アルトゥロ・ウイの興隆 公演情報 アルトゥロ・ウイの興隆」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    初っ端から爆音のファンク。オーサカ=モノレールの圧倒的な存在感とファンキーな音楽に乗って、草彅・ウイが舌を出し、お下品に踊る躍る。なんだこのグルーヴ感は! 草彅・ウイは、自由に、計算なしに泳いでいるかのよう。でもこの天才役者は瞬発力と地道な積み重ねでできていると思っているから、ある種の計算はあるんだろうな。とはいえ、何かに取りつかれたかのような暴れっぷりは清々しいほど。
    舞台の醍醐味が存分に味わえる傑作。草彅剛はじめ、松尾諭、中山祐一朗、関秀人、有川マコトといった芸達者たちのコラボレーションもすばらしい。そしてなにより、中田亮率いるオーサカ=モノレールの音楽に躍らされる。白井晃の鉄板の演出と、取りこぼしなし。必見。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2020/01/20 (月) 14:00

    1階は桟敷席というか、唾かぶり席のような劇場使い。3階より俯瞰で観劇。
    転換時にト書きのような文面が出てくるが、次の場面では一瞬で登場人物の死んでたり心替わりしてたり、とめまぐるしい変化はあるが、舞台の上から圧倒される力を持った人の魅せ方に、そんな違和感は薄らぐ。
    最後のあの文面の締め方の元、それを見ている観衆=観客の興奮ぶりに背筋がうっすら寒くなる苦い感触を味わう。
    せめてカテコではそれを払拭させて劇場を後にしたかったが、年の始めから強烈な印象を残した舞台だった。

  • 満足度★★★★

    かなりハードルの高い戯曲で、へたをすると歴史の解説やあらすじを追いかけるだけになってもおかしくない。上演時間は今回だって休憩込み3時間5分と長い。そこを、草彅剛というオーラをまとった俳優と、ギンギラの大音量ソウルミュージック(ボーカルは大阪弁)を前面に、コンサートのようなノリで、この歴史アイロニー劇をくるんだところがみそ。薬でトリップさせた替え玉を犯人にさせてしまう放火事件裁判、ローマ(レーム)の粛清、等々、見どころもたっぷりあった。

    最初はシカゴのギャングの話(補助金詐欺、商人シートの自殺とか)に、初期のヒットラーのどういう史実が重なるのかわからず、(字幕で理解するものだから)理屈っぽいように、説明っぽいように感じたが、後半は、国会放火事件、オーストリア併合とよく知っている史実を踏まえたものなので、すんなりブレヒトの皮肉や舞台の盛り上がりを楽しむことができた。

    こんな怖いウイを支持するか、観客に問いかけ、マシンガンをぶっ放しておどす。最前列の観客は演出の狙い通り、支持の手を挙げていたが、そのより後の反応はちらほらだった。いつものことだが、日本の観客はちょっとおとなしいところが残念。これが本当に観客が熱狂したら、見事なアイロニー劇になるのだけれど。アメリカやドイツではうまくいくのだろうか?

    ネタバレBOX

    ラストのメッセージは、独裁者の再登場を許すなと、直接的だった。多くの芝居の、問題提起にとどめる、みたいな一線を超えていた。やむにやまれないものが、書き手のブレヒトにあったのだろう。

    それよりも、私が考えさせられたのは、八百屋(民衆)たちが、「この不吉なペストを止めなければならない」「いつかあいつに牙をむくやつがいることを願ってる」と、口ではウイ(ヒトラー)を批判しつつ、何もしないで流されていくところ。私たちの一番の似姿を示していた。
  • 3時間5分、休憩15分込み。ギャングのウイ(草彅剛)の成り上がり物語は、ヒトラー率いるナチ党の台頭をなぞる。ファンク・ミュージックの生演奏(オーサカ=モノレール)で踊って歌って客席通路使いまくり♪ めちゃ楽しいしカッコいい!

    ネタバレBOX

    ウイは権力者に取り入り、暴力をチラつかせて勢力拡大していく。節操なしの恫喝と囲い込み、仲間割れ(内ゲバ)など、ならず者あるあるのオンパレード。物語進行に合わせて、字幕パネルにナチス勢力拡大の史実をテキスト表示。まんまヒトラーなのが恐ろしい。

    場面転換ごとにバックバンドの生演奏で大盛り上がり。3人の女性ダンサーも超かっこいい!ノリノリのライブとダンスが異化効果になる。

    大音量の音楽に身を任せて浮かれてると、冷や水を浴びせかけられる。狙いバッチリ。痛快。
    通路で俳優に「手を上げろ!(ハイルヒトラーのポーズをしろ)」と言われて、手を上げちゃうお客さんは少なくなかった。

    可動式の大道具やパネルに文字(曲名?歌詞?)を映す。大量の電球と照明とのコンビネーションも派手で楽しい。鮮やかな色使いの衣装はデザインも攻めていて眼福。出演者の誰もがかっこよく見えた。何度も着替えて複数役演じる趣向もいい。役を演じる俳優がうっすら白塗りしているので、虚構を冷静に眺める姿勢をキープできた。

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