無い光/変な穴(御来場ありがとうございました・御感想お待ちしています) 公演情報 MU「無い光/変な穴(御来場ありがとうございました・御感想お待ちしています)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    変な穴(女)
    演目初日を拝見。

    女性たちの個性や想い、
    時にちょっと滑稽でもあるのですが、
    女性たちそれぞれの何か欠落した部分が
    しなやかに浮かび上がってくる。

    その中でさらに触媒になる女性が現れることで
    男性の欠落したものが輪郭を見せ始める。

    明確ではないけれど明らかに存在する
    男女それぞれの感覚に次第に浸されていきました。

    ネタバレBOX

    冒頭のシーンから
    その場のルールがしたたかに伝えられる。
    ちょっと奇異な感じもするのですが
    ドレーという感覚はしっかりとした形で
    観る側に伝えられていきます。

    男性が使う、
    鞭にあたるスプレーがちょっとチープで
    でも、きちんと場をコントロールしていくのが
    おもしろくもあり、物語のエッジを作ってもいて。

    その中で個々の女性たちの色や個性、
    そして内外に抱える現実が
    抽出されていきます。
    4人の女優たちそれぞれに
    キャラクターを広げる足腰がしっかりとあって
    それぞれのはみ出したような部分に実存感が生まれ
    足りないものと持てあますものそれぞれが
    観る側に残されていく。

    さらに、5人目のドレー、
    支配する側と重なるものを持った女性がその場に置かれることで
    視野が大きく広がって・・・。
    それまで、4人の女性たちに求めていたものなどから
    曖昧に浮かびあがっていた
    男性の抱える「穴」のようなものの輪郭や
    他の女性たちのその世界につなぎとめられる
    鎖やボーダーのようなものを
    しなやかに堀り出していく。

    物語で表現されることは
    あからさまに出来るものの外側というか
    観る側の常なる感覚とずれたような
    非日常な部分で組み上げられているのですが、
    そうであっても観る側のどこかに
    共鳴する部分が潜んでいて。
    時には様々な顛末が滑稽にも思えたりもするのだけれど、
    一方でその先に存在する不思議な普遍性を感じたりもして
    自らにとまどう。

    ドーナツの穴を意識させるような感覚というか
    そこにないからあるというか・・・。

    マスターを演じた役者や
    彼女たちの外側に置かれたコンビニ店員を描き上げた役者、
    この役者たちのそれぞれの語り口だからこそ
    醸し出され浮かび上がったであろう
    感覚に浸されてしまいました。







    冒頭からちょっと色のつ表現されるべき男性の感覚は
    きっと言葉で表現できる類のものではないのだと思います

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    2011/04/01 06:23

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