【ご来場ありがとうございました】解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」

趣向（神奈川県）

公演に携わっているメンバー：9人

団体紹介

趣向は「日本の演劇をおもしろくする」ことを念頭において活動していきます。
といっても、趣向にできることはそんなに多くはありません。

おくれました、趣向は劇作家オノマ リコのユニットです。
過去に２回公演があります。
主に神奈川で活動しています。

趣向では演劇の持つ３つの特性に注目しています。

◆時間
演劇は時間の芸術です。言葉だけで1000年を一瞬で乗り越えていけますし、逆に1分を60分間かけて描くことも出来ます。
くわえて、お客様にはそれぞれの開演前から終演後、家路までの時間があります。
趣向では舞台上の時間をおもしろく構成すること、お客様の時間を心地よく演出すること、この両方を考えています。

◆空間
目の前にお客様がいらっしゃること。目の前で俳優が演じていること。同じ空間内に見ることと見られること、両方があること、これはとてもわくわくするものです。
趣向はお客様がなるべくゆったりと目の前のできことに集中できるように努力します。（ぎゅうぎゅうのほうが臨場感のあるいい公演になる！という場合にはぎゅうぎゅうにします）
またお伝えする時間や物語にふさわしい劇空間、そして都市を含めた劇場となる空間を探し出します。

◆物語
趣向は定型の物語にはまりません。というか、はまれません。
お客様に「安心して」物語を受け取ってほしいとは考えていません。
終演の後には、日常が少しちがう風に見えたり、ゆらいだりしていてほしいと思います。「見知らぬ場所」にお連れします。また、物語がご覧になったお客様それぞれのなかに着水して、その日一日がまたそれぞれの物語になりますよう、夢見ております。

これが趣向の将来のビジョンです。
演劇がすてきな体験として存在できるように、進化していきたいと思います。

応募公演への意気込み

　舞台はとある女子大学。穏やかな緑に囲まれた敷地内、エレガントなたたずまいが印象的な校舎群の中心に、旧体育館と呼ばれる建物を擁する歴史ある学校です。
　学生時代を回顧するとき、私たちは「甘いもの」を想像します。喜びも挫折も今思えばまるで幼かったと、柔らかな笑みを浮かべながら過去を語ります。
　しかしそれは真実でしょうか。
　あの頃私たちが抱いていたものは、優しく美しいものばかりだったでしょうか。
　今作品では実際にあった建築物の解体を背景に、女子学生の日常をきらきらと眩しく描きます。傍らにある闇が深いほど、光は強くまたたきます。そのきらめきを見ていただきたいと思います。

　オノマリコの戯曲の魅力をより一層深化させるべく、演出には「舞台の上で深呼吸できる演劇」をつくりだす黒澤世莉氏（時間堂）、ドラマトゥルクには詩情あふれる繊細な台詞が強みの小栗剛氏（キコ qui-co.）を迎えました。
　時空を自在に飛び越えるオノマ戯曲に、黒澤・小栗両氏の持つ武器が加わることでどんな化学変化が起きるのか。是非劇場に確かめに来ていただきたいと思います。

将来のビジョン

冬に、中原中也をモチーフにする作品を考えています。
・詩でハーモニーをつくること
・中也的なるものを探ること
をする予定です。

おそらく横浜です。でも鎌倉も魅力的なので２都市で公演するかもしれません。
趣向が、中也の詩情とどう向き合うのかご期待ください。