
叫べ!生きる、黒い肌で
アブラクサス
サンモールスタジオ(東京都)
2019/05/09 (木) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/05/09 (木) 14:00
2019.5.9㈭ PM14:00 サンモールスタジオ
花曇りの風の強い昼下がり、小西優司さんが出演されているアブラクサス『叫べ!生きる、黒い肌で』を観に新宿御苑駅からサンモールスタジオへと向かった。
劇場に入り、前から二列目の席に着き、目を前に向けると、舞台奥2段上がったところにピアノ、その上に金のフリンジで作ったようなシャンデリア、舞台右手前には木製の丸いテーブルと三脚の椅子がある。
この舞台は、1960年代アメリカで、公民権運動に参加し、肌の色によって差別されていた人々の自由を求めたアーティストニーナ・シモンをモデルとし、彼女が親友の事を思いながら作曲した『若き、才気ある、黒い肌で』という歌からインスピレーションを得て生まれたアブラクサスのオリジナルストーリー。
1960年代のアメリカ、400年に渡る人種差別への抗議運動が盛んな時代、アフリカ系アメリカ人のシバーナは、幼い頃からアフリカ系アメリカ人初めてのクラッシックピアニストになる為、教育を受けて育ち、音楽大学に受験するが大学に入れずピアニストを諦め、生活の為に酒場でピアノを弾くようになり、そこで、アフリカ系アメリカ人の自由と人間としての尊厳を求める公民権運動に身を捧げるビリーと出会い、親友になり、自らも運動に参加しのめり込んでゆく。
アフリカ系アメリカ人が、電車や交響施設、レストラン等で、人種差別により、白色人種と分けられ、選挙権すらなかったのは、そう遠い過去ではない。そんな公民権運動激しい時代、行き過ぎるまで、その運動に身を投じ、歌い続けたシバーナの人生を回想シーンを中心に紡いで行く舞台。
今日が千穐楽であり、テーマになっている内容が内容なだけに、私自身まだこれからも考え続けなければいけない問題でもある為、詳しく感想を書く事は難しい。なので、今は、観終わって感じた事をそのまま書く事で留めたいと思う。
人種差別とその差別により奪われ、虐げられて来たアフリカ系アメリカ人の自由と人間としての尊厳を求める公民権運動という、内容に一言では言えない、様々な問題やテーマが織り込まれているが、ニーナ・シモンがモデルのシバーナの、音楽にかけた思いと情熱、歌に込めた祈りと闘いに、胸が軋み、圧倒的な熱と命を感じた。
時に暴走するまで、公民権運動に傾倒して行くシバーナの葛藤と痛みと想いは、Setsukoさんだからこそなし得たシバーナだと思う。ニーナ・シモンがモデルのシバーナの全身から噴き出すような思いと叫びのような歌は、Setsukoさんだからこそ、表現し歌えたと思う素晴らしさだった。
小西優司さんのリチャード・フォレストは、最初の目的はどうあれ、敢えて自分を悪者にし、自分の命をかけてビリーとビリーのお腹に宿った命を護ったその思いが、切なくも深く胸に沁みた。
遅々として変わらない事に苛立ち、暴走して行くシバーナや仲間たちの中にあって、非暴力による公民権運動を成すことで変えようという強い信念を貫く羽杏さんのビリーの真摯で凛とした姿に、心動かされた。
シバーナの人気と名声、シバーナの歌声が生み出す金と名誉を護る事に汲々としているように見えた石田太一さんの夫アンディの一連の発言や行動は、シバーナとシバーナのお腹に宿った命を護ろうとして、宿った命を守り切れなかった彼のせめて、シバーナだけでも護りたいという愛ではなかったか。
明るくなく、重いテーマの話である。けれど、目を背けてはいけない問題でもあり、この頃より大きく改善されたとは言え、今でもまだ根強く残る人種差別。
マイケル・ジャクソンですら、黒い肌を持つという事で、差別に苦しみ葛藤したという。それ程に根深い問題である。
いつの時代であろうと、国や人種、肌の色で差別や排除されることなく、国、環境、人種や肌の色に関係なく、自分自身に誇りを持ちたいという思いが、膚に胸にキリキリと刻みつけられるように伝わって来る舞台だった。
文:麻美 雪

