真っすぐな力
平らな情景から波形が起る様に力が湧いたり引っ込んだりする、それに心地よさと、居心地の悪さを感じた。
もう少しで上手く言葉にできるような気がするのですが、もう少し時間がかかるのかもしれません。
満足度★★★
感想が書けなくて・・・
だいぶ時間がたってしまった。すごくきれいな美術の舞台で、俳優さんたちの演技も上手、文句のつけようもないはずなのに、何か心に響くものを感じられなかった。ああ、きれい、で、おしまい・・・
何度目かの第七劇場の何度目かの「かもめ」
第七劇場の「かもめ」は三重・フランス渡航前のアトリエでの通し稽古など何度か拝見させていただいているのですが、どれも非常に興味深く拝見しました。場によって一長一短あり、というのは確かにそうなのですが、観ていてぜんぜん違う過去の記憶にアクセスすることが出来たり、(アクセスさせられたり)非常に良質な劇場体験を得させてもらいました。第七劇場の「かもめ」間違いなくこのカンパニーのマスターピースだと思います。今後ともより多くの再演、ツアーを期待します。
満足度★★★
前衛的な「かもめ」
「かもめ」自体、読んだことも、また上演を観たのも、大分前のことで、
記憶もかなりあやふやになっているが、公演時間が70分と言うのは、
それにしても短いんだけどなあ、と思いつつ会場へ。
満足度★★★★
洗練
『かもめ』以外のチェーホフ作品も取り込んでスタイリッシュに再構成した作品でした。想像していたよりかは物語に沿った構成でしたが、戯曲あるいはオーソドックスな演出での上演を知っていなければ分かりにくい構成・演出だったと思います。
白いリノリウムの床、大きなテーブルの上に吊り下げられたカモメ、十数脚の椅子、そして下手手前にブランコが設置されたシンプルで美しい舞台を開演前から役者達が舞台上に出ていて、動き回ったり数字を読みあげたり(終幕のロトゲームのシーンからの引用)していて、客電が落ちてからの台詞のやりとりは『6号室』のもので、狂っているのは誰かというテーマが『かもめ』の世界に付加されていて効果的でした。
70分程度の上演時間の中に、コースチャの創作劇のシーン、トリゴーリンの出発前のニーナとの会話のシーンなど有名な場面はしっかり押さえてありました。
最後のコースチャの自殺の場面はピストルを持ってはいるものの、動きや音で撃った表現をしていなくて分かりにくく感じました。
会話の流れとは無関係に繰り返される暴力的な動きが不思議な感じを生みだしていました。皆が裸足の中、医師ドールン1人だけが靴を履いていたのが、色々な解釈を出来そうな興味深い演出でした。
アルカージナを演じた木母千尋さんの女優っぷりが堂に入っていて良かったです。対照的にニーナは低い声で抑揚を付けずに話していたのが印象的でした。
最初と最後近くの音楽にストラヴィンスキーの『春の祭典』が使われていて、春が来る前の荒涼としたロシアをイメージさせ、生贄=かもめ=ニーナを連想させる、面白い選曲でした。開演してからの1曲目、2曲目がストラヴィンスキーの曲だったので、どうせならチェーホフとロシア繋がりということで全曲ストラヴィンスキーにしても面白かったと思います。
トラムで2000円(初めてこの劇団を観る人は1000円)という破格の値段設定や、終演後に食べ物と飲み物が出されて劇団と客がコミュニーケションを取る場を設けたりする活動に、演劇をもっとオープンなものにしたいという姿勢を強く感じられました。
満足度★★★★
2度目の「かもめ」
今年の6月にオクムラ宅の「かもめ」を初観劇。
これを観た後で第七劇場を観てよかった。
アフタートークでも主宰の方が「これだけカットしてよく「かもめ」が残ったな」と言われていたように予備知識がないとちょっとツラい。
自分はギリギリ「かもめ」を感じることができてよかった。
演出の奥の深さと舞台美術の美しさが印象的だった。
満足度★★★★★
内側と外側、外側と内側、それらが絡み合う
消えゆき、重なる台詞。怒濤のようなうねり。
関係性と感情を身体でも表現。
「かもめ」の戯曲自体の懐の深さ、演出家の柔軟性、演劇そのものが持つポテンシャルの高さを改めて感じる。
「かもめ」応用編
本作品は「かもめ」を新たな視点からとらえ、更にチェーホフの他の作品のテイストを散りばめた作りだったようです。「かもめ」応用編と言ったところでしょうか。チェーホフも「かもめ」も彼の他の作品もご存知の方には楽しめるようです。
「かもめ」初見で基本編を期待していた私にとって今回の応用編は大変難解なものでした。私の事前調査不足だったようです。
美術的にはたいへんきれいでしたね。特に高い空から光を浴びて振り落ちる回雪は、終始目を惹かれるものでした。
またポスト・トークはたいへん興味深いものでした。主宰の鳴海さんがホストとなり、ままごと主宰柴幸男さんと「柿喰う客」代表中屋敷法仁さんをゲストに迎えトークが行われました。脚本家としての皆さんの視点は観る側にも参考になります。
満足度★★★
大切な言葉が届きませんでした。
舞台は美しく、音楽も美しく。
ただ同じ動作の繰り返しがあまりにも多すぎ、劇に集中できず、さらに大切にしてほしかった言葉が」聞き取れませんでした。特にトリゴーリンの言葉が・・調子悪かったのかも・・声がひび割れて言葉として耳に届かず。
最初の場面でバイオリンの生演奏があり、期待してたのにその短い演奏だけ。
生の音楽はスピーカーからのどんな素敵な音よりも耳に心地よいのにもっと使って欲しかったな・・・
満足度★★★
かもめ?
