
『花と爆弾~恋と革命の伝説~』
劇団匂組
OFF・OFFシアター(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
西山水木演出もさりながら岩野未知推しで観劇。女性の書き手だが骨っぽい作品のようだとの予想通り、否、予想を上回った。冒頭、幸徳秋水家で新たなお手伝い・百代(牧野未幸)をスガ(岩野)が迎えるシーン。スガは勿論その生き様を見つめられる存在であり、百代は見つめる側(ナレーションも担う)であるが、会ったその日にスガの事を「お母さんだと思った」事の判る一分足らずの凝縮したやり取りから、芝居に釘付けになった。
管野スガの名は、「日本文学盛衰史」にそう言えば出ていたと観劇後に思い出した。大逆事件で死刑囚となった紅一点。革命にも事件にも女有り。
男はだらしなくマザコンで甘えん坊だが、彼らが世の中を回している。実母を亡くし親類の家で苛め抜かれたスガは、今この時、恋をする。その相手・荒畑寒村(井手麻渡)、両者の思いを察し、再度二人を引き合わせる手回しはスガの実妹、肺病病みだが好奇心旺盛で寒村を慕う秀子(葵乃まみ)の計略。「スガを見つめる」もう一人であった秀子はやがて亡くなるが、思う合う二人の恋は成就する。恋と言えば百代の方は楽しく働く編集室で、同志となる新村(岩原正典)と出会い、互いに同じ年恰好、相手の中に己の未来を見て、手を振り合う仲に。だがその次の瞬間には主人たる幸徳(成田浬)の欲情の贄となる。風呂敷包みを抱えて実家へ帰る百代と、折しも訪れた新村がすれ違うシーンは一際抒情的に描かれる。西山演出は男女の心の距離感と息遣いを細やかにリアルに、また見事に象徴的に表現する。この本は言論の闘いや主義への情熱と不可分に絡み合う「女と男」の存在をありありと生き生きと捉えている。性(の痛み)を抜きに正義を語る勿れ・・。
スガと結ばれた荒畑は程なくスガを「ねえちゃん」と呼ぶようになり、やがて苦節の中でスガに母性を求めるかに見え始める。スガは母性と優しさを持つが、それは広い視野と行動する誠実さに裏打ちされた優しさであり、相手の願望に従うのでなく己が生きる選択とする。全き自立、良い意味での自己中心が、幼少時からの徹底した「否定」を潜った故だろうかと考えると、複雑な思いになる。
この本ではスガはこの時代に生み落とされた得がたい、宝石のような存在と描かれるが、その内実は彼女が自身を肯定し、表出している事から来ている。男は押しなべて彼女に大なり小なり依存的となる。だが彼女が向かい合った相手の人格を認めた瞬間、相手も輝く。そうした関係性も連想される。
歴史上の彼女の事を私は知らないが、岩野未知という俳優の体を得て具現した管野スガ像には愛おしさを覚え、世界に歴史に存在する(した)こうした女性たち、そして男たちの事を人類の記憶に刻んで行くことの貴重さを思わせられる。

恋する宇宙に人類は
BALBOLABO
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2019/10/30 (水) ~ 2019/11/04 (月)公演終了
満足度★★★
壮大なラブストーリー。
最初の方にある役者紹介、嬉しかった。
アクションカッコいい。擬音楽しい。
席の配置だけが残念。二列め端の席は
見えないシーン多数。

たそかれ。
KUROGOKU
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2019/10/30 (水) ~ 2019/11/03 (日)公演終了

月夜に舞い上がる桜
VACAR ENTERTAINMENT
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2019/09/07 (土) ~ 2019/09/16 (月)公演終了
満足度★★★
各地を侵略していく「将軍」に狙われた町とその住人たちの物語。「将軍」などという大仰な存在が話の中にある割に、小さく話がまとまってしまったように思えた。その大きな要因のひとつは、「将軍」が舞台の上に存在しないせいだろうか?渋めの相応な年齢の役者さんが登場していれば、説得力も上がっただろうし、台自体の雰囲気にも締りがあったのではないかと思う。また主役である月翼に、もう一つずば抜けた魅力を加えられなかったことが大きい。設定的にヒーローとしては足りない造りに思えた。
(まぁ、平和ボケした日本を比喩している気もして、それはそれで面白かったが・・・。)
さて、陣好きとしてはかなり殺陣の粗さが気になった(上手い人も居たには居たが)。みせ方としてもいまひとつワクワク出来ず。
衣装も男性陣はそれなりであったが、女性陣のの着物に違和感。町娘が金糸の入った帯や着物はないだろうと思う。応しくない衣装が目についた。また着付けも直せる方がいるなら直してあげて欲しいと思うばかり。挿入歌、楽しい曲だったが、和のテイストがまったく感じられず場に合わない気がする。アレンジでもう少し作品に合わせて頂いた方が良かったのでは?加えて動線の為だけのセット。場はどんどん変わるのに何の変化もない。セット自体にその作品の雰囲気を持たせなかったことも残念。タイトルと中身の繋がりがあまり感じられなかったことも残念に思えた。
と、難癖ばかりで申し訳ない。だが良い部分がまったくないわけではない。
出演者のほとんどが“歌える”“踊れる”ということ。若い出演者たちの熱気は確かに感じられたという事。これはかなり良い!“やる気のある舞台”ではあったとは思う。
今後の彼らの成長に期待したい。

