おばあちゃん家のニワオハカ

鳥公園（東京都）

公演に携わっているメンバー：6人

団体紹介

生身の俳優が実際に「今、ここ」にいることが演劇の最大の魅力だと思っています。
それがある限り、どんなに突拍子のないことでも、舞台上では地に足の付いた状態で存在することができるのではないかと思います。
それならどこまでも「リアル」から遠ざかり、ほとんど存在するかしないかくらいの微かな「感じ」を現わすことに、あるいは同じ空間に置かれることなど一般的には決してない要素同士を出会わせることに、全力を注いでもいいのではないでしょうか。

いかに多様な出典から素材を採集するか、そしてそれらをいかに構成するか。
そのために鳥公園は、①古典戯曲の演出公演、②小説や詩など言語表現としての作品のリーディング、③実在の事件等への取材に基づいた新作公演　の三本を柱とし、活動を進めていきます。

応募公演への意気込み

若い男性の俳優が、認知症の老婆を演じます。
一番入口の部分で大きな嘘をつくことで、「子供が欲しかった、母親になりたかった」という老婆の想いは、個人的エピソードの規模を超え、すべての人が共有しうるものとなるでしょう。

また、明治40年から百年、生活の場であり続けた日本家屋・市田邸を会場とします。
ここに大量の造花の庭をつくります。

将来のビジョン

N県S市で１７年間監禁されていた女性が発見された。
監禁犯は夫婦で、夫は被害者女性との間に二人の子供をもうけていた。
監禁犯の夫婦・被害者女性・そして２人の子供という集団は、新しい家族のかたちとして機能していたのではないか？

米カリフォルニア州および新潟の女性監禁事件を下敷きに、事実への取材を踏まえた上で、完全にフィクショナルに構成します。
実在の事件や都市など、様々なテクストからの引用を再構成することで、事実の上に虚構を立ち上げ、事実以上に切実なリアリティを保った場を現前させます。