かつて愛した様な物
劇団KEYBOARD
「劇」小劇場(東京都)
2019/05/09 (木) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/05/11 (土) 19:00
価格3,500円
小山希美氏の作品は
毎度、心をかるく抉られる。
今回もまた江戸を舞台にしているが、
時代劇というよりも
江戸時代を素材にして
人間の内面世界を描いた
現代劇といってもいいだろう。
生きているときに
感じること、考えること、想うこと、
すべてがそこにあった。
氏の今までの作品の中で
もっとも人間の原罪をうまく扱っている
作品だと思う。
何度も観直したい作品だった。

死んだら流石に愛しく思え
MCR
ザ・スズナリ(東京都)
2019/05/09 (木) ~ 2019/05/15 (水)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/05/09 (木) 19:30
115分。休憩なし。
殺人鬼の話なのに、いつしか自分の事として重ねて捉えて観てしまう。とにかく重くて、苦しくて、観ていて、どんよりと、やり場のない切ない気持ちにさせられた。笑のシーンも、腹から笑うというよりは、若干乾いた笑いになってしまっていたように思う。終演して現実に戻った時、どこか安堵してしまった自分がいた。

ハッピー・new・メリークリスマス
劇団マリーシア兄弟
Geki地下Liberty(東京都)
2019/05/09 (木) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
囚人達の会話劇で、テンポが良く面白かったです。囚人のキャラクターが愛らしく、役者さん達は、それぞれのキャラクターを好演していました。コメディータッチで楽しかったのですが、なぜ、こんな優しい人達が犯罪を犯したのか?という部分が描かれていたら、もっと深みが出た気がしました。とは言え、優しい気持ちになれる舞台で良かったです。

叫べ!生きる、黒い肌で
アブラクサス
サンモールスタジオ(東京都)
2019/05/09 (木) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
観劇三作目です。前作に比べ演出が成長したようにも思えるが、まだまだここというところのメリハリが足りない気がする。照明使いにムラ有り。オヤジさんじゃないが、歌える人がいるというのにそれを活かさないのはもったいない。キャパとしては大きい劇場ではないので台詞マイク無しは当然だが、歌のシーンだけはやはりマイクでその世界を広げ包むことも必要では?生声だと少々粗がわかってしまい、演出の上手い切り替えもないので“聴かせる歌”にはなり切れなかったと思う。芝居も大事だが、舞台には魅力も必要だと思うが。
今まで存在の薄かった男性陣がはっきりしてきた。確かにバランスが良いとは言えないが、全体レベルは上がっている。これはプラス。
個人的に羽杏さんは押し女優さんなのだが、今回は普通の芝居が出来る女優さんで終わってしまったのが残念!彼女にはもっと難しい演じにくい役がお勧めかと。
次回作期待しております。

クイーン・エリザベス
松竹
日生劇場(東京都)
2019/05/05 (日) ~ 2019/05/26 (日)公演終了
満足度★★★★
あまり期待しておらず席も倹約して2階のかなり後方だったのだが、女王の恋人役の髙木雄也さんのエッジの効いた演技、特徴のある力強い声に引き込まれてしまった。この方、Hey! Say! JUMPのメンバー。まさかのジャニーズ事務所である。縁のない方々と決めつけていてはいかんなあと反省した。
歌は全くなしのストレート・プレイ。
前半はエリザベス1世(大地真央)の有名なエピソードに一通り触れて行くスタイルである。オープニングは「ロンドン塔への幽閉」であり、最後は「スペイン無敵艦隊を迎え撃つ戦場での演説」である。そして後半は若きエセックス伯ロバート・デヴァルー(髙木)との話がほとんどである。女王の寵愛と国民的人気を過信するあまりデヴァルーは大陸派兵を強行するが成果を上げられず、アイルランド侵攻も失敗し、謀反から処刑へと破滅の道をたどる。
国務長官ウィリアム・セシル役の西岡德馬さんは声だけで圧倒的な存在感があり、芝居全体に安定感を与えていた。女王付きの女官ベス役の樹里咲穂さんの柔らかい声、身のこなしも印象に残る。
日生劇場の2階奥は音響も良く、適切な傾斜により舞台が良く見通せてお勧めだ。
80分+25分休憩+65分 = 2時間50分

