風の子ピュー 公演情報 風の子ピュー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-6件 / 6件中
  • 観ていた
    2011.3.18

  • 満足度★★★★★

    素敵な物語でした
    『風の又三郎』の物語に宮沢賢治自身を投影したような物語でした。この舞台を作った人たちの真摯な態度が印象に残りました。

  • 満足度★★★★

    劇団初見!
    飯田さんを始め劇団員の思いは届き、心に残る舞台でした。
    東北地方に暖かく、優しい風が吹くことを願います。

    ネタバレBOX

    「命を一生懸命使っている」 
    「やっと褒められた」
    衝突は有るもののそこには家族愛を感じる。
  • 満足度★★★★

    苦悩する宮沢賢治
    宮沢賢治の人生と彼の小説『風の又三郎』を平行して進め、彼の苦悩を描いた作品でした。タイトルやチラシ(上下反転すると別の絵になるイラストが面白いです)はポップな感じですが、実際の舞台はオーソドックスな演出と真摯な演技で、見応えのあるものになっていました。

    人の為を思ってしたことが仇になってしまって辛い思いをする賢治を丁寧に描いていて、善とは何かを考えさせられました。『風の又三郎』のパートは賢治の人生に合わせて少し改編されていましたが、ちょっとドラマチックにし過ぎな気もしました。

    賢治役の小林肇さんが見た目も賢治っぽく、違和感のない東北訛りでの熱演が素晴らしかったです。賢治以外は1人で2役以上を演じていたのですが、演じ分けが巧みでした。特に久保明美さんが印象に残りました。

    2つの物語を交互に進め、また1人2役なので、暗転が多かったのが気になりました。舞台上で着替えるとか、少し抽象的な衣装にして1つの衣装で通すなど、演劇の虚構性を強調した演出にしても良かったような気がします。
    あと、音響の音の出入りや定位が雑に感じられたのがもったいなかったです。

  • 満足度★★★★★

    絶品!
    そういえば・・『風の又三郎』ってスナフキンに似てるよね?更にムーニン谷の光景も思い出してしまうワタクシ。笑
    宮沢賢治のキャラクターといい、生徒たちのキャラクターはまんま、岩手の訛りと同化し、その風景も見えるようだった。

    以下はねたばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    百姓にも教師にも聖人にも成りきれなかった男・宮沢賢治の描写を忠実に再現していたと思う。宮沢賢治の半生と『風の又三郎』とのコラボは絶妙で、生徒=風の又三郎らがすんなりと物語に溶け込んでいた。

    質店の息子であった賢治は、農民がこの地域を繰り返し襲った冷害などによる凶作で生活が困窮するたびに家財道具などを売って当座の生活費に当てる姿をたびたび目撃、これが賢治の人間形成に大きく影響したと見られているが、一方で鉱物採集に熱中し、1919年(大正8年)、東京での人造宝石の製造販売事業を計画するも失敗し、父の金を無心した時代もあったのだが、結局、岩手に戻ってくる。

    舞台は賢治が農業に貢献し、多大の功績を残したまでを描写。だから賢治の「何者にもなれなかった」部分は削除してあったが、舞台はそれでいいと思う。法華経の教本1000冊を作って欲しいと賢治が父親に頼む部分は親子の情の部分が最大限に生かされていたシーンだ。

    ぜったいにぜったいに負けねぇ。

    こう言って踏ん張った賢治の壮絶な場面が蘇ったような舞台だった。
  • 満足度★★★★★

    記憶に残るであろう芝居。
    東北を代表する作家といっても良い宮沢賢治。

    その賢治を「作家」としてだけではなく「農民の為に労を惜しまない青年」として描きながら、途中途中に『風の又三郎』をはさみ込む・・・

    恥ずかしながら『雨ニモマケズ』と芝居で観た『セロ弾きのゴーシュ』しか知らなかったんだけど・・・観劇後、すぐに本屋で賢治の文庫本を2冊買いました。農家の人間として、知らなきゃいけんと思いました。

    すばらしい芝居でした。

    すばらしい演技、演出でした。

    終幕前の父親が賢治にかける言葉・・・これはボクの「座右の銘」になるかもしれない。。。

    ネタバレBOX

    「賢治の半生」と『風の又三郎』が同時進行していくんだけど・・・どちらとも、しっかり作り込んであって秀逸。

    賢治と「又三郎」こと三郎以外は、ひとり数役だったと思うのですが、みなさん達者な役者さんで・・・じっくりと芝居を味わえました。

    賢治役の小林肇さん。三郎役の林生弥さん。

    ただただ「すばらしい」です。

    林さんのちょっと口を曲げるしゃべり方、「不思議な少年、三郎ぽくてイイな」と思ったんだけど・・・口内炎の痛みと戦ってのものだったんですね。。。

    でも、「怪我の功名」だったと思います!よだれも、僕は好きだった!笑


    裕福な質屋で生まれ育った賢治。

    凶作のたびに、娘の一張羅や服まで質草にする農民をみて「これじゃいけん!」とおもう賢治。

    日蓮に傾倒するあまり親友に去られ・・・祈りだけでなく、農業指導という実業にも傾倒する賢治。

    農業技術がだんだん農民に受け入れられる賢治。

    次世代を担う子供たちへの指導に力を入れる賢治。

    なのに・・・天災は容赦なく東北の地を襲う。

    困窮ゆえの農民の反発・・・でも、命を削って「動く」賢治。。。

    そして又三郎も、大風に「ここは避けて!」と話しにゆく。。。

    賢治と又三郎が重なり合っていく・・・心にグッときました。。。


    ボクは賢治のように「滅私奉公」に徹することができない愚人だけど・・・自分なりに「大切な命」を使いたい。

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