ピラカタ・ノート 公演情報 ニットキャップシアター「ピラカタ・ノート」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    何て身勝手なことでしょう
    枚方を舞台に人間のエゴが招いた悲しい神話のような物語。

    ネタバレBOX

    古事記をモチーフにしていて、内容的には比較的分かり易くなっていました。

    松下幸之助と京阪電車によって国造りのようにして造られたのが枚方市、市内の団地の一室にある水槽の中に作られたのがピラカタでした。

    母親に会いに行って黄泉の国から戻ろうとする息子を、父親は息子が障がい者ゆえに再婚の妨げになると思い押し止めます。

    家族の生死にも影を落とす人間のエゴは、大きなところでは他の生物をも滅ぼしています。そして、そんな人間も大自然から不条理なことをされます。1995年1月17日がそれでした。お芝居では言及はされていませんでしたが、2011年3月11日も迎えたわけです。

    水槽の中の世界を人間が最初は楽しげに、最後は残酷に操る様は、誰かが地球を含む宇宙を水槽の外から眺めているというSFを思い起こさせます。地主のおじいさんが孫に星新一の本を与えるシーンによって、作者が星新一のショートショートからヒントを受けたことを物語っているようでした。

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    2011/04/10 08:11

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