慶應不思議草子
真紅組
近鉄アート館(大阪府)
2019/05/10 (金) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
総勢30人以上の出演者。時代は幕末。しかし今回の主役はなんとそんな時代の分かれ目に住んでいる猫たちであります。この猫たちから見た人間模様、時代が描かれる、、。
ということで、いつもより娯楽色が強くテーマ性が薄い気がした。常に鋭い人間描写を得意としてきた真紅組としてはたまにこういう軽妙・洒脱な作品もあるんだと納得。
ラストには「ええじゃないか、よいじゃないか、、、」の狂ったような踊りでこの京の明治維新を終わらせる。中岡慎太郎は出るも、一緒に殺害される坂本龍馬が名前だけの登場というのも面白い。
そして引き続き劇団員によるレビューが何曲も続く。何かファン感謝デーみたいでしたネ。たまにはこういうのもいい。

叫べ!生きる、黒い肌で
アブラクサス
サンモールスタジオ(東京都)
2019/05/09 (木) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
物語はシバーナ(ニーナ・シモン)とビリー・ハンズベリー(ロレイン・ハンズベリー)という2人の黒人女性の交流(フィクション?)を通して描いた”反黒人差別”という人間+社会ドラマのようだ。
内容はドキュメンタリーを観るような重苦しさがあるが、回想手法と劇中歌によって演劇公演としての面白さを観せている。その視点は黒人側であるが、当時のアメリカの状況と黒人が抱いていたであろう感情は分かり易く描けていた。
できれば、差別行為がもう少し具体(視覚)的に分かると感情移入がしやすいと思うが…。
(上演時間2時間) 2019.5.13追記

「マンナカノホシゾラ」「カレーライス殺人事件」
しみくれ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2019/05/08 (水) ~ 2019/05/13 (月)公演終了
満足度★★★★
騙し、を主眼とする公演、団体自体の主眼なのでミステリとか好きな自分としては好みの方向性なので安心して観れる団体。
席によって見え方の異なる舞台配置で高台みたいなシーンもあるので後ろの方に陣取ると全体が観やすいかも。
小出しの情報で物語が徐々に浮き彫りになっていく過程で、こういう事かな? と推理する内容が別の情報で崩れ二転三転するのが楽しい。
何度も観たくなる芝居なのでリピート割が嬉しいし、2つの微妙にリンクする芝居のもう一方にも適用されるのもありがたい。
願わくばDVDなどの映像媒体の物販があればより嬉しい。
各登場人物の表面上の情報と裏の情報、秘密、立ち位置や状況。メモ取ったり整理したりしながら観たい。
カレーライス殺人事件とマンナカノホシゾラ、みる順序でも印象が変わるだろうけど、どちらもとても面白かった。
ネックとしては座る席によっては首が痛くなりがち(前の方に陣取ると高台が見難い)なのと、カレーライス殺人事件の方は少し暗転が長く感じました。
何かいてもネタバレになりそうなので詳細感想はネタバレboxにて。

「マンナカノホシゾラ」「カレーライス殺人事件」
しみくれ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2019/05/08 (水) ~ 2019/05/13 (月)公演終了
満足度★★★★★
「マンナカノホシゾラ」
過去にとらわれ、小説を書くことができなかったたかし。促されたことにより書きはじめるが、どうしてもとある出来事のことを書いてしまう…というのが、大筋でした。丘の上で繰り広げられる関係が甘酸っぱすぎて、やきもき。

「マンナカノホシゾラ」「カレーライス殺人事件」
しみくれ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2019/05/08 (水) ~ 2019/05/13 (月)公演終了
満足度★★★★★
「カレーライス殺人事件」
タイトルからして、ミステリーなんだとは思っていました。ただ、しみくれの物語で、そんなストレートなミステリーやるわけはないと思いまして、はてどんな味付けになっているかと興味深く観ていました。

