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旅するワーニャおじさん

旅するワーニャおじさん

パンケーキの会

下北沢駅前劇場(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/04/16 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

韓国のユン・ソンホの“現代韓国版ワーニャ伯父さん”だという『寂しい人・苦しい人・悲しい人』。人物の配置や展開などに「ワーニャ伯父さん」を感じさせるが、何だか90年代半ばの台湾映画を観ているような印象の舞台。約130分。

ネタバレBOX

交互上演の『ワーニャおじさん』と同じギターが使われるが、現代劇のこちらでは違和感なし。向かい合った客席に、『ワーニャおじさん』ほど居眠り客が目立たなかったのもありがたかった。
旅するワーニャおじさん

旅するワーニャおじさん

パンケーキの会

下北沢駅前劇場(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/04/16 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

『寂しい人、苦しい人、悲しい人』

凄く脚本は好きなテイスト、作家(ユン・ソンホ氏)は映画として書いたんだろう。やりたいこと、伝えたいことはよく判る。だが演劇となるとまた少し改変が必要。そもそもの媒体の仕組みの違い。テーマは「大人のモラトリアム」。自己決定を遅らせて時間稼ぎをしたところで同じこと。痛みは同じだけついて回る。
天井に吊るされた二本の蛍光灯が意味ありげに点滅を繰り返す演出。やしゃごの『きゃんと、すたんどみー、なう。』でも使っていた手法。基本、酒飲んでグダる描写が続くので真面目に仕事に励む虚しさも欲しい。ソジュ(韓国焼酎)の緑の小瓶で人気のチャミスル、ピーチ味。やたら皆飲む。中身は水だとしてもかなりの量になる。

舞台は現代の韓国、2018年ソウル。硬派な言論が売りの雑誌『時代批評』、売り上げがヤバく梃入れで新編集長(西本泰輔氏)が赴任。この雑誌に人生を捧げているチーム長〈デスク〉(平吹敦史氏)は不満気。編集長はグラフィックデザイナーの美女(金聖香 〈キム・ソンヒャン〉さん)を秘書のように帯同させている。チーム長の古くからの友人、大学院で哲学を学ぶ研究員(荒井志郎氏)がいつものように顔を出す。

自分的には『ワーニャ伯父さん』風味はゼロ。言われなきゃ気付かないだろう。
ワーニャ(捨て鉢の主人公) チーム長(平吹敦史氏)
アーストロフ(医師) 先生(荒井志郎氏)
ソーニャ(医師に恋する) 編集者(西村由花さん)
セレブリャーコフ(大学教授) 編集長(西本泰輔氏)
エレーナ(後妻) デザイナー(金聖香 〈キム・ソンヒャン〉さん)

経理の佐乃美千子さんは髪型を変えただけでガラッと印象が変わる。美人は得だな。舌っ足らずの甘い声は声優向き。
金聖香 (キム・ソンヒャン)さんがえらく美しい。藤村志保の生き写し、目を奪われる。
西村由花さんは初代タイガーマスク(佐山タイガー)のイラスト・トレーナーを愛用。
平吹敦史氏の靴下が破れていたのは狙いか。
西本泰輔氏の吹くシャポン玉。

荒井志郎氏がトニー・レオン顔なので、ウォン・カーウァイの『花様年華』や『2046』の雰囲気。(大好きな映画だったが全くと言っていい程内容は覚えていない)。

荒井志郎氏、平吹敦史氏、佐乃美千子さん、金聖香さん4人でクラブのようなBARのような店で飲む場面、店内に掛かっているフュージョン曲が良かった。

ゆっくりと滅んでいく時代の中で取り残されたような気持ちになる者達。チャールズ・ダーウィンは「最も時代の変化に敏感なものだけが生き残る」と記した。生き残れないと知った連中がふと失くしてしまったもののことを思い返すような日暮れ時。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

話自体に目新しさはないのだから、時系列をシャッフルすべき。同じようなシーンが並列された印象。場面転換のアイディアが欲しい。居眠り客は多かった。
ラストは『天国の口、終りの楽園。』みたいにバサッと切っても良かったと思う。

※ミラーボールが光を乱反射。
そして下北沢で我々は

そして下北沢で我々は

片岡自動車工業

ACT cafe(大阪府)

