風の子ピュー 公演情報 KUUM17「風の子ピュー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    記憶に残るであろう芝居。
    東北を代表する作家といっても良い宮沢賢治。

    その賢治を「作家」としてだけではなく「農民の為に労を惜しまない青年」として描きながら、途中途中に『風の又三郎』をはさみ込む・・・

    恥ずかしながら『雨ニモマケズ』と芝居で観た『セロ弾きのゴーシュ』しか知らなかったんだけど・・・観劇後、すぐに本屋で賢治の文庫本を2冊買いました。農家の人間として、知らなきゃいけんと思いました。

    すばらしい芝居でした。

    すばらしい演技、演出でした。

    終幕前の父親が賢治にかける言葉・・・これはボクの「座右の銘」になるかもしれない。。。

    ネタバレBOX

    「賢治の半生」と『風の又三郎』が同時進行していくんだけど・・・どちらとも、しっかり作り込んであって秀逸。

    賢治と「又三郎」こと三郎以外は、ひとり数役だったと思うのですが、みなさん達者な役者さんで・・・じっくりと芝居を味わえました。

    賢治役の小林肇さん。三郎役の林生弥さん。

    ただただ「すばらしい」です。

    林さんのちょっと口を曲げるしゃべり方、「不思議な少年、三郎ぽくてイイな」と思ったんだけど・・・口内炎の痛みと戦ってのものだったんですね。。。

    でも、「怪我の功名」だったと思います!よだれも、僕は好きだった!笑


    裕福な質屋で生まれ育った賢治。

    凶作のたびに、娘の一張羅や服まで質草にする農民をみて「これじゃいけん!」とおもう賢治。

    日蓮に傾倒するあまり親友に去られ・・・祈りだけでなく、農業指導という実業にも傾倒する賢治。

    農業技術がだんだん農民に受け入れられる賢治。

    次世代を担う子供たちへの指導に力を入れる賢治。

    なのに・・・天災は容赦なく東北の地を襲う。

    困窮ゆえの農民の反発・・・でも、命を削って「動く」賢治。。。

    そして又三郎も、大風に「ここは避けて!」と話しにゆく。。。

    賢治と又三郎が重なり合っていく・・・心にグッときました。。。


    ボクは賢治のように「滅私奉公」に徹することができない愚人だけど・・・自分なりに「大切な命」を使いたい。

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    2011/03/19 10:54

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