グロリア 公演情報 グロリア」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★★★

    よく「これは事実に基づいたフィクションです」と言う舞台やらドラマやらありますが、見るたびに「どこまでが真実なんだよ!」と言いたくなります。真実はひとつなのかもしれませんが、見方、感じ方、どう言う立場にいたかなどで色々違ってくるんだろうな・・・と今回の舞台を見て思いました。
    今回は2回目でしたが、座席の位置によって見え方が違うことも実感しました。舞台に近いとより感情移入してしまうようです。
    ラストシーンのローリーの表情もよく分かりました。

    ネタバレBOX

    朝日新聞(3月5日夕刊)の評に「黒人役の顔や手を黒塗りする演出には再考を望む。黒人以外の属性が戯曲に描きこまれており、そのまま演じても話は成立する」と言うのがありましたが、黒人であると言うのも大事な要素になっていると思うので、黒人の役者さんがいないのであれば黒塗りする必要があるのでは?一部の人たちが金髪にするのと同じと思います。
  • 満足度★★★★

    数回に一度観たくなるワンツーワークス。今作は初演で海外戯曲(メルマガでも俳優諸氏の「戯曲がヤバい」とのコメント)、オーディションとは言え客演で固めた布陣に古城氏の意気込みが・・という事で今回は迷いなく「買い」。中日を観た。
    脚本がやはり面白い。翻訳の限界、英語文化圏の身体と発語に迫る難しさは感じるものの引き込むものあり、終演まで持って行かれた。秀逸は前段で悲劇が確定し、覆水盆に返らず努力は報われない事態から、「その先」が描かれる所。現在進行形で力強く物語は続くが・・。

    ワンツー観劇7本程度?の中で一番面白く観た芝居だが、これが通常公演では団員さんも中々...とは余計な心配か。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/03/04 (水) 14:00

    レベルに差こそあれ、同一の事件を体験した複数の人がそれぞれの立場から回想録を出版するということが実際に起こっていますが、本やそれに派生して生まれるテレビドラマや映画等に、この作品で描かれているような裏事情があったと思うと興味深い。このステージのおかげで、今までより少し深いレベルで読書ができるようになりそう。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/03/05 (木) 19:00

     面白く見せてもらったし、社会派っぽい視点に考えさせられる作品だが、翻訳劇特有の問題が見え隠れするあたりが勿体ない。1場、編集プロダクションでの他愛ない会話の連続の後、職場の変わり者で校閲係のグロリアが事件を起こす55分。2場、8か月後、事件の場にいて既に退職した編集アシスタントが元同僚と語る内、喧嘩になり去るが、そこに元上司が現われる45分。3場、さらにその1年後、TV局でドラマを作るセクションにグロリアの元上司が臨時雇いで働き始めたところに、2場で登場した元上司がグロリアの事件をドラマにするというのだが…25分。人はどうして事件を起こすのか、というテーマと、人は自分の近くで起こった事件をどう解釈するのか、というテーマが混在しつつ見事に成立しているという点で、優れた脚本である。翻訳劇特有の問題とは、そこで交わされる他愛ない会話の内容が日本人である自分にはピンとこなかったということ。それと、黒人役の俳優の顔を黒く塗るというのも、翻訳劇ではよくある手法だが、本作でその必要があったかは、大きな疑問だ。しかし、弛緩と緊張のバランスが取れた作品は興味深く見せてもらった。

  • 満足度★★★★

    同僚同士のとんがった衝突、衝撃的な場面、引き込まれる語り、美しい思い出。そうしたいい場面の数々がある。と同時に、見終わってこれは何を描こうとしたのかと、コレというメインテーマを言いにくい。少し変わったタイプの芝居である。