2025/04/11 (金) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

東京公演以来の観劇です。更にパワーアップした印象でした。舞台人の悲喜交々を全体の流れと各々のショートエピソードを繋いでいく形、舞台人の悩み、嫉み、喜びをパワフルにコミカルに表現した怒涛の約90分、役者さんたちの弾ける笑顔にたくさん元気を貰いました。確か各々のエピソードは実体験が元になってるいると聞いたので、キャストさんに重ね合わせてより没入できました。

そして下北沢で我々は

そして下北沢で我々は

片岡自動車工業

ACT cafe(大阪府)

2025/04/11 (金) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

演劇人あるあるがリアルに描かれていて、これドキュメンタリーではと思える箇所が数々ですが、万人に当てはまるポジティブな言葉も沢山聴け、弾ける皆さんの姿に元気もらえ、ハッピーになれる舞台でした😀
昼夜観ましたが、微妙に面白さが変化し、何回観ても楽しめます🥳こぼれ話も3種類が回替わりで楽しみ😀
あと3回観に行きます🤗

大串枠子の日常

大串枠子の日常

ふくふくや

OFF・OFFシアター(東京都)

2025/04/11 (金) ~ 2025/04/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

4/11観劇

零れ落ちて、朝

零れ落ちて、朝

世界劇団

三重県文化会館(三重県)

2025/04/12 (土) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

頭が痺れる観劇体験。
俳優さんの体を通して突きつけられる言葉たちにひたすら息を詰め、見入りました。

そして下北沢で我々は

そして下北沢で我々は

片岡自動車工業

ACT cafe(大阪府)

2025/04/11 (金) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

舞台ではあるけれど
舞台人のノンフィクションと思われるような
終始笑いがあるにも関わらず熱い想いが伝わってくるものでした
アドリブも一部あり何回も観劇したい作品でした

そして下北沢で我々は

そして下北沢で我々は

片岡自動車工業

ACT cafe(大阪府)

2025/04/11 (金) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めちゃめちゃ楽しかったです!
エネルギーがすごくてポップで、たくさん笑ってたくさん元気を貰えて、全員主役で全員可愛くて全員かっこよくて、等身大かのかな思われるセリフややり取りは私の知らない世界なので新鮮で、最後はそんな皆さんがとても尊くて眩しくて思わず涙腺にきました。
このお芝居を間近で観て浴びることができ、観劇できて本当に良かったです!

龍と虎狼ーepisode SOUJI-

龍と虎狼ーepisode SOUJI-

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/11 (金) 19:00

狭い舞台での殺陣は迫力あり、最高!

なんかの味

なんかの味

ムシラセ

OFF・OFFシアター(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千穐楽 行ってきました🍀

初日から 完成度の高い 舞台でしたが
連日 大盛況 満員御礼…
その集大成のような
役者4人の 想い 漲る…
とってもいい〜千穐楽でした👏

欲を言えば
“千穐楽SP ”と称して
“◯◯ライブ”を 拝見したかった気もしますが
それは 私たち 観客それぞれの“胸の中”で
ただいま 激賛 開催中 だったり🤭

そんな 素敵な千穐楽を迎えた この作品が
4月25日から 配信で観られるそう❣️

舞台を見逃してしまわれた方は もちろん
ご覧になられた方も ぜひ🤗

旅するワーニャおじさん

旅するワーニャおじさん

パンケーキの会

下北沢駅前劇場(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/04/16 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

チェーホフの原作を、アイルランドのブライアン・フリールが翻案した『ワーニャおじさん』。駅前劇場のステージ側にも客席を作り、横長のスペースを客席で挟み込む形。約140分。

ネタバレBOX

これだけの近距離だと、あのギターには(メーカーロゴはともかく、ボディの質感・風合いという点で)違和感が。気にしない人にはどうでもいいことなのだろうが、個人的にはこれがずっとついて回った印象。あと、客席がステージを挟んで向かい合っている形なので、最前列でお眠りになっている人(二幕や三幕あたりで3人ほど)が役者越しに目に入って少々げんなり。
零れ落ちて、朝

零れ落ちて、朝

世界劇団

三重県文化会館(三重県)

