
闇に咲く花
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2023/08/04 (金) ~ 2023/08/30 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
こまつ座の「闇に咲く花」は七演目という。僕にとっては、初演のテレビ放送を見て、初めて井上ひさし劇に目覚めた、エポックメーキングな作品。99年の再再演の時には、井上ひさしに初めて取材することができた。そういう点でも思い出深い。おみくじで次々大吉が出るくだりが、涙と笑いで大傑作である。作者は「ああいうことはいくらでも書けちゃうんだよね」と、こともなげにおっしゃっていた。ウーム、天才の天才たるゆえんである。
今回は、11年ぶりだそうだが、神主の牛木公麿が、亡くなった辻萬長から山西淳にバトンタッチ。松下洸平といい、おめん工場の戦争未亡人5人(4人と記憶していたら、5人もいた!)といい、世代変わりが顕著。でも、変わらぬいい舞台を作っていたと思う。数えてみれば、13人も出るので、こまつ座としては大掛かりな芝居である。5人の戦争未亡人のアンサンブルが面白いのだけれど、人数が多いので、それぞれの人生が一筆書きにとどまるのが玉に瑕か。
ギター弾きの加藤さんのそこはかとない旋律が、乾いた切なさをかもしていい。実は初演からずっと同じひとだという。演者によって変わりそうなアドリブ的な弾き方なのに、道理で、毎回同じ音色に聞こえたわけだ。水村直也さん、お疲れ様です。応援してます。
遅ればせながら気づいたことは、健太郎の記憶喪失と、日本人の戦争協力の忘れっぽさとが重ねられていること。「忘れちゃだめだ、忘れたふりはなおいけない」という健太郎のセリフが、最後、ブーメランのように返ってくるのは、残酷である。この残酷さには初めて思い至った。
3時間5分(休憩20分)と井上戯曲らしく長いが、どこもゆるみがない。後半の4場、捨て子の里親探しの下りが少々長く感じるが、これも物語のリアリティーを丁寧に積み上げていくための重要な場面なので、簡単に削ればいいとも言えない。さすがである。蜷川幸雄の公演のために、後年かなり作者自らカットした「天保十二年のシェイクスピア」とは、円熟度が違う。

こんにちは、母さん
義庵
調布市文化会館たづくり・くすのきホール(東京都)
2023/07/26 (水) ~ 2023/07/31 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
新国立で初演を見たのは22年前ということになる。いい戯曲であることはすでに折り紙付き。
今回見て、父の戦争体験、母の戦争体験が要所要所に、短くではあるが深く描かれていて、びっくりした。母の新しい恋人も、戦争で死んだ兄の悔いから決意した若き日のことを語る。そのくだりが、「昭夫さん、あなたもね、もっと朗らかに生きた方がいい」とつづき、一番聞かせるセリフになっている。
老いた母の恋に戸惑う息子の話、とばかり思っていて、全然忘れていた。考えてみれば、この初演の頃の老母、老父は戦争体験者だったのだ。当時、記憶に残らないのは、メインストーリーから見れば枝葉のエピソードだからだろう。でも、今戦争体験に目が向くのは、見る目が熟したせいか、ホームドラマに戦争体験が出ることが珍しくなったせいか。
息子がリストラ担当で、それに首にされた同僚(伊原豊)が、芝居のよきカンフル剤として配されているのも忘れていた。面白かった。
生の芝居だからこそ、誇張や、頓珍漢なやり取りでコメディーになるが、映画ではこうはいかないだろう。まして主役が吉永小百合では。映画もいいという話だが、舞台には舞台ならではの変わらぬ値打ちがある。
俳優はみな好演。その中では、戦争体験者を自然体で演じた一柳みる(福江、母)と山崎清介(直ちゃん、恋人)が、舞台をきっちりと成り立たせる要の役をよく果たしていた。

ゴメラの逆襲・大阪万博危機一髪
笑の内閣
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2023/08/03 (木) ~ 2023/08/07 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
分かる人には、大変面白いお芝居でした。
おふざけの中にも本音が有ったり、ほんまこれでいいのか?大阪人と感じました。
楽しんでもらう所は大満足です。
髭だるマン、さすがやね。
お芝居観られてありがとう。

これから生まれてくる子供たちのために
共通舞台
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2023/08/05 (土) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
満足度★★★
前回のシェークスピアが良かっただけに、今回は不完全燃焼
言いたいことは分かるのだが、それを今回のように表現する必要性が…
ちょうど今やっている映画 君たちはどう生きるか❔ にも通じることがあるが、座敷童子を持ち出す必要があったのか…
Tシャツデザインは良かった‼️二千円ぐらいなら買うたけど🎵

