★★東京初上陸

おめでとうございます。
東京の会場なのに、今まで一度も行ったことのない場所での公演だったため、なんだか妙な気分になりました。
70分。

★★★女優

女二人、微妙なアンバランスさが、面白い取り合わせでした。
底力のある女優っぷりが伝わってきました。

★★やりたいことがわかるだけに。

東京初上陸という同劇団。開演前の”赤字”アナウンスに笑いながらも、観る側もなぜか気合いが入ってしまいました(笑)。カフェ公演だったので、勝手にポップな内容を想像していたのですが、フタを開けてみると真逆?な内容で驚きでした。

★★★謎に引き込む女優2人の腕力

 会場は地下の小さなカフェで、舞台は小さなダイニングと併設されたキッチン。実際に料理をして食べるシーンもあります。東京、大阪、福岡の3都市を2人芝居でまわるカフェ・ツアーなんて、いいアイデアだと思いました。

 両親が死んでから7年間2人きりで生活してきた姉妹が、キューピー人形の姿をした“神様”に導かれて過去を回想していきます。登場人物は“美しい女(三坂恵美)と不細工な女(中村雪絵)”(←当日パンフレットではっきりと役名紹介。どちらが姉でどちらが妹かは明記なし)。片方が人間ではないかもしれないという意外な展開から、さらにそれをも覆す事実が現れます。

 チラシの第一印象からきっとコメディなのだろうと思っていたら、全くそうではなく・・・これは残念でした。でも、予想外の出来事が次々に起こって、目の前の人物が誰なのかがわからなくなり、小さな食卓に漂う空気がドラスティックに変わっていく感覚は、とても演劇的で面白かったです。
 女優さんも堂々とした演技を見せてくださいました。歌うシーンでは、お2人ともお腹からしっかり声が出ていてお上手でした。

 チケットが飛行機の切符のデザインになっており、開演前におしぼりを手渡しでもらったり。これからフライトをする気分を素敵に演出してくださいました。

★★★★二人の女優魂を見た。

 私も前の人の意見と似ている。劇団名、タイトル、そして何より強烈なチラシのイメージ等から、とびきりのコメディを見せてくれる劇団だとかってに勘違いしていた。

 その先入観が抜けるまでに若干時間を要した。その先入観を除けば質の高い二人の姉妹の心理劇である。あたかも寺山修二の初期の作品を見ているような感じだった。実際に料理を作り、その料理を食べながら、夢の中と現実とが次から次へと交差し、物語は進行していく。

 幻想的な芝居だ。狭い空間をうまく生かし、女優二人だけで独特の世界を見事に作り上げた。 

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