2025/04/12 (土) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい、です。圧倒的な俳優の身体と、リフレインする台詞に、中盤から一段とのめり込みました。同じく拝見したという方も、傑作!と。広島での上演はとても意義深かったことと

タナトスの棲む町

タナトスの棲む町

藍星良Produce

Studio twl(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。自分自身と向き合った自己分析・内省や人間観察、それを色々な形の「愛」や「恋」を切り口に描いた心象劇といったところ。その解ったような解らないような曖昧模糊とした感情を具象化しようとしている感じ。たびたび出てくる台詞「人は二度死ぬ。一度目は肉体の滅び、二度目はその人のことを覚えている者が誰もいなくなった時」だと。人が生きることとは、そしてその存在とは を劇中で語られる哲学的・心理学的とも思える台詞によって印象付ける。この公演、小難しい台詞もあるが、人の心の奥底にある魂の叫びのようなものを感じる。それを どう舞台化するのか腐心したようだーそれが舞踏と語り。

冒頭は、2人の妖艶で幻想的な舞踊から始まるが、物語の途中でも突然 舞いだす。この舞い手こそ心にある二律背反の感情の表れ。1人(紫苑)は黒を基調とした衣裳、もう1人(茜)は白っぽい衣裳で、交差した時などは対照が際立つ。愛は男女の交わり(性)から始まり、この世に生を受ける。人は何らかの形で他者の評価を気にして生きている。人の肉体は滅んでしまえば忘れ去られるが、その評価(業績等)は後世まで語り継がれる。その意味で芸術は直接的に生き甲斐を感じることができる。物語は演劇活動を行っている者たちを描いており、まさに等身大の人物が息衝いている。
(上演時間1時間40分 休憩なし)【Lycoris】 

ネタバレBOX

舞台美術は、紗幕を正面そして上手/下手の壁に向かって斜めに張る。やや下手寄りに丸テーブルと椅子2脚。もともとあまり広いスペースではないこと、そして舞踊を行うため空間を確保している。この舞踊、感情というか人の内面、外面を擬人化したような存在で、その語りが己の選択を…そして物語に潜ませたサスペンスのようなことと相俟って不思議な魅力を漂わす。

物語は、劇団を主宰している穹良が恋人 翔太の死を嘆き落ち込んでいる時、墓参りで彼の妹 凪と再会したところから始まる。人間は恋愛に狂うこともあれば嫉妬に狂うこともある。その持て余した感情の はけ口はどこか。凪は、兄 翔太を慕っており穹良に良い感情を抱いていない。そのことを知らない穹良は悲しみを共有するかのように劇団の脚本家 四宮を紹介する。凪は四宮に惹かれ親しくなっていく。一方、穹良も四宮を頼りに…。後世に残したい「作品(脚本)」作りに集中している四宮、その彼を巡る2人の女性の愛情と嫉妬、そして自分は何者なのかを自問自答するような懊悩が心を揺さぶる。

劇団には雨華という女優と映像で活躍している東雲という男優、その2人が等身大の芸能(劇団)人物像を立ち上げる。台詞に込められた意味を理解しようとする真摯な姿から多少スキャンダラスなことをしてでも有名になりたい。先の三角関係の重苦しい関係とは違い、あっけらかんとした乾いた感覚が対照的に描かれている。そして、こちらも肉体関係を重ねるが深みにはまらない。その愛(感情表現)の違いは何であろうか。
人はいつか死ぬ、翻って それまではどう生きるかが問われている。昨今 注目され出した?死生学、まさに愛の形を切り口にした死生観を描き出している。

俳優陣は総じて若いが、性格と立場をしっかり立ち上げている。特に、舞踊をしながら2人の語りが哲学的であり、物語を奥深いところまで導いてくれるよう。この演出が妙。幻想的であり、時に妖艶な肢体をくねらし(婀娜やか)性的な匂いを漂わす。同時にピアノの力強く弾くような曲が流れ、感情のうねりを感じさせる。死を意識した生、その生き甲斐が男と女によって少し違うような、そんな微妙な感情も垣間見える好作品。
次回公演も楽しみにしております。
鎌塚氏、震えあがる

鎌塚氏、震えあがる

森崎事務所M&Oplays

世田谷パブリックシアター(東京都)

