ペコラムートンの羊(再演)

ペコラムートンの羊(再演)

劇団MAHOROBA+α(東京都)

公演に携わっているメンバー:15人

団体紹介
2008年6月、作・演出に永村閏をむかえ、劇団名を『劇団まほろば社中』より『劇団MAH OROBA+α(マホロバルファ)』に改名。

永村閏が描く詩的な架空世界をスピーディーな展開と大胆な演出で表現。

普遍的なテーマに言葉遊びをちりばめて、ファンタジーにみせかけながらリアルな共感 を呼ぶ独自の世界観を構築する。

2009年2月、第一回本公演『ペコラムートンの羊』を上演。

以降、編成ユニット(Little em)公演、劇場企画・他団体への客演参加など、常に新 たな試みを求めて活動の幅を広げている。


【『劇団MAHOROBA+α』の由来】
”劇団活動の場(=まほろば)のみならず、普段の生活(=+α)も疎かにしない\"
つま り、演劇人であると同時に1人間として充実した人生を送れることを目指す団体。
応募公演への意気込み
「今度マホロバで演出やることになったよ。永村さん育児休暇なんで、ピンチヒッターで呼ばれてさ」
と、周りの人間に話した後で、あっ、と気づいた。子供ができることを「ピンチ」と表現した自分に。アホでした、すみません。

いや、だからってなにも「子供が生まれたことは無条件にめでたいじゃん!」と目をキラキラさせながら主張したいわけではない。

子供を持つということ。それは肯定するべきことでも否定するべきことでもない。端的な、リアルである。誰もがそれぞれの人生におけるリアルを生きている、というだけのことだ。
演劇人の出産は、演劇をやっていない人の出産と比べて何か特別な意味でもあるのか。そんなわけはないだろう。
誰とも比べられない永村さんの人生のリアルを、意味づける資格があるのは永村さん本人だけである。
「育児がある。劇団がある。稽古に来れない。代わりの演出家が必要だ。」
これのどこに「ピンチ」があるのか。「リアル」があるだけだ。
以後、「ピンチ」という物語で、永村さんの人生を、そしてMAHOROBA+αという集団を語るという愚を犯さないように気をつけたいと思う。
そして、「リアル」を愛することができるように努めよう。

それよりもいま私が気にしているのは、男と女の違いである。
先日、私がtwitterで興味を持ってフォローしている女性が、「小劇場は男性中心である」という意見を投稿していた。ある年齢以上になると多くの女性は結婚や出産イベントを経て、演劇から引退する。作り手としても観客としても。すると劇場にいるのは演劇関係者や関係者知人である「若い女性」と、あとは老いも若きも男性ばかりになる。男性は女性のように引退しない。そうして演劇の歴史は、男の語る言葉によって語られ続けていく。
この指摘に、私は緊張した(今もしている)。
なぜならMAHOROBA+αは、メンバーの大部分が女性だからである。
彼女らはその中心にいる永村閏という女性の作風を愛し、集い、共に時間を過ごしてきた集団である。濃厚に女性性が、ある。
そこに男性の私が、演出家として入っていくとはどういうことか。
創作集団としての歴史と、女性性によって作られてきた何か。その二つを、私は共有していない。共有していないが、関係はしていかないといけない。
壊してしまう可能性もある。女性性は壊れない。壊れるのは、創作に必要な関係性だ。それが怖い。彼女たちが演劇にどう関わってきたか、これからどう関わっていくのか、その関わりに寄り添うことができないといけない。

なんか、だんだん面倒になってきた。私もそれなりに現代の子だし、「劇団て、いいものだねえ」みたいな感傷は皆無だし、むしろ劇団を疑うようなところから演劇活動を始めた。
マホロバだろうがなんだろうが、とにかく作品が作れればいいじゃん。

だがしかし。
人が、集まること。信頼し合って、何かを作ること。そのこと自体の力強さ。
それを信じることなしには、演劇という営み自体が、不可能じゃないか。
今回の外部演出とのコラボを企画したのは、劇団代表の三好康司さんである。
彼は本気で「永村が戻ってこれる場所」を守ることを考えている。そしてそれを真摯に支えている10人ほどの劇団メンバー。
壊れてもいいのかもしれないけど、壊すのは簡単すぎる。私の中で、今のMAHOROBA+αを肯定することは、演劇を肯定することと深く結びついている。