gift魂
MousePiece-ree
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2019/09/26 (木) ~ 2019/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
ここ暫くコメディーで大笑いはしてなかった。なんというか、近のコメディーのパターンが決まってしまっているように思える為だろうか。小さな勘違い・れ違いがどんどん膨れ上がっていくタイプ。のパターンは"一言いえば終わりじゃん!"と観ていてジリジリイライラするわけで・・・。確かにこの作品の中にもそれはあるが、れ以上に気のいいアホ"がいっぱい!(すいません!褒めてます!)話の流れで作ったコメディというより、場人物の素材自体が面白いのだ!ノリの良さが半端ない!“コメディ”というより“お笑い”それが大きな魅力だと思う。
ストーリー自体はかなり明快、齢関係なしに楽しめる作品だ。古ぼけたアパート、口汚い婆の管理人、アパートの前では住人が集まり
事ある度に呑んで騒ぐ。なんとも羨ましい光景だ。色濃いアホばっかりで皆底なしに人が良い。このベースが作るワチャワチャ感が半端ない!他愛もないバカ騒ぎは作り物感がなくとても楽しそうだった。
ジジが何者か?三角関係の行方は?なることがいくつか。その疑問が付いて廻るのがアクセントになっている。ただのアホ騒ぎだけではなく“人情”ってり使われなくなった言葉がそこに存在していた。
キャスティング、こちらもハマリと言っては何だが、“くそ馬鹿ガキ”と怒鳴りまくる宇田川美樹さんが関西勢の中でしっかりなじんでいるのは驚いた!大阪人には行ってはならないと言われている“馬鹿”の連発!しかしちっとも違和感がない!言葉ではなく感覚で同化しているような感じに思えた。始めは寡黙キャラかと思われたスミス役のカンくん、ちらっと見せる感情の揺れ、よく出ていた。幽霊キャラの地下アイドルという設定も面白かっし、吉本あたりのお笑いに居そうなキザ男、そういう濃いキャラの中に、涼し気に東京から来たばかりの嫁さんがいるというバランスもイイ!アホな遊びもいっぱいで、が付けば大笑いさせられていた!

コンドーム0.01
serial number(風琴工房改め)
ザ・スズナリ(東京都)
2019/10/25 (金) ~ 2019/10/31 (木)公演終了

死に顔ピース
ワンツーワークス
ザ・ポケット(東京都)
2019/10/24 (木) ~ 2019/11/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
本当にうまく出来ているなあと唸ってしまった。構成、演出、演技すべてがピタッとはまっている。ただ、お話は全くよくわかるのだが、私自身は都会のマンションの片隅で一人静かに死にたいという思いを強くした。在宅医療よりネット医療が良いし、ロボット看護・介護も早くお願いしたい。
場面転換ではマイケル・ジャクソンかボブ・フォッシーかというようなstop&go的な切れの良い動きが披露される(かなり盛ってます)。オープニングではいくつかのパターンを連続して行うが、それは立派なダンスパフォーマンスになっている。こういう無機的な動きが人間の生死という真逆なものとうまく調和して全体の雰囲気を作っている。クラウンが帽子を下から投げて上で受け止めるのは "Steam Heat"にあるやつで帽子の回転も飛距離も十分で見事に決まっていた。ボブ・フォッシーと書いたのはこれで思い出したのだった。
以下独り言:30乃至50歳代で癌に冒された方は本当に大変だ。癌になったら儲かるくらいの支援があっても良いと思う。一方で70歳以上の方は自然な成り行きなのだから治療などせずに緩和ケアに徹するべきだ。むしろ癌になったことを感謝するくらいの気概を持とう。そして最期はNHKでやっていたオランダでの安楽死のように「皆さん、さようなら」でクスリを入れた点滴の栓を自分で開けて穏やかに消えて行きたいものだ。