2025/03/30 (日) ~ 2025/04/20 (日)公演終了

実演鑑賞

『鎌塚氏』シリーズの第7弾公演。舞台に限らず、オリジナルIPを人気シリーズに育てるのは簡単なことではなく、今シリーズの成功も内容の充実が伴ってこそ。ドラマと俳優で観客を魅了し、随所でしっかり笑わせる、良質なコメディだと感じました。

ネタバレBOX

シリーズものなので、過去作を知るファンが期待する「定番ネタ」もありつつ、初見の観客も置いていかない細やかな配慮を感じます。「この俳優が出演するのなら、こういうシーンを創ろう」という意図が明確(に感じられた)なので、ある種の見易さも伴い、そういう意味でも丁寧な上演だと思いました。個人的には池谷のぶえさんの存在感に(これまで何度も感服していますが)とても感服しました。本当に「底が見えない」舞台俳優さんです。
嵐 THE TEMPEST

嵐 THE TEMPEST

俳優座劇場

俳優座劇場(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/04/19 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第一幕75分休憩15分第二幕80分。

素舞台、というよりも観客に見せたいのは取り壊される俳優座劇場そのものだ。がらんどうのステージ、小道具はそのまんまの箱馬。剝き出しの生身の劇場に役者陣が登場。平体まひろさん演ずる妖精エアリエルの「ドーン!」からスタート。そこは暴風吹き荒れる大海原、荒れ狂う大波、叩き付ける雨粒、右に左に船体は軋み天地は逆さま、為す術もない木の葉の如く弄ばれる船の上。混乱と恐怖、狂乱と混沌、パニック状態の乗客と船員。それを嘲るかのようにエアリエル率いる6人のニンフ(精霊)達が愉快に歌い踊っている。(サロペットのワークマン女子みたいな衣装)。

ミラノ公国の大公、プロスペロー(外山誠二氏)は魔術の研究に没頭する余り、政務を弟のアントーニオ(浅野雅博氏)に任せっきりにしていた。アントーニオは敵国ナポリ王アロンゾー(藤田宗久氏)と謀り、プロスペローと幼い3歳の娘ミランダ(あんどうさくらさん)を船に乗せて追放。流れ着いた絶海の孤島で二人は12年間何とか生き延びた。到頭魔術を究めたプロスペローは妖精エアリエル(平体まひろさん)、半人半獣のキャリバン(藤原章寛氏)を従え復讐の幕を開ける。

平体まひろさんのファンならば今作は必見。まさに彼女が彼女たる所以、歌も踊りも演奏も魅力いっぱい。劇場中をヘトヘトになるまで走り回る。ライアーハープの音色。日高哲英氏作曲の歌が印象的。「ドーン!」
ニンフの一人、蟹澤麗羅さんが大家志津香っぽかった。
のんべえの執事、ステファノー(上杉陽一氏)の佇まいに観客大受け。十八番。
ヒロイン、あんどうさくらさんは原日出子や倉沢淳美の若い頃っぽい。登場から涙ぐんでいた。

主演・外山誠二氏は我儘な頑固爺、魔術を使って好き放題のイカレっぷりはトランプのようでもある。この老人の癇癪に付き合わされて皆ヘトヘト。

ネタバレBOX

前半、音が散乱散失して台詞が聴き取りにくかったが、何かこれも狙いなのかなあと。野っ原の素舞台で演し物を眺めている感覚。説明調の台詞が延々続きぐだぐだの展開。続々と居眠りに落ちる観客達。ああ、後期のつまらないシェイクスピア劇って感じ。それが段々と味になる不思議。平体まひろさんが奮闘して劇場中を駆けずり回り何とか盛り上げようとする。第二幕では復讐に燃えていたプロスペローの気持ちが和らぎ萎えてゆく。許したい、自分の心をも平穏に戻したい。シェイクスピアは今作を最後に引退したとされている。400年以上前の作家の心持ち。どうにかハッピー・エンドを、自分の心のハッピー・エンドを。かなり無理がある強引な手綱捌きの展開だがそれすらも俳優座劇場ラストにふさわしい。何もないステージで観客に心からの拍手を求めるプロスペロー。どうか赦してくれ、貴方達自身をも。

※エアリエル率いる6人のニンフ達は夢の遊眠社っぽい。
グッバイ、レーニン!