    第一に全三幕のうち、一番の衝撃は一幕の終わりにある。後の二幕はその後日譚で淡々としている。三幕を大きなクライマックスにすべきというセオリーに反している。

    第二に、主人公がいない。三幕を通して出てくる人がいない。雑誌者の上級編集者?のナンシーが唯一全幕に出るが、彼女は脇役に過ぎない。脇役なのに、一番美味しいところを持っていく。そのストーリーに、部下やサポート役の苦努力も全ては、ただ地位が上だったというだけの幸運な人の功績になるという皮肉が込められているかもしれない。

    第三にモノローグが多すぎる。「ハムレット」の時代でもないのに、現代劇でこのモノローグは禁じ手に近い。そこを見せ場にして引き込むのは、相当の確信犯である。

    大事件の生き残りたちの語ることが、それぞれに食い違うのは、芥川龍之介「藪の中」と同じ主観の不確かさ、個々の語りの信用のなさを語ると言える。ただそれでは一般的すぎる。このシチュエーションにもっと踏み込むなら、一番の当事者(校閲部長ローリン)の証言はもっともないがしろにされ、最も事件から遠い者(編集者ナン)の回想記が最も成功を勝ち取るという、商業マスメディアの歪みだろうか。

    一緒に見た友人は、事件を起こしたグロリアにしろ、ローリンにしろ、縁の下で日の目を見ない、黙々と働く労働者たちの鬱屈を指摘していた。彼らもストレスで歪められているが、その根底にはピュアな心根の普通の人なのだと。テレビ局での臨時社員の扱いにも同様の構図が見られた。

  • 満足度★★★★

    直接の当事者だからうまく伝えられるわけではないということが一つのテーマとなっていたと受け取りました。

  • 満足度★★★★

    小劇場が見つけてくる海外戯曲には、時に思いがけず面白い本がある。昨年は俳小の「殺し屋ジョー」。この「グロリア」はアメリカのオフで評判の作品の由で、誰にもわかってもらえない孤独な市民生活の絶望的ないら立ちが描かれている。本は面白い。
    真っ先に社会の規範となるべきメディア(文芸雑誌)の編集部で起きる人間疎外に。耐え切れず、補助職員のグロリアが、銃を乱射、二人の死亡者が出る。第一幕はそこへ至るまでのいきさつ。動機は前の晩に準備されたグロリアのパーティに編集部からは一人しか行かなかった、そのことを陰でみな物笑いの種にした・・・・というような無関心の差別というようなことなのだが、職業の場でも、家庭でも疎外されているアメリカの下流市民の暗い絶望がよく描かれている。二幕と三幕はその悲劇の後日談、まずは二か月後、現場にいた仕事仲間が体験談を書いて売ろうとし、次には二年後、ロスの映像企画会社が商品化しようとする。事件は風化して、当事者たちの欲得ずくだけが残る。メディアの貪欲さと、そこに生きる人たちの徹底した商品主義、個人主義が、アメリカの現代社会の深い病癖を素通りしていく。アメリカの現代劇にはよくある人間相関図なのだが、よくできていて、NYにもロスでもいかにもありそうな話だ。(たまたま似たシチュエーションの映画「スキャンダル」が封切されている、比べるのは酷だが、映画は本場だけにリアルで強い)
    しかし、このドラマ、今回の上演では、シリアスな社会劇なのか、風刺コメディなのかよくわからない。俳優の演技は揃って、セリフの順番が来たら異常な速さでまくしたてる、演技の終わりに形を作る、という単調なステレオ演技で、話は分かるけど、どこを訴えたいのか、笑っていいのかさえもよくわからない。
    時間もとび、場所もNYからロスにうつり、場面も人も変わっているのに代わり映えがしない。本ではドラマの推移がよく考えてあるのに同じ調子が続く。「殺し屋ジョー」では客演していた、いわいのふ健が本の面白さを引っ張っていく牽引車になっていたが、こちらには目立つ俳優がいない。索漠としたドラマというコリッチ批評も多いが、それは舞台の未成熟だろう。折角いい本を探してきたのにそこが惜しい。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/03/04 (水) 14:00