僕にまほうをかけろ魔女
札幌ハムプロジェクト
台灣食堂(大阪府)
2019/10/22 (火) ~ 2019/10/22 (火)公演終了
満足度★★★★★
大人に成って疲れた時 魔法をかけられたのは、オーナーなんだ。手紙 電話番号 漏洩 イヤー 参った参った。 舞台セット 小道具がとても良い 難しい心の中を多くの台詞で解りやすくい作られた芝居 別れ 出会い 友達 必要 面白かった。

ScarecrowSong
Random Encount
TORII HALL(大阪府)
2019/09/28 (土) ~ 2019/09/29 (日)公演終了

白紙のページには
ぽんこつチョップ
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2018/08/03 (金) ~ 2018/08/05 (日)公演終了

白い兎が逃げる
劇団P・T企画
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2019/01/26 (土) ~ 2019/01/27 (日)公演終了

女殺油地獄逢魔辻
エイチエムピー・シアターカンパニー(一般社団法人HMP)
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2019/07/13 (土) ~ 2019/07/15 (月)公演終了

盆がえり
演劇集団よろずや
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2019/08/23 (金) ~ 2019/08/25 (日)公演終了

密会
劇的集団まわりみち’39
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2019/09/13 (金) ~ 2019/09/15 (日)公演終了

奇妙な旅の旅のしおり、この世の果て
ウテン結構
d-倉庫(東京都)
2019/10/09 (水) ~ 2019/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/10/10 (木) 19:35
価格3,500円
複数の層構造で構成される劇団内幕系。夢の中と言うか胡蝶之夢的と言うか「この場はどの層?どっちの層?」と惑うのがまた楽しからずや。

詩と再生
彗星マジック
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2019/10/25 (金) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

あんたバカね、また会いましょう
The Stone Age
TORII HALL(大阪府)
2019/10/25 (金) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

麦とクシャミ
劇団大阪
谷町劇場(劇団大阪アトリエ) (大阪府)
2019/10/18 (金) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

終わりのない
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2019/10/29 (火) ~ 2019/11/17 (日)公演終了
満足度★★★★
イキウメの大劇場登場である。昨年の東京芸術劇場では素材は借り物だったが今回は、抽象概念をドラマにしたいかにもイキウメらしい内容だ。これが面白い。
イキウメを見慣れている客は、また、パラレルワールドか、と思うが、今回は大劇場向けに世界も広がって、主人公の「意識」が宇宙を飛ぶファンタジーである。個人に対立するように外に設定されていた異次元の世界は、今回は人間の内面に置かれていて、今までと一味違うドラマが展開する。何よりも新鮮なところがいい。
宇宙遊泳を思わせる宙吊りの冒頭から、水中の溺死の経験と、個人の意識がドラマの軸だと売ってくれてはいるが、中段の量子論から、出口の外にある遊星のシーンになると、論理的にはついていけなくなりそうになる。だが、かつて、野田の芝居が、なんだか解らないけど泣ける、と言われたように、その解りにくいシーンもセリフや衣装につられて見ていれば十分面白い。そしてラストになると、現代の課題に立ち向かう勇気をもらったような気分になる。その証拠に、中年のおばさん(が今一番芝居の見巧者という説もあるが)も多い観客が水を打ったように見入っている。
仲村トオル、村岡希美、それに主演の山田祐貴の客演組がが、イキウメのメンバーの小劇場っぽさを大劇場へと誘導する巧みなキャスティングだ。美術、照明、衣装、効果もいい。堂々とイキウメの世界を押し出して成功している。
野田、ケラ、松尾スズキに次いで、久しぶりに、個性的な創作劇を大劇場で20回を超えて見せられるカンパニーが現れたことを喜びたい。休憩なしの二時間。

クロスミッション
カラスカ
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/11/03 (日)公演終了
満足度★★★★
どちらの話もとても楽しませて貰いました、色々なオマージュが入っているから生でしか観れないだろうなとは思いましたが、生で観るからこその楽しさと思って、その場の空気を楽しんできました。
出演者の方にも聞いたんですが、2つの話が少しリンクしてて、私は十字架、交差の順で観たんですが、両方観れるなら逆の交差、十字架ミッションで見た方が小ネタは分かりやすいかもしれません。
ただ、どちらを見ても笑える部分があったので、最近少し笑う事が少ないなと思った方には、どちらを見ても笑顔で帰れる気はしました、かなり笑わせていただいたので、機会があるならシリアスな話も観てみたくなりました。