きく
エンニュイ
SCOOL(東京都)
2019/05/08 (水) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
ビル5階の狭小空間SCOOLで役者9名のモノローグとくっ喋りとムーブやゲームを見た。向い合せに高低2タイプのパイプ椅子が間隔を置いて2列並び、空いた側の壁には一列椅子が並ぶが後者が実は俳優がずらり座っている。一人がおもむろに口を開くと開演。ちょうどキャンプファイアで自分の事を語り合うようなモードで、他者の話を「きく」行為・態度についての検証材料が展開する。この「告白」モードでの語りには、人のプライバシーを覗くちょっとしたわくわく感があり、それへのリアクション、薀蓄や話題の転換などネタ的には面白く見られるが、作り手が選択した仮説へと収斂して行くものがなく、云わば検証材料陳列になっている。
これらがまるで即興のような臨場感で表現されるのは興味深い。パンフに書かれているとおり製作過程で俳優個々が持ち込んだ素材が活用されているのだろう、俳優らは彼ら自身として存在し、与えられた役を演じているようには見えない。台詞の流れは最終的には即興でなく決定稿となったと思われるが、「作りこまれた」ように見えないのは作品というよりワークインプログレスの発表に近い。作り手は作品として提示したに違いないが内容はそういうものに思えた。
俳優が演じやすい俳優個人としてありながら、つまり出し物としての作為性が比較的薄いものでありながら、狭小空間の利点と考えてか客に介入する(舞台をはみ出る)部分が時折ある。しかしこれが不遜な印象を与えなくもない。作為的に堅固に作られたものの上で「遊ぶ」のは(戻るべき場所があるので)有りだが、あやふやな土台の上で客に介入すると自信の無さの裏返し(本人的には積極的介入?)にみえてしまう。
出し物として面白い場面、秀逸な局面は多々あったが、作品にまとめ切れなかった印象が残る。

無敵望遠鏡
宇宙食堂
吉祥寺シアター(東京都)
2019/05/09 (木) ~ 2019/05/14 (火)公演終了
満足度★★★
劇場2階ロビーの展示物を見て、宇宙モノ専門の演劇ユニットへの期待が高くなりすぎたせいか、本編は後半までなかなかノリきれず。

「マンナカノホシゾラ」「カレーライス殺人事件」
しみくれ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2019/05/08 (水) ~ 2019/05/13 (月)公演終了
満足度★★★★★
マンナカノホシゾラを観劇しました!
なんだか、自分に当てはまることも多く、かつ、とても考えさせられる題材だったため、非常に面白かったです!
1回で理解しきれなかった部分も多いのですが、幸い台本が売っていた為、ついつい購入してしまいました。
私は今回しか行けなかったのですが、機会があれば、2度3度観劇することをお勧めします!
再演も是非して欲しい、そんな舞台でした!

笑う門には福来たる〜女興行師 吉本せい〜
松竹
大阪松竹座(大阪府)
2019/05/03 (金) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

ハッピー・new・メリークリスマス
劇団マリーシア兄弟
Geki地下Liberty(東京都)
2019/05/09 (木) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/05/10 (金) 15:00
罪状も理由も違う6人の囚人たち。
そのうち4人が、会いたい人に会いに行くため脱獄を計る。
でもだからって穴を掘るとは・・・とってもクラシック(笑)
伝説の大泥棒の謎解きと、テンポ良く繰り出される台詞が魅力。
あと少し台詞を絞ったら、もっとキャラが立って
光る台詞がいくつもあったのが惜しい。

フィナーレもしくはバースディ
劇団芸優座
調布市文化会館たづくり・くすのきホール(東京都)
2019/05/10 (金) ~ 2019/05/11 (土)公演終了
満足度★★★★
3話のオムニバスで2時間超えの尺に10分の休憩ありっす
老いというものに気づきを与える作品郡でした
聞き取りやすい台詞に
理解はし易いんだがチョイ古めの感じの脚本は
演劇鑑賞の入門と考えると満点ながら
チョイ物足りなさも感じるものでありましたわ

改訂版「埒もなく汚れなく」
オフィスコットーネ
シアター711(東京都)
2019/05/09 (木) ~ 2019/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★
7人しか出て来ない舞台とは思えないくらい、圧倒的演技を見ることが出来ました。
夫婦のぶつかり愛が小劇場の良さを生かして観ることができます。

そんなもんじゃない
ナツミガキタ
ギャラリーしあん(東京都)
2019/05/11 (土) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/11 (土) 15:30
価格2,000円
無自覚の悪意、がよく表現できていた。作・演出そして主演をこなした長谷川なつみさんはかれこれ5年ほど見ているが、今回の演技が一番良iい。彼女の中に潜伏していた芝居の怪物が遂に覚醒し姿を現した、と言っても過言ではないであろう

叫べ!生きる、黒い肌で
アブラクサス
サンモールスタジオ(東京都)
2019/05/09 (木) ~ 2019/05/12 (日)公演終了