昆虫大戦争

こゆび侍（東京都）

公演に携わっているメンバー：6人

団体紹介

日常生活では到底感情移入できない対象物に対してどっぷりと感情移入し、その先で待ち受けるうつくしい景色に感情がかき乱され、味わったことのない気持ちになる――劇場を後にしたら、あるのはただ、このきゅうきゅうしている心臓。この心臓の音を誰かに聴かせたい。

ことばであらわすものの美しさと、ことばそのものの美しさを通して、最終的にはなにもしゃべっていない時間を、詩的かつ吸引力のある時間に仕立てあげます。
お客様にはその瞬間を「発見」して頂きたい。そして、「発見」を求めて劇場に足を運んでいただくことで、日常生活においても「発見」することがくせになるようなフィードバックがなされたらと思います。
こゆび侍は、そういう、ことばの域を超えた演劇体験を与え続けていきたいと考えます。

応募公演への意気込み

今公演は、劇団員だけの公演です。お客様には、純度１００の、こゆび侍の世界観に浸っていただきます。
「俳優が昆虫を演じること、詩的であること」
今回のモチーフには、スカラベ（フンコロガシ）を選びました。ファーブルに愛されたスカラベたちが、標本されることにおびえながら暮らす日常とやがて訪れる激動の日々を描きます。
作家の昆虫への惜しみない愛が、作品を通してお客様の心に届き、日常生活におけるミクロなものへの視点に影響を与えられると信じております。

将来のビジョン

こゆび侍第９回本公演「Sea on a Spoon（仮）」を、９月１日から５日まで、王子小劇場にて上演いたします。佐藤佐吉演劇祭2010への参加作品となります。
モチーフは、ナメクジです。
女は一族を率いて、至上の幸福があるという最果ての地を目指した。やがてたどり着いたその場所、広大な海原に、すべてのナメクジは狂喜の表情を浮かべながら溶けていった――。唯一の生き残りとなった女の、生と死と贖罪の物語。
人間社会における、とある状況に重ねて、重厚に描きます。
また、今まで以上に美術などのスタッフワークに力を入れ、多くのお客様にとって強烈な演劇体験となるよう力を注ぎます。