『あゆみ』『TATAMI』

劇団しようよ（東京都）

公演に携わっているメンバー：12人

団体紹介

2011 年、作家・演出家の大原渉平と、ミュージシャンの吉見拓哉によって旗揚げ。物語性を重視した戯曲と、想像力を喚起して時空間を超える演出、劇伴音楽の生演奏などが特徴。劇場公演だけでなく、路上パフォーマンスなども実施。京都を拠点に、東京や北九州など各地での上演も勢力的に行う。
2015年「第6回せんがわ劇場演劇コンクール」でオーディエンス賞受賞。同年よりアトリエ劇研創造サポートカンパニー。2012年よりKAIKAでの創作・公演を始め、2016年よりKAIKAアソシエイトカンパニーとして活動する。
代表の大原は、自劇団や外部公演で作・演出を手がけるほか、俳優としても活動する。小中学校でのコミュニケーションワークショップ講師なども従事。2013〜2015年度、試演会企画「gate」のディレクターを務め、2015年度はKAIKAの年間ラインナップ選定に携わるなど、創造環境・観劇環境の整備にも取り組む。

応募公演への意気込み

温泉に浸かって体に思いを巡らせるように。世界遺産を目の当たりにしてその姿に圧倒されるように。劇場に行くことで、そこに立ち上がる情景に観客は自らを重ね合わせ、人が生きてきた時間の中に旅するような体験ができると思っている。柴幸男さんの戯曲には、人が生きてきた中での触れてきた些細な事に向けられた眼差しの美しさを感じる。
今回は、『あゆみ』『TATAMI』というふたつの戯曲を用いて、まもなく閉館するアトリエ劇研という背景を前にして、未来のために残された”いま”という時間をあらためて感じる上演にしたい。もちろん片方しか見れない方にも楽しんでいただける作品にするつもりである。
新しいことに挑戦するというより、これまでの成果発表のような気持ちで、自分たちが大事にしてきたものをしっかり見せ、それを評価してくれる人と出会う公演にしたい。自分たちの信じてきた舞台芸術に対する期待をこめた企画にしたいと考えている。

※今回の「舞台芸術まつり」の審査対象作品は、『あゆみ』でお願いします。

将来のビジョン

劇団しようよは、日本を代表する舞台芸術作品の創り手の一つとなりたいと考えている。これからも京都を本拠地に活動していくと同時に、どの地域でも通じる作品を創り、各地に発表の拠点をつくっていきたい。
年に１本ずつ、他者の戯曲を用いた創作への取り組みと、オリジナル作品の上演を行う、というサイクルで、現代が要求する舞台芸術／時間／空間の探求を試みる。
また、再演という行為こそ重要であると考えている。一度上演した作品を、技術としての質の向上に加え、社会の変化にどう作品が共鳴・変化・連動するのかを見極める作業を経て、多くの方に劇団しようよの作品を紹介したいと考えている。2018年度は、これまでの劇団の代表作である『パフ』を全国各地で上演したいとツアーを計画中である。
さらに将来的には、自劇団が先陣を切りながら、同時に、多くの価値ある舞台芸術の存在を世に広める活動にも携わっていきたいと考えている。