったんだろうか。
それと、嫌な役の二人組の兄ちゃん達。
観客お見送りする笑顔は、気さくで人の好さそうな兄ちゃん達そのものでした。役者ってこうゆう役上手くやると、本当損すると思いました。