拝読、致します。 公演情報 演劇企画アクタージュ「拝読、致します。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ㊗第20回公演、千穐楽観劇。
    代読する本の数だけ話があり、それらを引っ括めて大きな物語を紡ぐ。その大きな幹に描かれている内容がミステリー風に展開していく。代読する本は、小説もあればhow-to本もあり一貫性があるのか否かは不明。

    代読する本に描かれている内容は、説明にある「僕は殺された」に関連があるような匂わせ方、しかし直接的な繋がり/手掛かりは見い出せない。核心の周りをぐるぐる回るだけ その曖昧さが更に謎めかせている。個々の代読場面と全体を貫く物語の関係というか、絡ませ方が解り難いといった印象。

    少しネタバレするが、拝読はそのまま全てを読むのではなく、書かれている内容を要約し説明する。喫茶「雨読堂」の店員 四季楓の拝読は、その的確な内容把握が評判になっている。実は彼、Web小説を配信しており 少しは名が売れている。しかし今は…過去の出来事を巡って物語が錯綜していく。この結末をどう観客が捉えるか、それによって物語全体の解釈が違ってくる と思う。観客に委ねる といったありがちな結末とも違う、そこに曖昧模糊といった もどかしさが残る。
    (上演時間1時間40分)【B チーム】

    ネタバレBOX

    舞台美術は 喫茶「雨読堂」内、上手に出入口、その近くに大きな本棚。下手にカウンターと腰高スツール。客席寄りに机/椅子があり 四季楓が座る。中央に丸テーブルが2つと椅子。今日はイベントがあって その回想のようにして物語は始まる。テンポは良く、演劇企画アクタージュらしさが出ていた。

    夜遅く 一人の女性 夏目依子が来て 四季に息子 碧の手帳を読んでほしいと言う。碧は自殺、事件性はないらしい。その彼が幽霊になって「僕は殺された」と言い、犯人を捜してほしいと依頼する。その手掛かりは手帳に書かれていると。現実離れした物語と昼間イベントに参加した常連客の拝読/物語(例えば「骨董」「夕鶴」等)が 虚実のように交差して展開する。単に本筋と脇筋のといった関係ではなく、本筋(幹)に絡みつく無数の枝のような一体感ある構成。幽霊の言い草と拝読本に共通しているのは「嘘」、そこに人の建前をみる。勿論 ここに居る人 すべてに当てはまること。
    なお、「幽霊」と「現実」の場面では照明を諧調させているから 混乱することはない。

    四季はWeb小説で人を傷つけたことがあった。それから書けなくなり 机には白紙の原稿用紙が隠されている。常連客は皆知っているが、その話題には触れないでいる。

    ここからは自分の解釈。
    第1は 四季の小説で傷ついたのが碧、何らかの原因で誹謗中傷を受けることになり 思い余って自殺。しかし碧=僕は殺された と思っている。具体的な内容が不明で説得力が弱い。
    第2は 夢オチ。ラストは、四季一人 ソファに座っている。色々なジャンルの小説等を読破して といった創作過程のようにも思える。しかし再び母 依子が登場するが、四季の一人シーンとは順序が逆で整合性がとれないような。

    どちらにしても 書けなくなった小説家 四季の悔悟と再生物語のように思えた。拝読の数だけ劇中劇的な観せ方、しかも 殺されたという怪しげな背景をちらつかせる。決定的な繋がりは暈し抽象的なレイヤーに思いを託したような印象。
    池袋演劇祭の観客は見巧者ばかりではない。その参加作品としては、もう少し分り易く収斂した結末の方がよかったと思うが…。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2026/09/14 16:32

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