1999の恋人

NICE STALKER（東京都）

公演に携わっているメンバー：10人

団体紹介

劇作家イトウシンタロウを主宰とする「個性的な女子」をフィーチャーした作品制作を行う創作団体です。公演毎に、最新のWEBやIT、プログラミング技術を駆使した、デジタル・ネイティブ世代の肌感覚に沿う「オンラインの身体」的実感を舞台上に再現しています。

上演中、観客のスマホによる電子投票でリアルタイムにストーリーが分岐するシステムを、フルスクラッチのプログラミングで内製した「神様の言うとおり2」では、投票権100倍をウリにした「100万円チケット」等の企画性が話題となり、複数の雑誌・WEBメディアで取りあげられました。

2015年「ロリコンのすべて」では佐藤佐吉演劇賞にて「脚本賞」など参加団体最多となる6部門を受賞。扇情的なタイトルとは裏腹な"「表現の自由」の背後にある「芸術」と「邪悪さ」の歴史的な呪術性"というテーマが評価され、「演劇ぶっく」誌上でもカラー4ページの特集記事が組まれる等反響を呼びました。

応募公演への意気込み

日本中で「世界の終わり」が流行っていた1999年を遠景とし、複数の恋人たちの様々な選択を近景に並べ、「個人の死」と「社会的な滅び」の間にある生の実感の不確実さと、2000年代の"インターネット的"な「終わらない日常」の空気の発生源を、もう一度突き止めるような作品を上演したいと考えています。

あれだけ流行した「ノストラダムスの大予言」も「恐怖の大王」も、黒歴史として無かった事になっている2017年現在ですが、一定の年齢以上の大人なら、ある種の期待をもって迎えたあの奇妙な一年の、無意味な熱狂を覚えているはずです。

「完全あて書き」と呼ばれる、録音と撮影を駆使した手法を台本執筆に取り入れ、出演者（特に女優）に対する執拗かつ徹底した観察とインタビューを行い、それらの要素を組み上げながら、"あの頃"の恋人たちの物語を駅前劇場に現出させたいと思っています！

将来のビジョン

カンパニーのメンバーのうち何人が生涯演劇を続けるかわかりませんが、「昔、小劇場演劇をやっていたんだよ」と、ある程度胸を張って言える規模の興行を、一定の期間打てる劇団になる…というのが卑近ですが、最初の目標です。

（具体的には、下北沢本多劇場クラスの劇場での公演を目指して、4カ年の公演計画を制作と立てました。）

カンパニーとしての長期的な目標は、演劇を「する」側の人間を一人でも増やしていくための、ワークショップや小品の作品を継続して上演し続けられる「場」の創立です。現在、東京都内と山梨県内の高校の演劇部や、企業の研修等をまわるワークショップ活動を定期的に行っています。

上演作品制作とワークショップ活動の両輪を持続可能な体制で回していくために、まずは、経済的基盤、人的基盤、そして作品の強度を高める事に向こう数年を使っていく予定です。