満足度★★★★
16日14時開演回(千穐楽、2時間)を拝見。
よさこい鳴子踊りに、土佐弁に、登場人物の一人一人に脈打つ高知の気風…圧倒的な熱気で観客を席巻していった2時間。粗削りとはいえ、本作が「商業演劇」だったならば、上々の出来栄えかと。
だが、本作は、勿論、娯楽中心の「商業演劇」ではない。
舞台床面の「旭日旗」デザイン
大量殺人犯が身にまとう紅いジャージ上下が象徴するのは「日の丸」
劇中、特に「後藤梗子」との口論の端々から滲み出る「大浜六郎」の思想…
敵討ちなり・「お国のために」なりといった、古来から我が国に根付く、自己犠牲さえも厭わない「精神的伝統」を天皇陛下に具現化させた上での刺殺=「全否定」こそが、作者が本作に託したメッセージだと、私なりに理解させてもらった。
ただし、(特に最後の陛下降臨のシーンなどは)過大なテーマに脚本が位負けしていたように感じられた。