ミスターの観てきた!クチコミ一覧

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兎座

千本桜ホール(東京都)

2017/12/05 (火) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★

10日夜、知人で役者の古川奈苗が同世代の役者・野崎亜里沙&藤原珠恵と組んで結成した演劇ユニット兎座の旗揚げ公演千穐楽を観てきた。場所は,学芸大学駅近くの千本桜ホール。

作と演出は、兎座メンバーの藤原珠恵が担当。
舞台は、「高校を卒業して30歳を迎えた年に、演劇部のメンバーに同窓会の招待状が送られてきて久しぶりに再会する。しかし、それは演劇部でいじめられてた部員による、いじめていた部員に対する復讐劇の始まりであった。そして舞台は現役高校生時代の演劇部でのいじめの実態の再現を経ていざ復讐に・・・」という内容の劇を演じようとしてい
る高校生の演劇部員達の談笑で、幕を閉じる。手に汗握るというかドキドキさせられる復讐劇が最後には架空の舞台なんだよという設定にはなかなか感心。いや、この暗い内容の舞台をどう収めるか、観ていて気になったからだ。ただ、最近観た劇団時間制作の作品でも高校でのいじめ問題が取り上げられており、高校の思い出として「いじめ」がそれほどインパクトのあるものなのかと改めて考えさせられた。まぁ、もっとも高校時代を舞台化しようとしたとき、印象に残るというか舞台化しやすい題材なのかもしれないが。

役者は、いじめ役の古川奈苗の演技には凄みがあって秀逸。目つきがいじめ役になりきっていた。正直言って、他のメンバーには振り当てられた台詞がちょっと弱いところもあって、熱演は認めるのだが古川に続く抜きん出た役者というのは見当たらなかった。敢えて言えば小林愛里か。
今回の作品は兎座メンバーのものであり、この先も兎座として作者を固定化またはメンバーでの持ち回りにするのであれば、脚本家としてのメンバーの成長が兎座というユニット自体の成長に繋がるといって過言では無いだろう。

ちなみに、今回の公演では日替わりでゲストが出演。自分が観た千穐楽には沢井美優が出演していた。

兎座の真価は、数回公演を重ねることで定着してくることだろう。

手を握る事すらできない

手を握る事すらできない

劇団時間制作

萬劇場(東京都)

2017/11/08 (水) ~ 2017/11/19 (日)公演終了

満足度★★★★

16日、大塚の萬劇場で上演された劇団時間制作第十五回公演『手を握ることすらできない』を観てきた。例によって、オールダブルキャストの公演で、自分が観たのはAチームの平日割引日であった。

プログラムの記載によると、今回のテーマは「居場所」ということらしいが、これではちょっとわかりにくい。何の居場所というかというと、高校におけるいじめを受けている生徒の居場所、それを知ってもどうすることも出来ない教師の場所、そして、いじめる側の生徒の居場所。

劇舞台は、とある高校のクラス(劇ではD組という設定)。このクラスではある女学生がターゲットになっているいじめが存在する。そのいじめをなんとかしたいクラス担任教師だが、過去にその対応を誤り生徒同士の殺人・自殺未遂事件を起こしており、どう手を付けて良いか分からない。そこに熱血感あふれる女性教育実習生がやってきていじめの存在を知り、担任教師や生徒と対峙するが、教頭を筆頭とする学校側の対応、モンスターペアレントの存在などが壁となって、いじめに目をつむるほか無い状況に。
その現在から、舞台は殺人・自殺未遂の起こった過去に遡り、いじめの実態(いじめの対象がたやすく入れ替わることや、中学と高校でのいじめる側といじめられる側の立場の逆転現象)などがつづられていく。
実は、自分は元教師でありこうしたいじめの実態に直面した経験があったので、舞台を観ていて過去の自分に引き戻され、普通なら泣けるシーンでも学校や教師の対応に怒りと慟哭に突き上げられ、悶々とした気持ちで舞台を見続けた。正直言って、観ているのが辛い。しかし、客観的に考えれば、それはこの脚本の出来の巧さにも繋がるのであった。

役者側では、過去のシーンに登場するいじめられ役の楠世蓮、彼女を殺すことになる同級生役の佐々木道成、クラス担当教師役の静恵一が核となるしっかりとした演技を魅せていた。特に佐々木の演技はややオーバーな部分もあったが秀逸。教師役が軽く感じられたのが難点と言えば難点だが、実際今の教員のいじめにたいする態度はこんなもんだろうなぁと思わせる好演とも受け取れる。

よい舞台を見せてもらった。

くるみ割り人形

くるみ割り人形

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2017/10/28 (土) ~ 2017/11/05 (日)公演終了

