満足度★★★
女の怖さ
家の主が殺され、同じ家に暮らす8人の女の内の誰が犯人なのかを巡るミステリー作品でした。緊迫した雰囲気の中にもユーモアのある台詞があったり、犯人が分かったところで終わらずにもう一捻り皮肉の効いた展開があったりと、洒落ていました。
したたかさや嫉妬深さなど女の怖さを焙り出した脚本は良かったのですが、演出がいまいち脚本とフィットしていないと思いました。
ずっと会話が続く内容で視覚的に単調になりがちなのを身体表現を用いて変化を与えていたのは良いのですが、作品の雰囲気に合ってないように思いました。いかにもダンス的な音楽に合わせた動きよりも、何回か使われていたスローモーションのようなマイム的な動きの方が適していると思いました。
前半はほとんどずっとBGMが流れていたのは、後半との対比を出すためだったと思うのですが、音量が大きすぎて台詞が少々聞き取りにくいときがありました。
演技も台詞まわしが板についていなくて、噛む場面が何度もあったのが残念です。少女から老人まで幅広い世代の登場人物が出る作品を同年代の役者たちだけで演じるのにも少々無理があったと思います。
初本公演ということで、まだまだな所が多く感じられましたが、原作自体の面白さもあって、楽しんで観ることが出来ました。