舞台 吸血鬼すぐ死ぬ
マーベラス
天王洲 銀河劇場(東京都)
2023/06/02 (金) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★★
アナログの砂演出、とても好き〜!!原作漫画でモノローグのシステムをギャグとして使った回がとても好きなのですが、あれの舞台版のような、物理的な舞台の上に立ったことをギャグとしてフル活用するシンヨコの面々を見ているようでとても楽しかったです。「舞台の私は歌が上手いぞ!」も大好き!キャストに男性も女性もいるところがとても…好きですね…男女混声は良い…

ダーウィン・ヤング 悪の起源
東宝
シアタークリエ(東京都)
2023/06/07 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
末満さんの演出と大熊さんの振付だぁ!となって見に行きました。末満さんの演出と大熊さんの振付だ〜…!布や紐を使った視覚的・伏線的クライマックスのあとに、キャストの歌唱力に全振りした歌的クライマックスがくるところ、とても好きです

Call me Connect you〜交渉人遠山弥生〜
劇団6番シード
六行会ホール(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
緊迫感のあるオープニングから始まって、主人公が登場するシーンがとても好き!!コメディとして面白くミステリーとして面白く、どのキャラが喋っていてもうんうんと聞いてしまうからかあのお話で説教感が全然ないのがとても好きです。あのおばあちゃんとどこかのスーパーですれ違うかもしれないな…みたいな親しみと共に帰りました。

6人の悩める観客
壱劇屋
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2023/03/03 (金) ~ 2023/03/05 (日)公演終了
実演鑑賞
ずーーっと変な話なのに最終的な食感をエンタメにしてくれるところがやっぱり好きだ壱劇屋さん!本当に「5分押し」で始まるところや奇妙な前説から始まり、見終わってからも自分の現在地がふっと分からなくなってしまうような…でもキャラクターたちは最後に舞台へ帰って行ったのであくまでこちら側とあちら側はちゃんと線引きがされていて恐怖はない、その塩梅が好きです。

禺伝 矛盾源氏物語
舞台『刀剣乱舞』製作委員会
Kanadevia Hall(東京都)
2023/02/04 (土) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
映像鑑賞
布の演出がとにかく好きです 物語を持った(物語に依存した・利用した)存在が物語の中に入り込む、という物語を見ている我々、という入れ子が好き

沸騰!予算会議
レプロエンタテインメント
浅草九劇(東京都)
2023/07/06 (木) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/08 (土) 13:00
ナイゲンや廃刀令など、会議ものの傑作を作り出してる作・演出家による、これまた面白い会議もの。最後の最後で計算ちがいが判明して(最後はかなりヤケクソだったので、計算ミスをやらかしてそうで心配でした)、全員で大爆発という結末も、今後の作品としていかがでしょうか。

愛について語るときは静かにしてくれ
コンプソンズ
OFF・OFFシアター(東京都)
2023/08/02 (水) ~ 2023/08/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/08/03 (木) 19:00
なかなか面白い現代文明批評になってました。時々、お芝居を見に来る下北沢があんなふうになっちゃってるなんて! いつもより笑いが多かった気がします。細かいギャグにも敏感に反応することの出来る、この劇団にとってピッタリのファンを徐々に獲得出来てるんじゃないでしょうか。

二ヴァンテ「ライトな兄弟」
CAT-A-TAC
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2023/08/05 (土) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
親子限定桟敷シートというものが今回舞台前参列ぐらいあり、小さい子どもも見れる舞台でした。
ただ子ども番組のイベントより、1時間半
大人が普通にみる舞台なのに小さいお子様たち飽きる子も少なく子どもたちにとっても楽しい何かが散らばっていたのかなって思いました!
コンドルズのメンバーで池袋 にゅー盆踊りの講師でコロナ前藤田善宏さんがして下さって、藤田さんのダンスをみるようになりました。
コロナで4年振りくらいの藤田さんのライトな兄弟観劇出来て嬉しかったです。
今回、出演されていた声優の野島健児さんの声が本当素敵で、宜野座伸元(PSYCHO-PASS サイコパス)で有名な方だけに声が本当に聞いていて良かったです。

犬の刺客2023
友池創作プロジェクト
駅前劇場(東京都)
2023/08/01 (火) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
コンビの解散に記者が切り込む中に色々な仕掛けを入れたりして笑いを生んでいた。こういう方向の笑いを舞台で見た事はなかった。お笑い好きなら楽しめる舞台。