    座席1階

    物語はまず、雑誌の編集部を舞台にスタート。アメリカでは珍しくないと思うのだが、対人関係や職場に不満を募らせてしまったおとなしい社員が突然切れて、乱射事件を引き起こす。問題はここからスタートする。
    事件に巻き込まれ、すんでのところで生き永らえた同僚、事件の直前にスタバにさぼりにいってしまい、巻き込まれなかったものの遺体が次々と運び出される現場を目撃した同僚、そして、別の部屋にいてまったく事件を見ていない上司。この3人がいずれも、その事件をネタに本を出そうとする。これもアメリカではよくあることかもしれない。版権争いに加わっていくのだ。
    あまりにもあざといというか、人の不幸をネタに一儲けするという「マスゴミ」と言ってしまえばそれまでだ。だが、大事件をどう伝えていくかはジャーナリズムの本質であり、まっとうな仕事である。それではそのやり方に問題があったかといえば、事件現場を目撃した人に直接あたって話を聞くかどうかは取材のイロハのイである。
    メディアのおぞましさを描いてはいるが、この舞台がそれだけかというとそれは短絡的だ。
    書かれる人の立場を考えながらきちんと仁義を切って取材をし、どこまで踏み込んで書くのかは、ジャーナリストとしての矜持であり、事件記者それぞれのありようにかかわってくる。だから答えは一つではない。ただ一つ、現場も見ていないのにさも見ていたように書くのは捏造に等しい、とは言わなければならない。

    答えは一つではないのだから、ラストシーンを見ると演出の古城十忍さんもかなり迷ったのだろうと推察する。事件を消費して生きていくメディア、そしてそれを見る人たちの前では、事件の関係者が事件の影響を拭い去って人生の新しい一歩をどう踏み出すかということに焦点が当たらず終わってしまう。グロリアの原作は読んだことはないが、もっと事件関係者のもがきみたいなものが前面に出ていたら、この舞台の印象はかなり違ったものになるだろう、と思った。

    ネタバレBOX

    新型コロナ関連で上演の延期や中止を決める劇団がある中で、ワンツーワークスは予定通り実施。だが午後2時開演のステージは、本来ならもっと満員であろうと思われるのだが、空席が目立った。劇団側の配慮か、一席置きに座らせてくれて、快適な観劇ではあったが。
  • 満足度★★★★★

    これは先ず観てもらうしかありません。

    ネタバレBOX

    出版社内で小馬鹿にされ仲間外れにされたグロリアが疎外感を強く認識し、職場で同僚を射殺して自殺するという事件が発生。その後、関係者が続々と事件に絡んだ本を出版したという話。

    落ちこぼれ社員たちのウダウダした勤務の様子が続く中、突然状況を一変させるピストルの音と光には驚かされました。どこからか、ああびっくりしたという声が聞こえて来た程でした。

    そして、出版社というのがミソでした。落ちこぼれとは言え、皆それなりに一応の文才があるのが災いしました。もし普通の会社なら、マスコミのインタビューを受けてそれまでなのに、彼らは図々しくも事件本を各自出版したのでした。面の皮が厚くて、なおかつ面の皮の厚いことを全く認識していない彼らの愚かさを感じ取りました。
  • 満足度★★★★★

    いつもとは違う翻訳劇。内容の詳細は知らなかったけど、こんな話だったとは。実に見事な脚本ですね(もちろん演出も素晴らしい)。これまで観たワンツーワークスの舞台の中では最も面白く、かつ感情移入できるものでした。もし日本が銃社会だったら、アメリカ以上にこんなことが起こるのでしょうね。

  • 満足度★★★★★

    以前、この劇団さんのお芝居を拝見したことがありましたが、この後味の悪さが劇団の売りなのでしょうか(良い意味で)
    あとから考えてみるとコメディタッチからはじまった序盤とラストが違いすぎて、びっくりです。
    どんどん話に引き込まれていく濃密な2時間を楽しませていただきました。

  • ガラガラじゃないかと心配していたら8割くらいも埋まっていた。申し訳なさそうな花粉症のくしゃみがたまにあるだけで咳の声は皆無である。むしろ芝居には好条件であった。