満足度★★★

3日午後、新国立劇場で上演されたチャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』を観てきた。この日のクララ役は、お気に入りの米沢唯。相手役くるみ割り人形(王子)はワディム・ムンタギロフ。蝶は池田理沙子。出演者多数のため。その他の配役は省略させていただく。
新国立劇場での本作は、イーグリング版による上演。夢の中のクララ以外は子役が務めるというのも。夢では18歳ではあるが、実際は12歳という想定に忠実に基づいた演出といえるだろう。そんな子役のクララの可愛さもさることながら、夢の中の米沢のクララの踊りもまた格別。分かりやすい内容と、親しみ深い音楽で、休憩を含む2時間30分という上演時間は、非常に短く感じられた。
クララ役の米沢、くるみ割り人形他全3役掛け持ちのムンタギロウフのダンスは息も合って抜きん出ていたが、他にもなかなか良いダンスを見せてくれたダンサーが多数。最大のお気に入り・本島美和のアラビアの踊りの振り付けがおとなしめで、せっかくの本島の持ち味が出し切れていなかったのが残念であった。

すみれの花、サカセテ。again

すみれの花、サカセテ。again

羽衣1011

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/10/25 (水) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★

28日、スペース梟門で上演された羽衣1011第6回プロデュース公演『すみれの花、サカセテ again』を観た。これは作、出演者に自分が興味を持っている演劇集団西瓜糖のメンバーがいたからである。
本作品は、秋之桜子(役者・山像かおりのペンネーム)の処女作品で2005年に上演されたものの12年ぶりの再演舞台。当時40歳代であった出演の山像かおり、渡辺美佐も既に50歳代となって、前回とは味わい・演技の深みが加わっているのだろうが、その違いは初演を観ていないのでよく分からない。

舞台は高級高層マンションの一室にあるエステサロン。店をたたむ準備を終えた店主のミチが、オートロックで部屋が閉まる寸前にやってきた常連客の有名下着メイカーの女社長・綾小路と部屋に閉じ込められ、オートロック解除方法が分かるまでの2人のやりとりを描いた2人芝居。なんとか部屋から出ようとする2人のドタバタ行動。当初は店主と常連顧客という関係だったのが、ふとしたことから実は若いときはミチが愚連隊総長、顧客の綾小路がその子分であったことが判明して立場が逆転というオチまであって約90分に盛りだくさんの内容が織り込まれていて時間を忘れて見入ってしまった。出来すぎた偶然も、こうして上手く料理されると苦にならない展開となる。2人の熱演には拍手を送りたい。

一万個  ~いちまんこ~

一万個 ~いちまんこ~

チームまん○(まんまる)

萬劇場(東京都)

2017/10/25 (水) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★

出演する知人の役者・高坂汐里に薦められてチームまん○の『一万個』の男版を観てきた。会場は大塚の萬劇場。この舞台、男版と女版があって若干内容に違いがある。劇名からなんとなく想像できるのだが、内容はソフト下ネタ系なのである。

舞台の中心は、裕貴という妻のいる会社員の体内。妻がいるにもかかわらず、会社の同僚慶子は彼に積極的にアタックしてきて、妻、慶子どちらの夜の誘いにも性器が勃起しなくなってしまう。その裕貴の体内の交感神経、副交感神経、神経伝達成分、勃起中枢神経などを擬人化して、勃起に関する体内の神経の動き・葛藤を描いているのだ。

笑いも混ぜ、あまりどぎつい下ネタに落ち込まず勃起という行為を扱っていたのはなかなか上手い発想だろう。まぁ、内容的に「深み」を求めるのでは無く、一種の娯楽として楽しめればこの舞台を観る価値はあるだろう。
ただ、出演者がやや多くてのその役割が中途半端に感じたのは残念。
会社員の妻役を演じた高坂汐里と彼を誘惑する会社の同僚・慶子の色気というかセクシーさの差はなかなか絶妙であった。

一万個  ~いちまんこ~

一万個 ~いちまんこ~

チームまん○(まんまる)

萬劇場(東京都)

2017/10/25 (水) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★

出演する知人の役者・高坂汐里に薦められてチームまん○の『一万個』の男版を観てきた。会場は大塚の萬劇場。この舞台、男版と女版があって若干内容に違いがある。劇名からなんとなく想像できるのだが、内容はソフト下ネタ系なのである。

舞台の中心は、裕貴という妻のいる会社員の体内。妻がいるにもかかわらず、会社の同僚慶子は彼に積極的にアタックしてきて、妻、慶子どちらの夜の誘いにも性器が勃起しなくなってしまう。その裕貴の体内の交感神経、副交感神経、神経伝達成分、勃起中枢神経などを擬人化して、勃起に関する体内の神経の動き・葛藤を描いているのだ。