六英花 朽葉
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2023/08/05 (土) ~ 2023/08/09 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
昭和モダンの初日を観劇。すごく良かった。
自分が生まれた時は映画は今の形だったが、男だけでなく女も役者をやるようになったり、トーキー映画が登場したりする中で役目を終える人々の生き様に心を打たれた。中野亜美さんが凄い。

Boys×Voice 308
神戸セーラーボーイズ製作委員会
AiiA 2.5 Theater Kobe(兵庫県)
2023/08/04 (金) ~ 2023/08/06 (日)公演終了

幻灯の星たち
春匠
神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)
2023/08/04 (金) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ヤスさんがむちゃくちゃ良かった!
園岡新太郎さんの声が好き
春田さんをあの距離で見られるって
むちゃくちゃ贅沢
次回作も観たい!!

KOTODAMA
演劇Lab.シェノナリウム
新宿ファンタジーホール(東京都)
2023/08/05 (土) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
#シェノナリウム
#コトダマ
コアなファンと演劇仲間に支えられた公演のようだ。Twitterで「演劇Lab.シェノナリウム」は小さな幸せを紡ぐ場所、そんな意味を込めている とある。そして会場が新宿ファンタジーホール。因みに 施設の正式名称は「新宿44(しあわせ)FANTASYタワー」で、「44」は四谷四丁目の略で、四と四を合わせるとかけて「しあわせ」と読むらしい。プロローグ公演<第0回公演>を なんてシャレた場所で上演することだろう。
タイトル 「KOTODAMA」は<言霊>のことであり、舞台人らしい物語を紡ぐ。が、物語の雰囲気は表現されているが、描いている内容が表層的で 深みが感じられないのが残念だ。
(本編45分 アフタートーク15分 計1時間)

月の鏡にうつる聲
おぼんろ
Mixalive TOKYO・Theater Mixa(東京都)
2023/08/04 (金) ~ 2023/08/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
「桃太郎伝説」という歴史ロマン、それを壮大な幻想劇として描く。その〈滅亡と再生の美学〉に酔いしれる。今まで観てきた おぼんろ公演の中では一番世界観が はっきりしており分かり易い。
桃太郎と温羅(うら)の出会いと別れが、こんなにも美しく哀しい物語へ昇華する。時の権力者の思惑に翻弄される住民たち、それは時代を超えても…。「戦争の風潮が世界に影を落とす2023年、大幅な改稿と新たな演出で幕を開ける」は、まさに 時勢を捉えたと言えるだろう。見応え十分。
(上演時間2時間25分 途中休憩なし)追記予定

犬の刺客2023
友池創作プロジェクト
駅前劇場(東京都)
2023/08/01 (火) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
男性バージョンを観劇。前説で友池さんが盛り上げてくれて楽しい気分のまま本編へ。
どんなに一生懸命にやっても中々結果が出せないやるせなさや方向性の違いでの解散そして・・・
マネージャー?の女性の切なさがとても良かったです。

オイ!
小松台東
ザ・スズナリ(東京都)
2023/08/03 (木) ~ 2023/08/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
久々の感がある小松台東(と言っても一公演見逃したくらい?)。開幕、暗がりで登場人物らが出入りし、動いている意味深な断片があり、やがて明転して六畳間ほどの座敷。オープニングのMはちょっとフォークで生ギターにメロディが「珠」をイメージさせるシンセ音(ハモニカとビブラフォンの相の子のような)で爽やかな青春物なのか「敢えて」の引っ掛けなのか・・という微妙なラインの出だしにまず満足。黒い制服を着た男ら4名。セーラー服の女子2人と私服が一人、オヤジが一人。
高校生らしさを演じる面白さ、関係性が徐々に見えてくる面白さ。表情の奥に何かが潜んでいる風情が、ちょうどいい。
彼ら高校生の頭上には「将来」という重しがのしかかっている。そんな中にも男女の出会いはあり、地方の町ならではの「地元にとどまるか都会に出るか」を巡る悩みがあり、なりたい職業と家庭の事情との葛藤がある。そうした青春期の鬱屈には青春期ならではの昇華の方法があり、不安の雲が垂れこめる未来であっても「未来」は彼らのもの。・・カラオケで熱唱する男らの歌をBGMに冒頭見せた動きとは異なるそれぞれ動き方・居方で群像を表わす。懐かしさに胸がざわつく。
人生讃歌と言って良い作品だが、個々人の実在感がこの作品世界を支えている。中でも小椋氏はモダンでは見ない、寡黙で時折言葉を選んで喋るキャラに終始説得力がある。それがラストに繋がっている。他、キャラにあった俳優面々の佇まいがオイシイ。