★★★両バージョン

共に観賞しました。
6番シードは、昨年の「VOICE ACTOR」以来2度目。
15年続けているのに観客席と舞台上に馴れ合いの雰囲気がないのがとても気持ちよい。
登場人物も、どんなに個性が強くても出オチみたいな使い方をせずに、ちゃんと役を担わせている。
だから上演時間も2時間10分になってしまうのでしょうが。

★★★両バージョン鑑賞

BOYS・GIRLSの両方を鑑賞させていただきました。
ワンシチューエーションの群像劇、しかも同性ばかりの役者、ということで、
どうしても高くなるハードルにも果敢に挑まれていたように感じます。
16年目ということで、浮き足立たない、確かなチカラがありました。

★★★ワンシチュエーションの難しさ

BOYSとGIRLSの2バージョンで上演された本作だが、時間の都合でGIRLSしか観られなかったのが残念。


ある事件の容疑者となった日本人女性9人。彼女たちが監獄の中で繰り広げる犯人探しを、スリリングな展開と細やかな演出でエンターテインメント性の高いものに仕上げていた。


監獄というワンシチュエーション、ほぼ出ずっぱりの役者、謎解きのために張られた数々の伏線、意外な結末……。
よく観る・聞く感じかと思うかもしれないが、これらの要素(それもある一定以上のレベルのもの)をまんべんなく盛り込み、2時間近く観客を惹き付けるためには、かなりの筆力と演出力が必要となる。なので、「よく挑戦したなぁ」というのが観る前の感想だった。

★★★劇団ファンに向けたサービスが充実

 アメリカ、カンザス州にある小さな町の留置所に入れられた、9人の日本人のお話。犯人探しのエンターテインメント推理劇でした。客席前列まで張り出した具象美術は、高さもあってしっかりしたものです。

 役者さんは、「こんな場合、この人はこうするだろう」と想像して作り出した、架空のしゃべり方をなぞる(真似する)ような演技をされているように見えました。どこにもいない誰かの皮を被ったような演技を見ても、フィクションの中に浸ることはできず。外側から物語がどういう方向に進むのかを眺めていました。

 4/22(水)マチネ終演後のスペシャルイベントでは、作・演出の松本陽一さんの司会のもと、BOYS版、GIRLS版両方の出演者が全員登場。BOYS版を観た観客へのGIRLS版の紹介や、公演DVDなどの宣伝も兼ねたもので、ファン向けの企画のようでした。「CoRich舞台芸術まつり!2009春」のことも紹介してくださっていました。※クチコミにも丁寧にコメントをくださって、ありがとうございます。

 無料配布の当日パンフレットはA3サイズのフルカラー。ファンクラブ会員募集やDVD、写真集(なんと8000円!)の販売なども充実しています。
 開演15分前から舞台上で役者さんがトークをされていました。WEB上で行っていることをライブでもやるという企画で、観客へのサービスおよび宣伝をがんばっているのが伝わってきました。

★★★★★両バージョンとも見応えあり!

 ガールズ編・ボーイズ編、両方を見せてもらった。こういう機会でもなければ同じ芝居を男性バージョン、女性バージョンで見ることなどないだろうが、両方見て、片方だけ見るよりさらに芝居が面白くなった。

 同じストーリーを2回見るのだから、飽きるのではないかと思ったが逆である。同じシーンを男優陣が演じるのとと女優陣が演じるのでは全くニュアンスが違ってくるのである。新しい芝居の楽しみ方を提供してもらったような気がする。しかもラストシーンをガールズ編とボーイズ編で全く別物にしてあり、その点でも演出家のしたたかさを感じる。

 もちろん一本だけの芝居としても秀逸。細部まで練られた見応えのある作品である。

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