「ヨーロッパ俳優訓練法」について
全世界から演劇を志す人々が集まるイギリスでは、ロンドンだけでも演劇大学・演劇学校の数は日本の10倍以上存在します。そしてそこから素晴らしい演劇人が日々輩出され、映像・舞台の現場で活躍し、世界へ羽ばたいていきます。
そんな彼らは口を揃えて「基礎が大事」であり、自分が壁にぶち当たった時には「また基礎に戻る」ことが必須だと話します。ではその「基礎」として、彼らは一体どんな俳優訓練を行なっているのでしょうか。
「月波兎」主宰 石井麗子が
ロンドンの演劇大学 Rose Bruford College MAでSusan Merlose教授に師事し、劇団コンプリシテなど様々なワークショップと日本の演劇現場で培った経験をもとに「ヨーロッパの俳優訓練法」のエッセンスをご紹介します。
演技経験者には、今までご自分が無意識に行なっていたことを意識的に「ツール」として認識し技術を向上させることで、現場でいつでも引き出しから取り出せるようにすることが目標です。そしてまだ経験の浅い方には「演技者として必要な演技ツール」をわかりやすく体得できるようにします。
日程
2026年2月・3月
火曜日クラス 2月10日、17日、24日、3月3日、10日、17日、24日(計7回)
土曜日クラス 2月14日、21日、28日、3月7日、14日、21日、28日(計7回)
(各クラス、曜日は固定でご参加ください)
__________________________
時間
17:30〜21:30(4時間)
__________________________
場所
文京区施設(詳細はお申込み後にお知らせします)
__________________________
参加費
¥21,000(全7回分、税込、クラス初日に現金でお支払いください)
__________________________
ワークショップの目的
現代ヨーロッパ俳優訓練法を、理論と実践を通してわかりやすく学べます。
演劇を楽しみながら「演技ツール」を習得し、自己表現を高めることを目的とします。
__________________________
対象者
プロフェッショナルの俳優、演技経験者、演技初心者
それぞれのレベルに合わせて、丁寧にご指導いたします。
__________________________
人数
1クラス 15名程度(最少催行人数設定あり)
__________________________
ワークショップ内容
シアターエクササイズ、シーンスタディ、シーン発表
毎回「演技ツール」としてのテーマを提示し、それに沿ったエクササイズを体感します。
次に、具体的に台本テキストを使って、それをどのように自分の役柄に応用して演技に活用するかを探求し、最終週にはシーン発表を行ないます。
なお、火曜日クラスと土曜日クラスは内容は同じですが、それぞれで配役をするため同じ曜日クラスでご参加ください。
_________________________
申込み方法
参加希望の方は、以下の方法でお申込みください
①グーグルフォームでのお申し込み https://forms.gle/YF45h3ms9fFfVMP19
②メールでお申し込み raytsukinamiusagi@gmail.com
_________________________
講師紹介 石井麗子(月波兎)
私は文学座での35年以上の舞台経験を積むなかでいくつか転機はありましたが、劇団に入って10年目の30歳の時に文化庁在外派遣研究員としてロンドンのRose Bruford CollegeのMA(修士)に1年留学したことはかけがえのない経験となりました。この大学は演劇だけに特化した歴史のある大学で、伝統的な演技コースだけでなく、現代ヨーロッパ演技コース、舞台美術・音響・照明・舞台監督のコースまであるような本格的な演劇大学でした。学生も国際色豊かで、私の年のMAではイギリス人だけでなくノルウェー、スペイン、オーストラリア、ドイツ、中国からプロの俳優・スタッフがブラッシュアップのために集まり、当時注目を集めていたフィジカルシアター研究を牽引するSusan Merlose教授に師事して、私は1年間で10本の舞台を企画・上演したり・・・と、刺激的で充実した創造体験をしました。
また大学外でも、野田秀樹さんも影響を受けた劇団コンプリシテのワークショップを受けたり、留学期間が終わり文学座に復帰した後も、仕事の合間にロンドンに通って勉強を続け、通算で10年近くロンドンに住みました。
これらの学びを通して痛感したことは、「演技の技術」を「ツール(道具)」として具体的に習得することができればどんなにいいだろうということでした。そして2009年に日本に帰国してからは、文学座だけでなくさまざまな演劇メソッドを土台に活躍している日本の素晴らしい方々とご一緒させて頂きながら私自身も常に学び、同時に次世代人材育成にも努めてまいりました。
2009年〜2015年 有明教育芸術短期大学芸術コース非常勤講師
2021年〜現在に至る 玉川大学芸術学部演劇・舞踊学科非常勤講師
【ハラスメント防止のための取り組み】
ハラスメント防止対策
私たちは、以下のビジョンを掲げ、ハラスメントのない良好な環境づくりに取り組みます。
a. 劇場と劇団に関わるすべての人の人権が守られ、自分の意思で活動することができる。
b. 劇場と劇団に関わるすべての人が、属性や言動によって差別されることなく、
互いに尊 重し合い、人として対等に、意見交換や対話を行うことができる。
c. 劇場と劇団に関わるすべての人が、身体的、精神的に安全で安心な環境で過ごすことが できる。
私たち「月波兎 ツキナミウサギ」では
常に他者をリスペクトしあえる創作現場を作っていけるよう全力を尽くします。
私共の稽古場・ワークショップ現場が全ての俳優やスタッフにとって風通しの良い、安全な場所であり続けるために、そして健全な環境で作られた作品をお客様に届けることができるよう努めてまいります。そのための具体的な取り組みとして、公演ごとにガイドラインをアップデートして策定し、ハラスメント防止研修を実施し、相談窓口の整備を行います。そして微力ではありますが、我々の取り組みが演劇業界からあらゆるハラスメントや差別を無くすための一助になるべく、努めてまいります。
月波兎