笑いも混ぜ、あまりどぎつい下ネタに落ち込まず勃起という行為を扱っていたのはなかなか上手い発想だろう。まぁ、内容的に「深み」を求めるのでは無く、一種の娯楽として楽しめればこの舞台を観る価値はあるだろう。
ただ、出演者がやや多くてのその役割が中途半端に感じたのは残念。
会社員の妻役を演じた高坂汐里と彼を誘惑する会社の同僚・慶子の色気というかセクシーさの差はなかなか絶妙であった。

一万個  ~いちまんこ~

一万個 ~いちまんこ~

チームまん○(まんまる)

萬劇場(東京都)

2017/10/25 (水) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★

出演する知人の役者・高坂汐里に薦められてチームまん○の『一万個』の男版を観てきた。会場は大塚の萬劇場。この舞台、男版と女版があって若干内容に違いがある。劇名からなんとなく想像できるのだが、内容はソフト下ネタ系なのである。

舞台の中心は、裕貴という妻のいる会社員の体内。妻がいるにもかかわらず、会社の同僚慶子は彼に積極的にアタックしてきて、妻、慶子どちらの夜の誘いにも性器が勃起しなくなってしまう。その裕貴の体内の交感神経、副交感神経、神経伝達成分、勃起中枢神経などを擬人化して、勃起に関する体内の神経の動き・葛藤を描いているのだ。

笑いも混ぜ、あまりどぎつい下ネタに落ち込まず勃起という行為を扱っていたのはなかなか上手い発想だろう。まぁ、内容的に「深み」を求めるのでは無く、一種の娯楽として楽しめればこの舞台を観る価値はあるだろう。
ただ、出演者がやや多くてのその役割が中途半端に感じたのは残念。
会社員の妻役を演じた高坂汐里と彼を誘惑する会社の同僚・慶子の色気というかセクシーさの差はなかなか絶妙であった。

Mermaid-drop ~マーメイドロップ~

Mermaid-drop ~マーメイドロップ~

Performing unit colors7~C7

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/09/29 (金) ~ 2017/10/03 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/10/03 (火) 14:00

知人の役者・水野以津美が主演を務めるC7公演『マーメイドロップ』千穐楽マチネ公演を、ザムザ阿佐ヶ谷で観た。このC7という劇団は初めて観る。ザムザ阿佐ヶ谷には、久しぶりに出かけた感じ。開場待ちの列で、今年水野を使って撮影したショートムービー『東京ラストマン』の原田プロデューサーと遭遇し、一緒に観劇と相成った。


舞台は現実篇と幻想篇の2つの話が交互に時には相互に織り込まれての内容。成人となって人魚の女王となった姉妹の姉セレーヌは人間(王子)に恋をして、声を失う代償に魔女によって人間になる。しかし、妹エレンも人間となって王子と恋仲になり、同時に姉への恨みを抱いていたことも発覚。失望したセレーヌは、エレンと魔女を殺してしまう。その代償として、人間として20歳までしか生きられない人生を繰り返すという輪廻転生の呪いを受けることに。現在のセレーヌ(現実ではマヤという名)はもうすぐ20歳となりまた一つの人生を終わろうとしているとき、鏡太郎という平凡な大学生と知り合い、素性を明かして人魚の女王の証であるティアラ探しを共同で始める。しかし、その2人の周りには、人魚の秘密を解き明かそうとする秘密結社の手も伸びてきていた。結局マヤと鏡太郎はティアラを見つけ出すが、清らかな心の持ち主の人魚一族で無いとティアラの力を発揮できないことが明らかなり鏡太郎ではティアラがあっても彼女を救う事が出来ない事が明らかとなって、むなしくマヤは命を落とす。残された鏡太郎は、世界のどこかでマヤすなわちセレーヌが新たな人生を送っていることを願いつつ、彼女との体験を小説に綴るのだった。

およそ2時間の舞台で最後にはマヤが救われるのかと思ったが、バッドエンド的に終わったのは予想を裏切られてある意味新鮮ではあった。
人魚の世界を演じる幻想篇では歌と踊りで人魚の世界を表現していて、舞台冒頭での幻想篇を観たとき「この作品はミュージカル的なもの?」と思ったのだが、実際は幻想篇の一部分で歌と踊りが活用されていたに過ぎなかった。
その幻想篇にしろ、現実篇にしろ、全体的に進行の間と台詞の間がのびすぎるような傾向があって、観ていてもどかしい気持ちを常に抱かせられたのはちょっと残念。要は、脚本における作品の密度の問題だろう。
役者では、幻想篇よりも現実篇の役者の存在感と実力が目に付いた。鏡太郎の飯川和彦、マヤの水野以津美、マヤの兄・士郎の有賀太郎が特に抜きん出ていた印象。