グッバイ、レーニン!

パルコ・プロデュース

キャナルシティ劇場(福岡県)

2025/04/05 (土) ~ 2025/04/07 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/07 (月) 13:00

座席1階K列20番

価格12,000円

 「グッバイ、レーニン!」とは、何とまあ、挑戦的なタイトルだろうか。現代日本においては何の問題もなく通るだろうが、未だ旧ソ連の影響色濃い国では上演禁止運動くらいは起きかねないと思う。
 しかし、上演すること自体には問題なくても、これを日本で大ウケさせるには相当苦労することが、予想される。何となれば、東西ドイツ分断と統一、その過程におけるトラブルを描いたこの喜劇、あのベルリンの壁崩壊から36年を経て、歴史がすっかり風化した現在では、何がどう笑えるのか、ピンと来ない人々も少なくないと思われるからだ。
 これ、冗談で言ってるわけじゃないからね。学校でドイツの歴史くらいは習ってるじゃん、と言われそうだけれど、実際、観劇後、退場していく20代と思しい若い人たちが口々に「よく分かんない」「レーニンって誰?」って漏らしてたから。
 彼らにとってはドイツ統一がどんなに世界的な大事件だったかもまるでポカーンだし、舞台の背景でレーニンが大写しになっても、それが誰なのかハテナってのが大半なのである。せめて原作映画が公開された2003年直後に舞台化されてたらねえ。

 若者の常識知らずに憤慨したって仕方がない。わが国の歴史だって、太平洋戦争で日本がどこの国と戦ってたか知らない、なんて若者が普通にいるのである。時代の変遷、歴史の風化ってのはそういうものだ。

 若者には内容が難しいなら、前提となる歴史を噛み砕いて説明するオリジナルなシークエンスくらいは付け足したってよかったのに、というご意見もあるだろう。しかし今回の演出では、そういう「親切」を今一切行われなかった。
 そりゃそうだろうねえ、「常識知らず」は観客の問題であって、舞台の作者に責任のあることではない。初めから観客には理解が足りないだろうと決めつけて優しい配慮を施すってのは「余計なお世話」というものだ。
 そもそも戦後の東西ドイツの問題について何の知識もないのにどうしてこの芝居を観に来ようと思ったのかって話なので。

 結局、お客さんの大半は、「生の相葉雅紀くんを観たい」程度の関心に過ぎなかったんだろう。それで舞台がつまらないと感じたなら、それはそれで仕方のないことだ。自分には「合わない」芝居を観ちゃったんだと諦めるしかないことだよね。

 勘違いしてもらっては困るが、『グッバイ、レーニン!』の物語自体は文句無しの傑作である。シリアスな政治ドラマとおバカなスラップスティック・コメディが見事に融合し、笑って泣ける悲喜劇としての完成度は極めて高い。オリジナルの映画がドイツで大ヒットを飛ばしたというのも納得できることである。
 舞台化に当たって多少の瑕瑾は生じていると思うが、見る価値のない舞台だなどとは絶対に言えない。普通に常識のある方は、ぜひオリジナルの映画版をご覧になっていただきたいと思う。

ネタバレBOX

 『グッバイ、レーニン!』の何が面白いのか。
 まず、社会主義国家である東ドイツと、自由主義国家である西ドイツ、両者が統一されたと言っても、東が西に統合されたのがドイツ統一なのであって、もしもそれが全く逆で「西が東に吸収されて社会主義国家になってしまったら」という架空歴史の嘘、この面白さがある。
 SFファンなら全国ご承知、『高い城の男』やら『連合艦隊ついに勝つ』等々、1ジャンルを築いているパラレルワールド=ウソ歴史コメディだね。もしも歴史が別の方向に転んでいたら、という発想には、歴史の「過ち」を修正したいという読者や観客の願望を叶えてくれるカタルシスが含まれている。『機動戦士ガンダム ジークアクス』もそう。連邦軍じゃなくてジオン軍が勝った歴史、なんてまんま『グッバイ、レーニン』だ。