チラシが気になっていたのと、はじめて割1,000円だし、時間ができたので観劇。
開場時から舞台上に数名の役者さんが・・・
舞台の雰囲気はチラシで見たとおり。開演前の役者さんたちの動きが、お話に繋がるのかどうかの判断に迷う。
はじめは抽象的であまり好きじゃないかも・・・と思ったけど、途中から激しくぶちまけられる感情に引き込まれていく。
繰り返される動作は、始めに戻ってやり直したいようにも、ただそこから逃れたくてもがいているようにも見えて苦しくなる。
チェーホフのかもめを期待してみると「?」と感じるけど、これはこれで素敵なお話だったし、美しかった。
満足度★★★
芸術的に感じた70分
貴重な第七劇場の公演でありながら、チューホフ特有の恐ろしさと第七劇場特有の精神力がクロスした内容でしたね。舞台美術もなかなかの出来でびっくりしました。
正統的なかもめを知らない人には
たぶん理解不可能。ピカソの描く人物が、もともとの写真を見てからキュビズムで描かれたピカソの人物を見て、ああ、何となく似てるなと感じることが出来るように。美しい美術、深みのある色目の衣装、シンボリックなブランコなど、私はどちらかというとオブジェの中の添え物のような感じでこのお芝居を見ました。何と言うか工芸的な立派な器に盛られた刺身みたいな感じ。声の通らない役者さんが何人かいて、途中でもう聞き覚えのある台詞を拾い上げるのを投げ出した。
こういうのって、観客が既に「かもめ」をよく知っているという前提の下でのみ成り立つお芝居であって、「かもめ」初見の人にはどうなんだろう・・・・。アフタートークでリクリエイトという言葉が何度か出たが、かもめのストーリーの根幹を使ったリメイクというより、好みの枝葉をアレンジしたという感じだ。でもチェホフマニアの人にはたまらないかも??(そんなマニアいるかどうかは不明)
満足度★★★★★
観た後に感想がいっぱいの作品
チェーホフって精神世界だったっけ?音楽と空間芸術、コンテンポラリーダンスのような表現方法、コロス的なセリフ、なんとも不思議な世界を楽しんだ。
ニーナやコースチャが出てくるんだから「かもめ」なのね(笑)ぐらいの認識だとストーリーも受け入れ易いのでは。。。後からチラシをじっくり読むとブランコに象徴される不穏とか黒の衣装で象徴してる支配社会とか、狂気やアイロニーの要因が見えて面白い。劇団初見チケットやリピーターチケットなど、多くの方に安く観て貰いたいという姿勢にも拍手!
満足度★★
かもめプレビュー
舞台そのものは奥行きがよくわかる構成で、背景におかれた木の切り株のオブジェが物語の場面場面の感情的なベースを効果的に演出しているのは大変よかった。
しかし、主役の2人以外の声が通らず内容も感情もよく伝わってこない。
過激な演技は後ろ向きの演技が単純に繰り返され多用されるので想像力が沸いてこない。前向きで2度だけやればそのほうがよい。
ニーナ役の役者は存在感があり、声がよくとおり、演技が伝わってくる。
全体として、せっかくの心理的な演出の舞台が稚拙な説明的な台詞で濁ってしまっているような印象。
型にはまってしまっている感じがあり驚きや感動といった観客の情動を喚起することに失敗している。