オカダスファミリーの一族

オカダスファミリーの一族

東京AZARASHI団

サンモールスタジオ(東京都)

2017/09/12 (火) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★

新宿・サンモールスタジオで上演されている東京アザラシ団の『オカダスファミリーの一族』初日を観に行った。特に知人が出ている訳でもなく、入手したチラシに興味を持って観に行くようになった劇団。今回が3回目の鑑賞となる。基本、一言で劇団の特徴を言うならば「泣けるコメディ」を見せてくれると言うことだろう。

ネタバレBOX

今回は、女で一つで5人の姉妹を育てながら、美味しい豆腐を売って巨大な時を築いたらしい岡田商店の社長・さちの急死を受け、残された5姉妹を中心に残された遺産相続を巡るドタバタ劇。社長夫人、放送作家、世界を飛び回る写真家、岡田商店の跡取り、そして現役大学生という5姉妹が、均等に遺産を5等分するか自分1人で独り占めするか、その駆け引きの過程で大いに笑わせられるが、姉妹愛、母親への追憶のシーンで思わずウルウルさせたれる対比が上手い。現在の5姉妹のシーンの合間に演じられる幼い頃の母親と5姉妹の挿入シーンも上手くはまっていた。これは、母親役の根本こずえの力だろう。現在の5姉妹役を演じた目方、星野、那海、山岸、由楠の演技もなかなか楽しかった。結局、舞台は母親には財産の他に多額の借財もあったことや、単なる山と思っていた遺産の一つが家族の思い出に繋がる場所だったことが明らかになって姉妹愛が復活して愛でたし愛でたしとなるのだが、この話が実はあるお笑い芸人の書いた小説だったという最後のオチも構成としてはよく考えられていたのではないだろうか。
ちなみに、個人的にこの劇団で印象深い役者というのは目方聖子、小比賀治郎、渡辺シヴヲである。
また、今回は「鳥の首企画」を主宰している南条ジュンの生舞台初鑑賞でもあった。
売春捜査官

売春捜査官

稲村梓プロデュース

サンモールスタジオ(東京都)

2017/09/05 (火) ~ 2017/09/10 (日)公演終了

満足度★★★★

サンモールスタジオで上演された、稲村梓プロデュースのつかこうへい作『売春捜査官』を観てきた。声優であり女優である稲村梓はこの作品を「心の支え」としており、既に何度か上演していることを今回初めて知った。つかの作品のいくつかは非シス人という劇団で観ることが常だったのだが、今回の稲村の舞台を演出したのがその非シス人で演出を手がける間天憑であったことと、まだこの作品を舞台として観たことが無かったのが今回出かけようと思った直接の理由であった。


作品としては有名であり、改めて粗筋を書く必要もあるまいが、大雑把に書くなら、女なのに木村伝兵衛(稲村梓)という名の部長刑事と彼女の下に八王子から転任してきた熊田刑事(内谷正文)、ホモの戸田刑事(村手龍太)の3人が、熱海で起こった山口アイコという女性の殺人事件の謎を犯人大山(渡辺敬介)を回して解いていく。特に、前半の刑事室での刑事達のドタバタと、後半刑事役と犯人役が演ずる事件の再現シーンの対比がこの作品の見所であろう。ちなみに、今回の舞台では稲村の演ずる木村部長刑事以外はダブルキャストであり、自分が観たのはKチームであった。

演出的にはウィキペディアでも「大音量の「白鳥の湖」をBGMに木村が電話でがなりたてるオープニングや、新任の刑事に渡す書類を地面にわざと落とし、木村が「拾ってください」というやり取り、木村が成長した犯人を花束で何度も打ち据えるシーンなど、この作品の名物となっている部分は、形は変わりつつも、どのバージョンにも数多く残っている。」と指摘されている部分はそれを踏襲していた。しかしながら、実は全体で2時間ほどの上演の中でスタート30分ほどは演出の質というか役者の集中力というのが散漫で、これはどうなるかと心配しながら観ていたのも事実。しかし、舞台後半の事件再現シーンに入ってからの役者の緊張感が一変しように素晴らしい台詞のやりとりに観る者の神経が研ぎ澄まされた。そのきっかけは恐らく役者・村手の力であり、それに応じて好演を見せた主演・稲村のなせる技だろう。良い舞台を見せてもらった。

夕顔

夕顔

日穏-bion-

テアトルBONBON(東京都)

2017/08/23 (水) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★

座席1階D列8番

今年冒頭にメロン農家が舞台の劇を観て、いわゆる農家モノ作品も作り方によっては優れものになるなぁと思っていたが、今回栃木のかんぴょう農家が舞台の劇という案内を読んで、さてかんぴょう農家のどんな一面をどう料理した作品なのか興味が湧いてきて観に出かけた。もちろん、スタート9年目の劇団であるそうだが、観るのは初めてである。