 さらにそのウソを、ガッチガチの社会主義者である主人公の母親に信じさせようとする主人公たちの奮闘が物語の主軸となっている。
 これまた喜劇の王道、ニセモノをホンモノと見せかけて騙す詐欺師もののパターンの変形だ。でも今回はそれが「社会そのもの」の変革を誤魔化すという、壮大なウソで押し通そうというのだから、相葉くんの苦労のほどたるや(笑)。
 これ、日本を舞台に翻案出来ないものかな、ってちょっと考えたんだけど、日本がいきなり社会主義国家になりましたって言っても、信憑性、説得力がないからね。『愛国戦隊大日本』みたいに徹頭徹尾おふざけでやるしかない。『グッバイ、レーニン!』の母親みたいに、しみじみと涙をそそる結末には至りそうにないのよ。

 西側陣営の象徴とも言えるコカ・コーラを目にした母親がショックを受けると、慌てた相葉くんがコカ・コーラ社がドイツの国営企業になったんだとありえないウソをつくのなんて、大爆笑だったんだけど、会場ではあまり笑いが起きてなかったね。
 若い人にはどんだけおかしいかも分からないのだった。

 不満と言えば、まあ、キャストが全員ドイツ人には見えないってことだけれど、これはまあしょうがない。ただ改善点はいくらでもあって、例えば、息子役の相葉くんと、母親役の堀内敬子さん、年齢差が11歳しかないのね。実際、堀内さん、相葉くんの母親にしては若過ぎる印象で、これはキャストをもう少し歳上の方にして欲しいところだった。
 全員日本人の中で、トリンドル玲奈だけが外国人顔であるのもかえって違和感がある。いくら演劇が「見立て」で成り立っているとは言っても、人種をごたまぜされるとやはりどうしてもどこの国の話やねん、という印象を持たざるを得ない。次回、再演があるなら、全員外国人キャストで演ってくれないものだろうか。

 今どきの観客に内容が伝わりにくいというネックはあるけれど、これは定期的に公演を繰り返して欲しい秀逸な舞台である。キャストが変われば、新たな魅力も生まれることだろう。パルコには一考を望みたいが、若い人の反応が鈍いと難しいかなあ。CoRichでの感想も全然だしね。

●パルコ・プロデュース2025『グッバイ、レーニン!』
https://stage.parco.jp/program/goodbye-lenin
カフェオレ

カフェオレ

相州雅屋×溝ノ口劇場

溝ノ口劇場(神奈川県)

2025/04/09 (水) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/10 (木) 19:30

チームお地蔵を観劇させていただきました。コンパクトにまとまっていて、ほっこりするストーリーでした。

月曜日の教師たち

月曜日の教師たち

Cucumber

ザ・スズナリ(東京都)

2025/04/03 (木) ~ 2025/04/15 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/10 (木) 14:00

劇作家で演出家で俳優の5人に、若手俳優1人を加えたチームによる芝居。
期待通り達者な台詞でクセ強めのキャラも面白い。
これで”センセイ”かあ...、という人ばっかりが出てくる第七中学の休憩室が舞台。

ネタバレBOX

テーブルと椅子もあるけど、小上がりみたいな畳のスペースもあって
居酒屋か夜勤スタッフの仮眠室みたいな、のどかな雰囲気の休憩室。
ここに、常に休憩中みたいな教師たちが入れ代わり立ち代わり出入りして騒動が起こる。

軽いドタバタだがキャラ設定は面白く、台詞の絶妙な間に何度も笑いが起こる。
そこに人生の哀愁やほろ苦さ、切なさが描かれるのをつい期待してしまうが、
そこまでの味わいや毒っ気はない。

作家さんそれぞれの個性を際立たせた小品を、オムニバス形式で観せる!
なんてだめなのかしら?
ほろりとさせたり、矛盾を突いたり、怒りを爆発させたり、いろんな教師が出てきて
面白いと思うけれど、そもそも”徒花”と銘打っているのだからこれで良いのかも。

若手俳優の荒澤守さん、タッパも華もあって素敵でした。
爽やかな若者も、すんごい悪い奴も、どんどんやってください!
龍と虎狼ーepisode SOUJI-

龍と虎狼ーepisode SOUJI-

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前に「龍と虎狼-新撰組 Beginning-」を観劇したが、それにリンクしている と言ってもこちらが先になるような物語だ。説明では「何故、総司は人を斬ることになったのか、その背景となる過去を『龍と虎狼』シリーズのフィクションで描く」とあるが、沖田総司のエピソード0(ゼロ)として、その心情を巧く立ち上げている。勿論『龍と虎狼』シリーズを観ていなくとも十分楽しめる。

