沖縄世 うちなーゆ 公演情報 沖縄世 うちなーゆ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
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  • 満足度★★★★

    古川健氏の新作戯曲を久々に。青年座、昴、文学座、「斜交」と、評判の聞こえた書下し作品はいずれも見逃したが、今作はテーマが沖縄という事で足を運んだ。
    手堅い印象のある小笠原響によるタイトな演出であったが、難点を先に言えば演技面で人物に入りづらさを覚えた。作品へのこだわりと制作(集客)面と、バランスを考えつつのキャスティングも悩む事だろう。
    歌い手・島田歌穂が一つの目玉ではあったが(といっても披露されるのは島唄を鼻歌程度)、技を持つ俳優ゆえか、それとも演出か、技巧的・作為的演技は魅せるが、その時その人物に「なっている」のでなく「見せている」、役と役者との距離を感じる箇所が気になる。意図明確な場面での作り方は流れるようだが、最後は人物そのもの、そこに確かに誰それが居る・・その確信に勝る娯楽はない(と最近どこかで書いたが)という意味で、主要人物だけにもう一歩深い彫りが欲しかった。それは他の俳優にも散見されたのだが、古川健の大人しめの台詞運びが「書き切れていない」のか、台詞の背後を「読み切れていない」のか場面処理の問題かか・・勿体無い感があった。
    この作品の命は、瀬長亀次郎(沖縄戦後史で最も著名な政治家)をモデルにした島袋亀次郎が、沖縄人民に向かって語り掛ける言葉である。島袋役の下條アトムが、彼が人心を掴み、鼓舞し続けた演説を生の声にした。この芝居の要はこれに尽きると言って過言でない。
    ドラマの構造は圧政に屈せず道理を訴えていく勇気を鼓舞するこの演説の、背景としての人々の暮らしがあり、その事がまた演説に反映されていく関係にある。願わくは平場のエピソードが、「人々の暮らし」として普遍性をもって見えて来たかった(彼に繋がる人らの逸話は史実がモデルなのだろうけれど)。

    見終えて思うのは、「大和」の罪の裏返しとも言える土地であり、一つのテーマでもある「沖縄」を語る難しさ、そして大事さ(無論ヤマトンチュにとっても)。東演「琉球の風」(中津留章仁)、文化座「命どぅ宝」(杉浦久幸)、そして今作。もっともっと語られたい。

  • 満足度★★★

    鑑賞日2020/01/30 (木)

    「沖縄」歴史を顧みると様々な思いがよみがえりますね。今も苦しい想く辛い思いをしているニュースを見るたびに何か出来ないものか、とも感じます。今回の舞台はわかるのだけど心に響きませんでした。女性二人の場面はすごく良くて、あの二人の出世物語にしてくれた方がドラマ的だったかも。

    ネタバレBOX

    息子のハイウエストのラッパジーンズのポケットに手を入れる格好は懐かしさも感じました。
  • 満足度★★★★

    沖縄返還直前の1972年、島袋亀太郎(下條アトム)が、引退を口にする。やっと念願かなって祖国復帰で、これから沖縄を良くしようというときになぜ。商売を伸ばしつつカメタロウを支えてきた妻(島田歌穂)と、父とは距離を取ってきた息子(原田祐輔)、「復帰党」の同志ふたりが、米軍占領下での亀太郎のたたかいをふりかえっていく。ほかに妻の友人でやはり商売上手な春子(きゃんひとみ)

    現在から、過去をフラッシュバックしていく形式(「生きる」型か)で、亀太郎のたたかいを描く。モデルはご存知、瀬長亀次郎。有名な演説の名文句などもしっかり使っている。沖縄警察で暴動をまとめた場面、さらには那覇市町に当選しながら、アメリカの法律を変えてまでの卑劣な策で追放された場面が一番の盛り上がりだ。「生きる」型にすることで、メリハリのついた評伝劇になったし、父に批判的な息子からの視点で、亀次郎をよく知らない人にも入りやすかったと思う。

    「所詮アメリカの前では蟷螂の斧」とか「俺のしてきたことは徒労だったのではないか」という亀太郎の「悩み」(亀次郎の、ではない)を作者は盛り込んでいた。その悩みに対する家族の励ましの言葉は、前半の亀太郎の言葉と重なっている。亀太郎は「勝ち負けなんて関係ない。私たちは戦わなければならないんだ」と言っていたし、「アメリカが一番恐れているのは連帯だ」と人民の力への信頼にゆるぎはなかった。これは亀次郎のものでもある。
    「不屈の男」の話を聞いて春子もいつも元気になったと言っていたし、私も亀治郎の言葉に舞台で触れて元気が出た。より良い未来のためにたたかうことの大きな意味をあらためて考えさせられた。

    沖縄のたたかいをよく知る人が見ればさらに感動は大きい。終盤では結構、客席で鼻をグズグズさせている人が多かった。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/01/25 (土)

    東京芸術劇場にてトム・プロジェクト『沖縄世 うちなーゆ』を観劇。
    2020年の観劇初めはトム・プロジェクトさん。今回の作品は戦後27年の1972年、沖縄が日本復帰する直前をメインとしたお話。フィクションではあるものの、主人公のモデルとなった方は、沖縄人民党から共産党に入り、那覇市長も務められた〈瀬長亀次郎〉という実在の国家議員であり、その方の奮闘ぶりや生き様をそのまま描いたような作風でとてもリアリティーがある印象。とはいえ、自分自身が生まれる前に起きた出来事ということもあり、正直あまり知識を持ち合わせていなかった中での観劇であったため、作品を通してこの方の知識を深めていった印象です。トム・プロジェクトさんの作品はこのような社会派の作品が多いので、観劇の度に新たな学びを得られたような感覚になるのも魅力の一つであるように感じます。やはり生きた教科書的な存在。毎回勉強になります。
    「戦争」と聞くと個人的には原子爆弾が投下された広島や長崎を真っ先にイメージしがちで、その爪痕は計り知れないということは当然理解していましたが、沖縄にとっての戦争はまた違った問題があり、これまた根深い問題だということに改めて気付かされました。戦争の重み、というか敗戦の重みというか…。戦後75年が経った現代でも、沖縄は米軍基地の問題が常にあり、まだまだ課題は山積。沖縄返還に向けて闘った今回の作品のモデルとなった方の奮闘ぶりや歴史、背景は理解出来ましたが、だからと言って基地問題が何一つ解決する訳ではないのがもどかしい気もします。でもこの作品を通して、今まで知らなかった事実を知ることが出来た点、基地問題は決して遠い話ではないということを感じられた点は少なからずプラスの要素だったかなと感じます(作品の中で出てくる「沖縄の中に基地があるんじゃなくて、基地の中に沖縄がある」みたいな台詞はなかなか印象的だったなー)。瀬長亀次郎氏はもちろん、沖縄人全員が望む社会に近付くことを願うばかりです。
    トム・プロジェクトさんの作品は比較的お堅い内容であっても程好い笑いを織り混ぜて上手くバランスを取っている印象がありますが、今回はその印象はあまり受けず、終始重い感じがしました。

  • 満足度★★★

    やはりこに作家とは私は合わない!観なければよかったとまでは思わないものの、ん〜不満ですよ。この作家は作品世界が浅いの?子供っぽい作品なの?

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