舞台は、栃木県にあるかんぴょう農家の川上家。農家を守る長女・夕子、芸能界に入りたくて家を出、最近急に舞い戻ってきた次女の夏実、小学校の教師である三女の苺子。家族を捨てた母親への思いをきっかけにひびの入った次女夏実と有子の感情的葛藤を核に、夏実の元恋人や苺子に恋する男性、アル中から立ち直って村おこしに協力する男などを巻き込んで、村おこしのイベントである音楽祭開催日を中心に描いた悲哀劇。夏実の心臓病と苺子の急死によって、夕子と夏実にかつての姉妹愛が戻ることになる、その過程が観る者の心を悲しみに包む。
そうした悲しみに清涼剤のように時折観客に笑いを起こさせる地域おこし協力隊員の存在は重要であり、なかなかの妙演であった。

役者個々の役作りの深みに欠ける面があったのは残念だが、総じて言いたいことは観客に伝わっていたと思う。
笑わせどころ、泣かせどころは、よくツボを押さえていた。
舞台と音楽との関係性にも、さらなる研究が必要かもしれない。

あめの声、なつの唄。

あめの声、なつの唄。

チークパイ

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/08/22 (火) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★

女優・傳田圭菜と藤木蜜によるユニット・チークパイの第1回公演を観に行った。今回は、本公演『あめの声、夏の唄。』(上演時間80分)と、スピンオフ公演『とびらの物語』(同・30分)の2本立て。脚本はどちらも加藤英雄、演出うえのやまさゆり。出演の田中淳之とはゴールデン街でのリアル関係。傳田は激バス・梁山泊・リトルシアターで観るし、リトルシアター関連としては、藤木、福田も。脚本の加藤もリトルシアター関連(それとGフォース)だし、演出のうえのやまは激バス関連。出演者や脚本・演出で、一度は観たことのある役者がこれほど多く集まっている公演は初めてであった。


さて、本公演の舞台はとあるレストラン。今は亡き父親の命日に、近親者や父親の知人達がゆかりのあるレストランに集まることが毎年恒例となっていたのだが、参加者は年々減り、今はほぼ家族だけしか集まらなくなってしまった。そんな家族の3兄弟のうち、結婚している長男一家はこの行事を今年で辞めようと言い出そうと思っている。長女は毎年連れてくる恋人が異なり、今年も去年とは別人を! 主役である次女は父親の好きだった唄を口ずさみながら1人無口で店内にいる。その3兄弟で今後の命日の集まりについて論議している最中、父親の関係者で今日遅刻している母親と会ってきたばかりという謎の男がレストランに現れる。兄弟達は「父親の隠し子では?」と疑いつつ、母親のいる近所の喫茶店に向かう中、次女だけが、その男が過去から時空移動してきた若き日の父親であることに気づく。若き父と、娘との間で交わされるつかの間の会話。男(つまり父親)も娘も、幸せを感じる一時。そして、命日にみんなが集まってくれることを喜ぶ男と、この先も集まりを続けようと決心する次女に別れの時が訪れる。

主人公である次女を演じた傳田の熱演をまず褒めるべきであろう。長男役の野村知広、長女役の藤木蜜、男(父親)役の田中惇之んもなかなか見応えの演技をしていた。長女の元恋人役・中谷中と現恋人役の石塚義高、レストランのマスター夫人役の松田かほりも良い味を出していた。
肉親、近親者が時空移動して過去や未来に行い、行った先で会いたい肉親に会い交流を深めるという内容は、なかなか見応えがある。こうした内容では、今年小説と舞台で話題の『コーヒーが冷めないうちに』があるが、そこでの主人公は時空移動する側。本作では、時空移動されて過去の人物に会うことになる現在の時空に生きる次女がメインの話。
演ずる役者だけでなく、脚本も演出も適度な質感を保っていて観やすかった。
今後のこのユニットの活動が楽しみである。


なお、スピンオフ公演は、本公演で父親そして次女が歌っていた歌にまつわる昔話を再現したもの。やる方次第では、これは凝縮版にして時間的に余裕のある本公演の中に組み込むことが出来たかもしれない。

裏シンデレラ物語×VRの中のアリス

裏シンデレラ物語×VRの中のアリス

ぱすてるからっと

Geki地下Liberty(東京都)

2017/08/09 (水) ~ 2017/08/16 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/08/14 (月) 15:00