物語に明確な前半と後半があるわけではないが、何となく後半 特に見せ場である殺陣はスピードと迫力がある。その中心にいる沖田総司役の市瀬瑠夏さんは、凛々しい青年剣士として殺陣はもちろん所作もキビキビしており美しい。顔立ちも憂いを帯びているようで孤高の剣士というイメージ。少しネタバレするが、稽古(練習)では強いが真剣(本番)では力を発揮できない。その心情を薩摩藩士 西郷信吾(西郷隆盛の弟)とも重ね、心も体も そして剣術も強くなければ生き残れない、そんな激動の時代に生きた青年像を立ち上げている。物語の肝もそこにある。

物語は新撰組の前身ー壬生浪士組と名乗っていた時、京都の情勢を探るため江戸から来た4人、そして今で言うところの風評操作を行っていた薩摩藩士<尊皇攘夷の過激派志士>、そして遊郭の花魁たちを時代状況に重ねて描いた幕末群像劇。少し分かり難いのが有名な「寺田屋事件」の場面。そこに壬生浪士組が絡んでの殺陣になるが、その状況・事情等の背景がハッキリしないことから、突然 他の薩摩藩士が現れて藩内の同士(上意)討ち、捕縛が始まる。前半の敢えて芝居掛かった緩いシーンと 後半の殺陣シーンのギャップに違和感が…。
(上演時間1時間35分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、下手の一部を2段ほど高くし別空間ー遊郭を設える。朱色の片引き戸、その両側は楓や牡丹の花柄の壁で華やか。それ以外は広い空間を確保しているが、勿論 殺陣シーンのため。

壬生浪士組の4人が江戸から京都の情勢を視察に来たところ。その4人とは沖田総司、山南敬助、斎藤一、永倉新八で、それぞれの性格を早い段階で描く。まだ何者にもなれていない沖田、冷静沈着な山南、血気盛んな斎藤、楽天的な永倉といった感じ。沖田は剣術に優れているが、実は生身の人間を斬ったことがない。その躊躇する気持ちが命取りになる、そんな危うさがある。

その頃、京都では薩摩藩のうち 倒幕に急進的なメンバーが幕府の悪評を流布していた。その中に西郷信吾がいた。彼も人を斬ったことがなく、さらに長兄(西郷隆盛)の活躍と比較され忸怩たる思いをしていた。そして情報収集や諸々の活動のため遊郭に出入りしていた。その遊郭に夕霧という花魁、その付き人として曰くある姉妹が仕えていた。西郷と夕霧、そして薩摩藩の動向を探る沖田と山南も夕霧と接触し…。初心な沖田は夕霧に恋心を抱くが、夕霧の態度は曖昧で要領を得ない。不穏な行動をする薩摩藩士、京都の町を火事にしてその隙に暴動を企てるが…。混乱の最中、浪士組と薩摩藩士が斬り合いになるが、西郷を庇って夕霧が沖田に斬られる。初めて人を、それも恋心ある花魁を。ちなみに西郷も人を斬ったことがなかった。

その悲しみを乗り越え、使命を果たそうとする。その非情さが後々、新撰組一番隊長として恐れられた沖田総司を作る。同時に精神的な逞しさを身につけ、夕霧を慕っていた女2人を素知らぬふりをして観察方として引き入れる。この2人が くノ一のような格好で「龍と虎狼-新撰組 Beginning-」にも登場する。沖田総司が人斬りへ、それが後の新撰組の原動力になっていく。幕末の動乱期を 虚実綯交ぜで描くが、やはり見所は殺陣シーン。
次回公演も楽しみにしております。
タナトスの棲む町

タナトスの棲む町

藍星良Produce

Studio twl(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日【Viola】班を観劇、ある劇団を舞台に身近な人の死をきっかけとして起きる人間模様を描く休憩無し約1時間40分、なかなか話が進まないのが特徴、舞踊および狂言回しを担う2人の女神(エロスとタナトス?)がいいアクセントになってます。

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