CoRich舞台芸術アワード!2020

「真夏の夜の夢」への投票一覧

1-2件 / 2件中

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投票者 もらったコメント
jokermanjokerman(1311)

2位に投票

 野田らしい言葉遊びに溢れたシェイクスピアの脚本を、ブルガリアのブルカルーテが演出。楽しい舞台だった。
 92年に野田がシェイクスピアの戯曲を潤色して演出したものが初演だが、80年以降の野田作品は全て観ている私が唯一見逃していたのが本作である。その意味で、演出は違えど期待して観に行ったのだが、それに違わぬ見事な舞台だった。野田の潤色は、物語の骨格は活かしつつも、舞台を日本の料亭と富士の森に移し、パックだけでなくメフィストも登場させ、劇中劇で不思議の国のアリスをも登場させて、3つの物語を巧く溶き混ぜた、祝祭的な楽しい脚本だった。それをブルカルーテは、映像も巧く使い、役者の肉体を通して見事な舞台にしていた。
 軸になる女優2人、鈴木杏は貫禄とも呼べる存在感で、北乃きいの舞台は初めて観たが、鈴木とは違った色をしっかり出していた。今井朋彦と手塚とおるという名優2人のシーンにはゾクゾクした。

旗森旗森(717)

3位に投票

異才を組み合わせれば、傑作ができるというものでもないだろう。
ルーマニアのブルカレーテは、「ルル」を見た時は偉いのがいる、と大いに感心したし、異色の感能性にも触れることができたが、野田とは肌合いも違う。さらにおおもとの原作がシェイクスピアの祝祭劇である。これにドイツ系のファウストや英語圏の「ピーターパン」まで組み込んである。舞台も、野田の場合はかなり手が込んでいても手づくり感がどこまでも残るが。今回は映像処理も大活躍で、言って見れば、ひっちゃかめっちゃかのごった煮「夏の夜の夢」である。野田流にふざければ「夏の世の夢」。夢だからいいじゃないかと言われれば、そうかもしれないが、自然破壊へのプロテストまであるところを見ると、結構まじめに現代批評も意図している。まぁこういうのもありカナ。国際的な才能激突のコロナ憂さ晴らし祝祭劇を期待していた小生はあてが外れた。

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