劇団ぱすてるからっとが下北沢のGeki地下libertyを会場に、同じ舞台セットを使って2つの舞台、「裏シンデレラ物語」と「VRの中のアリス」という作品を平行上演する企画のうち、ダブルキャストで行われた「VRの中のアリス」B班の公演千穐楽を観てきた。実はこの作品、知人の役者・塚田しずくによる脚本、そしてB班は塚田自身の演出での上演と言うことで、期待して出かけた。


ある会社の営業部でナンバー1の成績を維持する桜田。最近両親を亡くし妹と2人暮らしの苦労も出さず仕事に熱中する桜田を心配して、上司の榊部長は有給休暇消化を命ずる。仕事が生きがいだった桜田は、それを自分のことを首にするリストラの始まりと勘違いをし、送り主の分からぬVR用眼鏡を装着してVRの世界でアバターのアリスとチャット交流を持つようになる。そんな兄を心配する妹・恵、同じ会社の社員で桜田に好意を寄せる涼野、そして行きつけの居酒屋の面々や会社の同僚達。彼らの心配する気持ちが通じたのか、桜田は気を取り直して再び会社に行きだし、周囲の人々は安心する。

舞台中、桜田の家庭の境遇が分かって行く家庭で観客がホロリとする瞬間があり、観客の泣きを呼び込むコツもまだ雑ではあるが身につけていると察した塚田の脚本。VR用眼鏡を送られてきた桜田と居酒屋の嫁の関係、アバター・アリスの正体など、もう少し解き明かしてもらいたい謎が放置されていたのは残念だったが、桜田、その妹、涼野、会社の後輩・木下の人物描写はなかなかのもの。
役者の演技的には桜田役の二葉と、妹役のとんちゃん、居酒屋のバイト・李役の宮﨑をはじめ、みんな熱演していた。多少演出をもう少し簡略化して言いたいことの焦点を明確にした方が良さそうなシーンもなきにしもあらず。ダンスシーンとアバター・アリスの歌うシーンを必然化させる工夫も、あと一歩かな。しかし、総じて頑張っていた演出だった。こうなると、異なる演出だったA班も観るべきだったと反省。
ちなみに、個人的に気に入った役者は、同僚社員・橋本役の高橋であった。

八丁堀怪談百物語

八丁堀怪談百物語

ユーキース・エンタテインメント

STUDIOユーキース(東京都)

2017/08/06 (日) ~ 2017/08/07 (月)公演終了

満足度★★

鑑賞日2017/08/06 (日) 15:00

今年の夏休みは分散型となった関係で、日程的に行けそうな舞台を探して行き当たった一つがユーキースが主催したいた「八丁堀怪談百物語」という催しのチケットプレゼント。応募したところチケットが当たったので、二日間(各日昼夜公演)公演のうち、1日目昼の部に出かけてきた。

当初、八丁堀にまつわる怪談の舞台かと思ったのだが、言っていると舞台上に椅子と机が並べられたトークイベントであった。会場のスタジオ・ユーキースは、普段各種のスクールが行われている場所で、椅子席だと40人くらい入れるスペース。怪談トークというのは、以前自分の知人と企画して新宿で開催(ホラー系漫画家数人呼んで100人以上は入れる会場を確保)したことがあったが、集まってくれた観客はたった7人。出演者も来客も、ただ苦笑するしか無い状況だった記憶がある。この種のイベントは、何か付加価値がないと客が集まらない。自分の出かけたイベントも、開演時間になっても集まったのは招待の自分1人という惨状。結局、出演者の視線は自分に集まり、1話怖い話が終わるたびに「今の話は怖かったですか」と振ってくるのには参った。4公演で怪談100話すところ、自分の出かけた回は19話で時間となった。内容的にはそんなに怖い話とは思えないのもあって、ちょっと消化不良気味なイベントであった。いやぁ、怪談話というのは難しい。ましてや、100話集めるとなるとね・・・・

民宿チャーチの熱い夜15

民宿チャーチの熱い夜15

デッドストックユニオン

ウッディシアター中目黒(東京都)

2017/07/11 (火) ~ 2017/07/17 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/14 (金) 14:00

毎年夏と言えば、恒例となったデッドストックユニオンの『民宿チャーチの熱い夜』。などと偉そうなことから書き始めたが、今年で15回目を迎えるこの公演を初めて観たのは知人の役者が出た昨年のでありました(苦笑)。

ネタバレBOX

教会を改装して営業している沖縄の民宿チャーチ。今回は、その民宿の名物従業員・インド人のチャダを取材にきた地方のテレビ局のスタッフ達と,チャダを師匠と呼ぶ若者と、チャダを含む民宿の関係者達の心の触れ合いを2時間15分にまとめた舞台。テレビ的に過激な内容を密かに画策するテレビクルー達と、親友のいじめを見て見ぬ振りをして結果として自殺に追いやったと思い込み、基地反対沖縄独立を傍観しているだけだはなく実力行使をすべきという若者の心の葛藤がおりなすドタバタに、チャドの勘違いが拍車をかける。

