正統的なかもめを知らない人には
たぶん理解不可能。ピカソの描く人物が、もともとの写真を見てからキュビズムで描かれたピカソの人物を見て、ああ、何となく似てるなと感じることが出来るように。美しい美術、深みのある色目の衣装、シンボリックなブランコなど、私はどちらかというとオブジェの中の添え物のような感じでこのお芝居を見ました。何と言うか工芸的な立派な器に盛られた刺身みたいな感じ。声の通らない役者さんが何人かいて、途中でもう聞き覚えのある台詞を拾い上げるのを投げ出した。
こういうのって、観客が既に「かもめ」をよく知っているという前提の下でのみ成り立つお芝居であって、「かもめ」初見の人にはどうなんだろう・・・・。アフタートークでリクリエイトという言葉が何度か出たが、かもめのストーリーの根幹を使ったリメイクというより、好みの枝葉をアレンジしたという感じだ。でもチェホフマニアの人にはたまらないかも??(そんなマニアいるかどうかは不明)