演出を引き受ける前に何度かワークショップやミーティングを行い、慎重なプロセスを経たものの、きっとお互いに感じる「違い」は小さいものではないと思う。
コラボレーション、といえば聞こえはいいが、必ずお互いに何かの変容を迫られるし、お互い無傷ではいられないだろう。私とMAHOROBA+αは、きっと、新しい傷によって新しい自分を見出すことになるだろう。
うん、やはり「ピンチ」はどこにもない。「リアル」が、あるいは「チャンス」があるばかりだ。
将来のビジョン
正直わからない。去年も同じことを書いた気がする(笑)

強いて言えば、今起きている現実の中でどう”変化”(=進化)していけるか。


2008年の結成から、今回の公演で丁度5年目を終えることになる。

結成1年の時、劇団として2度目の本公演を打った際、飛び込みで来られた客に「何年やってるの?」と聞かれ、「1年ちょっとです」と答えたら、「10年は続けなよ」と言われたことをいまでも覚えている。どこかでその言葉を支えにしていた
のかもしれない。

彼がどんな意味で言ったのかはわからない。

当時の私はそんな理由など何も考えず、ただ素直にその言葉を受け止めていた。

そして月日が経って、今折り返し地点の5年目を終えようとしている。

そんな中で作・演の永村に待望のお子さんが誕生。
同時に永村演出が暫くできない(であろう)という事態に陥りとても大きな転機を迎えた。

正直、喜ばしくもあり、焦った(笑)

通常であれば内部で演出家を立てて劇団活動を続けるというのが普通なのかもしれない。
でも、それは永村閏という作・演の戻る場所を失くすことにもなるのではないかと思った。

そして、これはチャンスであるのだと考えた。

5年という月日が経っているが、まだ我々には足りないものが沢山ある。それを打破するためには外部の血をどんどん受け入れている環境が必要ではないかと。

そこで外部演出を受け入れること考えた。

客演で外部に触れることは可能であるが、それは個々が別々の環境で得られるものであり、劇団内に外部の血を入れる、しかも演出という根幹を受け入れることによって強い
大きな”変化”が生まれるのではないかと。

1年の休業(そのつもりはなかったが、色々考えてたら1年経ってしまった)を経て、この度絶対安全ピンの黒田圭さんに演出に関わって頂くこととなった。

彼の演劇に対する考えは、我々とはまた違う観点での捉え方をしていた。

彼を迎えることで、劇団MAHOROBA+αに大きな”変化”が生まれる気がした。

そして、永村が復帰した際には、一回り大きくなったメンバーで次の一歩を踏み出せるのかも知れないとも思った。


人生、いつ何がどうなるかなんて予測できない。
今起きている現実によってその将来は変わっていくものではないかと思う。

だから、「将来のビジョン」なんてわからない。

でも、常に将来のことを考えながら、柔軟に色んな形で成長して行けたら良いと思う。

10年まで後5年。(別に10年で解散しませんが)

今回の公演を踏まえてまた次の将来を考えることが楽しみである。


そんな我らの”変化”を見守って頂けたら幸いです。

公演に携わっているメンバー(15)

花村雅子

羊飼いのヤインを演じさせていただきました。腹筋は6ブロックに割れました。ご来場下さいました皆様、ありがとうございました。
いとさま

週の半分は筋肉痛です・・・泣。 でもすげー楽しい!!
あいあい

初めて出させていただく劇団さんです。またまた初の黒田圭氏演出の元、超化学変化していけたらと思います!!
masa

今回客演します。劇団モナリ座2ndの小川です。汗だくの稽古で毎度筋肉痛と闘っています(笑)乞うご期待の作品ですよ!
セイヤ
役者・俳優

初めて参加する劇団さんなんですが、精一杯頑張ります。 よよrよろしくお願いします。
てんちょ
役者・俳優 制作 当日運営

制作として参加しています。 よろしくお願いします。
からかみ

広報、制作、雑用等々。
永村閏
役者・俳優 脚本 演出

脚本を担当しました。この再演はもはや新作となるでしょう。誰よりも楽しみにしてるのは私です。
くろだ

演出です。女性作家を中心としてきた集団に、外部から男性演出家が入るというのは、お互いのクリティカルな変容を迫られるような、お互い無傷ではいられないような、真のコラボレーションになると思います。予定調和はありえません。でもだからこそ面白くなると確信してます。
みっふぃー

よろしくおねがいします!!
ジーマ

よろしくお願い致します!!!
おー

裏方スタッフとして関わらせて頂く予定です。よろしくお願いします!!
ナル

よろしくお願いします!
宮 ゆい
役者・俳優 制作

宜しくお願いします。
みよっすぃー
役者・俳優

劇団としても一つの転機になる公演と思っています。 ご来場心よりお待ちしております。

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