笑えるし、しんみりさせるシーンもあるのだが、半紙の展開が結末が、昨年観た14の時に似ている。どうも、回数を重ねるとシリーズ公演は構成内容が似通ってくるようだ。
前半の密度の薄さに「この先大丈夫?」と思ったのだが、後半に行くにつれて内容が濃くなってきてホッとした。特に、テレビクルー登場以降が展開にメリハリが付いて良かった。
チャダを師匠と呼ぶ若者の心のわだかまりを解き放つ結末がちょっと薄味だったのが、物足りなく感じた最大の理由も。
「ドドンコ、ドドンコ、鬼が来た!」

「ドドンコ、ドドンコ、鬼が来た!」

椿組

花園神社(東京都)

2017/07/12 (水) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/13 (木) 19:00

数年前に偶然「西瓜糖」という文学座系の演劇ユニットの公演に接してファンになった筆者。2017年は椿組との後y同公演という事だったが、いざ蓋を開けてみると椿組な夏に花園神社で行う野外劇本公演に、合同ではなく協賛という形で参加ということでちょっとさみしい思いが。まぁ、作は秋之桜子だし、演出は松本祐子だし、出演役者に山像かおり、奥山美代子といった西瓜糖の中心的存在の人たちがいるので気を取り直して初めてみる椿組の実力を拝見という心構えで舞台に臨んだ。

ネタバレBOX

貧乏藩の参勤交代用人足不足を補おうと、領内にある隠れ里を探し出した侍達。そこには、侍たちの頭的存在である吉池の行方不明になっていた娘三姉妹が神子として生きていた。侍達の出現が契機となって、隠れ里の住人は外部との交流を考えるようになり、かつて里抜けをして死んだと思われていた穂村とも遭遇し、商人・善野屋が中心となって隠れ里は宿場へ、そして岡場所へと変わっていく。その変わりように里の人たちの心も荒み、自分を見殺し的に扱った穂村の村への復讐の思いも重なって隠れ里の人々のある物は死にゆき、生き残った者の心は荒廃していく。しかし、人々が鬼と呼ぶものが暴れて(おそらく火山活動の一種)里の建物は崩壊し、かつての静けさを取り戻す。

30人を超える出演者、休憩を挟み2時間30分という舞台は熱がこもりなかなかの出来映え。ホール公演ではないので、役者は全力で臨まないと観客に演技が伝わらない。その熱意が凄いのだ。ただ、冷静に観ていくと脚本的にもう少し詳しい事情説明のシーンがほしかったところが何カ所かあって、そうじて荒削りの内容だった。
役者的には女優陣の頑張りが良かった。味のある演技としては、やはり椿組の主・外波山文明が別格の趣。
ドブ恋8

ドブ恋8

女々

千本桜ホール(東京都)

2017/07/04 (火) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/07/08 (土) 14:30

知人・古川奈苗が出演する女々の『ドブ恋8』を観に行った。この『ドブ恋』というのは、恋愛を題材にしたショートストーリーのオムニバス公演で、これまでに既に250作品を上演しているらしい。今回も、13人からなる4チームによる交代制の公演で、1チーム12本のショートストーリーを上演していた。古川奈苗はこのうち「ネズミ」チームに出演している。

ネタバレBOX

12本で上演時間は1時間50分ほどということは、1作品平均10分弱ということか。まぁ、作品の内容から長短はあるが、おおよその目安はそのぐらい。13人全員による作品は、「アローン」という4組のカップルによるスワッピングの話。そのほかは、2~6人での作品が中心。いずれも恋を題材にしたもので、笑える物あり、しんみり物あり、怒り物ありと、その内容は豊富。現実味があって思わず納得してしまったり、こんなこと絶対に無いだろうと思う物まで様々。途中、下着姿による全員でのダンスもあり、そのダンスが全体の総括的な意味合いを表していたような印象。それにしても、恋というものを演じようとすると、まぁ何とそのヴァリエーションが多いことか。好きな先輩になかなか愛を打ち明けられないで困っていたり、友達カップルが自室でセックスを始めようとして困惑する男など、思わず「そうだよなぁ」と思ったりして。古川は、どちらかというと恋愛で男に泣かされる女の役の印象が強かった。役柄的には異なるが、久野みずき、三浦あくり、三村伊吹の演技もなかなか。男性陣では、白土良介とデビが面白い味を出していた。
たまにはショートストーリーを観るのも楽しめて良い。作品の一部は、出演者によるものでもあった。

