普通 公演情報 劇団時間制作「普通」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/07/02 (日) 14:00

    2日午後、新宿のサンモールスタジオで上演中の劇団時間制作第14回公演『普通』のBチーム公演を観に行った。この劇団は毎回考えさせされるテーマを選んで上演するので欠かさず観るようになった団体。今回、Bチームには知人の高坂汐里が出演している。

    ネタバレBOX

    先にも触れたが、この劇団の上演演目のテーマは毎回重く、それを観客に見せていく過程も重い。これだけ重いと普通は観たくなくなってくるのだが、それが不思議と舞台の進行に観客はのめり込んでいき涙を流す。いやぁ、これは凄い事なのだ。脚本の谷、恐るべし。
    今回のテーマも普通。その普通というテーマを浮かび上がらせるために使ったのが、姉弟妹の高木3兄弟の末娘が殺され、時効まであとわずかという状況設定。残された姉弟にとって、今現在、そして時効後、普通の生活は訪れるのだろうか。母親のやっていたスナック虹の従業員たちにとっての普通とは? 店出入りの酒屋で実は殺人犯の普通とは? 高木弟が周りの人々に問い詰める「教えてくれよ、普通って何なんだよ!」という言葉が、観る者の心に突き刺さる。
    知人・高坂はスナック虹の雑用係役で出演。彼女の存在が舞台進行上に果たす役割が若干曖昧だったのが残念。これは、役者力と言うより脚本側の問題だろう。
    演じ手としては、いつも張り切りすぎて空回り気味の田名瀬偉年(高木弟役)が今回は秀逸だったし、フォンチー(高木姉役)、高木弟の恋人でスナック虹従業員橋爪役の武井麻紀、酒屋で犯人役の熊野隆宏の熱演が目を引いた。

    この劇団、欠かさず観たい。脚本の谷、もう少し洗練された脚本が書けるようになれば、鶴屋南北賞も夢では無いだろう。

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    2017/07/05 13:22

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