    しかし、演出や照明に凝っているのは分かるのだが内容が全くピンと来なかった。グロリアの境遇が悲惨ということもないし、周りの人もごく普通である。これで恨まれてはかなわない。ストーリーを追うのではなく場面場面を楽しむべきなのか。しかしアメリカの雑誌編集部の日常に興味はないし、わざとらしい笑いに付き合う気もない。観方を間違っているのかなあ。

    ネタバレBOX

    英語版Wikipediaのページははこちら
    https://en.wikipedia.org/wiki/Gloria_(play)

    The 2016 Pulitzer Prize Winner in Drama のぺージはこちら
    https://www.pulitzer.org/winners/lin-manuel-miranda
    受賞は逃したものの最終ノミネートの3作品のひとつであった。
    「Gloria, by Branden Jacobs-Jenkins
    A play of wit and irony that deftly transports the audience from satire to thriller and back again.
    (私の訳:この機知と皮肉の芝居は観客を風刺からスリラーに、そしてまた風刺へと巧みに連れ回す。)

    と紹介されている。

    2017年のGoodman Theatreにおける公演の宣伝ページはこちら
    https://www.goodmantheatre.org/season/1617-Season/Gloria/
    YouTubeの短い動画もある。
  • 2時間5分。アメリカの雑誌編集部が舞台の会話劇。噂に違わぬ面白さ!!戯曲凄いし演技もきめ細やかで狙いを外さない。言葉の意味の上っ面を披露するのではなく、人間同士の闘いを見せてくれた。戯曲の芯が伝わる演技、演出だと思う。戯曲への敬意が感じられて嬉しい。ありがとうございました!

    ネタバレBOX

    終演後のトークによると、もともとは6人芝居。最後のムーブメントと、その直前の人々が行き交う場面は、セリフも古城さんの創作。
    小田島恒志さんがブラックフェイスについて説明してくださりホッとした。
  • 満足度★★★★★

     良いか悪いかではなく、ヨーロッパなどに住みちゃんと住んだ国の言葉ができ、彼らの生活の中に入り込んだ日本人なら誰でも知っていることがある。それは、深さだ。(追記後送 華5つ☆ ベシミル)

    ネタバレBOX

     ワンツーワークスは古城さんの脚本を基本的には舞台化するが、時折海外の面白い作品を舞台化してきた。今作も翻訳劇である。驚いたのは翻訳劇に良く見掛けるわざとらしさを全く感じなかったことだ。白人、黒人、黄色人種が登場するが何れも頗る自然な演技とメイク、階層分けされた衣装や舞台美術の工夫による差異化、その差異を際立たせる照明などで効果を高めている。また、翻訳が素晴らしい。翻訳でも通訳でもそうなのだが、外国語を他の言語にトランスレイトする作業が上手くゆくには、翻訳者・通訳が、翻訳される原文言語(例えば英語)と翻訳された言語(例えば日本語)双方に対して深い言語知識と文化や習慣、歴史、互いの特徴や相似、相違について知っているばかりではなく、肝心な部分に深く切り込み、考え抜くことが要求されるが、コノタシオンが異なる言語を可能な限り見事にトランスレイトしている。
     今作は、所謂ブラック企業に勤めた内気ではあるものの、賢く有能で真面目而も仕事熱心な女性・グロリアが、要領良く立ち回り自分の野心に忠実で他の人の痛みには蓋をし兎に角自分さえ良ければよい、と構える多くの社員にあしらわれながらも、僅かな給料の中から苦労して自分自身の住居を持ち社員全員にパーティーの招待状を出したにも関わらず、片手の指にも足りない人数しか集まらず、最後まで居てくれたのは1人だけ、おまけにグロリアのパーティー及び彼女自身は、物笑いの種にしかされなかった。その結果、惨劇が起こる。僅か15分ほどの間に最後に自殺したグロリアを含め10名が死亡、8名が負傷した。

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