なお、劇場で知人の役者・事務所社長の麻生敬太郎氏と遭遇。彼も、古川の芝居も観に来たとのこと。終演後、コーヒーショップで観劇談義でしばし過ごした。
普通

普通

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/02 (日) 14:00

2日午後、新宿のサンモールスタジオで上演中の劇団時間制作第14回公演『普通』のBチーム公演を観に行った。この劇団は毎回考えさせされるテーマを選んで上演するので欠かさず観るようになった団体。今回、Bチームには知人の高坂汐里が出演している。

ネタバレBOX

先にも触れたが、この劇団の上演演目のテーマは毎回重く、それを観客に見せていく過程も重い。これだけ重いと普通は観たくなくなってくるのだが、それが不思議と舞台の進行に観客はのめり込んでいき涙を流す。いやぁ、これは凄い事なのだ。脚本の谷、恐るべし。
今回のテーマも普通。その普通というテーマを浮かび上がらせるために使ったのが、姉弟妹の高木3兄弟の末娘が殺され、時効まであとわずかという状況設定。残された姉弟にとって、今現在、そして時効後、普通の生活は訪れるのだろうか。母親のやっていたスナック虹の従業員たちにとっての普通とは? 店出入りの酒屋で実は殺人犯の普通とは? 高木弟が周りの人々に問い詰める「教えてくれよ、普通って何なんだよ!」という言葉が、観る者の心に突き刺さる。
知人・高坂はスナック虹の雑用係役で出演。彼女の存在が舞台進行上に果たす役割が若干曖昧だったのが残念。これは、役者力と言うより脚本側の問題だろう。
演じ手としては、いつも張り切りすぎて空回り気味の田名瀬偉年(高木弟役)が今回は秀逸だったし、フォンチー(高木姉役)、高木弟の恋人でスナック虹従業員橋爪役の武井麻紀、酒屋で犯人役の熊野隆宏の熱演が目を引いた。

この劇団、欠かさず観たい。脚本の谷、もう少し洗練された脚本が書けるようになれば、鶴屋南北賞も夢では無いだろう。
月経ファンタスティック

月経ファンタスティック

美貴ヲの劇

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/06/29 (木) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/07/01 (土) 21:00

1日夜、新宿のスペース梟門で上演された美貴ヲの劇公演『月経ファンタスティック』のアダルトヴァージョンを観てきた。思えば、1年前に『ブス土』を観て以来この劇団の動きが気になっていた。今回も、月経をタイトルに付けるなかなか過激な舞台のようで、期待して出かけたのだった。

舞台は、とある会社に勤める三十路の男女の恋愛物語を核に、その女性が実は月から来たカグヤだったり、男が成り行きで生きている半端感丸出しだったり、月経ちゃんが女性達の前に現れて月経をスタートさせる意味を暗示したり。と書いて思うのは、劇の内容というか進行の仕方は1年前の『ブス土』と同じような手法なのだが、言いたいことが観客に十分の伝わってくという構成では無かったのが残念。
それと、どこがアダルトヴァージョンなのかが曖昧でもあった。
劇から何かが伝わってきたかと言えば伝わってこなかったし、面白かったと問われれば、特に面白いわけでもなかった。脚本的に内容が中途半端だったように思えてならない。

腰巻おぼろ 妖鯨篇

腰巻おぼろ 妖鯨篇

新宿梁山泊

花園神社(東京都)

2017/06/17 (土) ~ 2017/06/26 (月)公演終了

満足度★★★★

19日、新宿花園神社境内特設紫テントで上演された、新宿梁山泊第60回公演『腰巻きおぼろー妖鯨篇』を観てきた。

唐十郎作、金守珍演出という、アングラ色の濃い舞台となることは予想済み。

ネタバレBOX

舞台は、捕鯨船のモリ撃ち破里夫の遺品のゴム長靴を、彼の彼女(妻?)であるおぼろに渡すため、彼女を探し、探し当ててからは一緒に生活を営むようになったガマという少年の波瀾万丈な生き様に、元船長であり今は占い師の千里眼やヤクザなどが絡み合ってくる複雑というかドタバタ的というか、かといって物語の中心線は崩れない不思議な作品だった。

主演のおぼろを演じた水嶋カンナ、ガマを演じた申大樹の熱演が光っていたが、大鶴義丹や大久保鷹の存在感、6人の女達の活躍が印象的でもあった。
終演間際では、恒例の水を使った演出(6人の女たちは人魚となり、おぼろは海に入っていくというもの)はなかなかの盛り上がりよう。
いやぁ、この団体の舞台感想は、本当に書きにくい。あまりにも内容がてんこ盛りで、どこをどう取り上げてよいのか混乱してしまうからだ。
笑いの要素も交え、休憩を挟んだ3時間30分の大作にどっぷりと見入った夜であった。

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