『翔べ!原子力ロボむつ〜めぐりあい時空編』<10人版> 公演情報 渡辺源四郎商店「『翔べ!原子力ロボむつ〜めぐりあい時空編』<10人版>」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    渡辺源四郎商店『翔べ!原子力ロボむつ〜めぐりあい時空編』

    青森県を拠点にしている劇団で、今作は岸田戯曲賞候補作品。

    あらすじ:
     青森県のとある町。高レベル放射性廃棄物の受け入れを決めた町長は、廃棄物の無害化を見届けるため、コールドスリープにより1000年後になって目を覚ますが、二つの地域が対立して戦争を行なっていた。だが廃棄物への無害化は終わっていない。また眠り続けて、起きてみると人口減少で壊滅状態だが、廃棄物の無害化は終わっていない。更に眠り続け目が覚めても同じことの繰り返しだ。
     最後に町長がひとりだけ生き残ったが、廃棄物の無害化は未だに終わらないのだ。

    感想:
     東日本大震災直後に作られた芝居。誰もが認識し始めた放射性廃棄物の処理問題だ。無害化に何十万年かかるという時間に唖然とし、未だに解決しない問題を捉えたのだ今作だ。
     放射性廃棄物を受け入れを決意した町長が、無害化まで責任を持って見届けるという設定が、観客自身も同じように意識しなければいけないのだ。
     描かれるテーマの深刻さに相対して、登場人物のキャラクター、りんご王国、廃棄物無害化のロボット、りんご動物など、アニメのように戯曲化していて、失笑と寒気すら感じてしまうが、意図として機能しているからこそ、物語と現実が乖離せず一気にテーマに突き進んでいく。
     誰にも分からない日本の将来、廃棄物の無害化問題、これからも不安を抱えながら生きなければならないながらも、未来に行きている町長の姿を将来に置き換えると全く希望がないのだ。
     渡辺源四郎商店は何本も観ていて、毎作ごと期待通りだが、今作が最高傑作のようだ。

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    2026/09/21 10:18

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